ヤミー世界foodツアー　インド編 / レシピサイトNadia

ナマステ！　料理研究家のヤミーです。
無事1週間の南インドツアーから帰国しました。
滞在中のリアルタイムツイートは楽しんでいただけたでしょうか？
沢山のコメントやご質問ありがとうございました。　おかげで私も楽しかったです＾＾

さて、今回の1週間のツアーは、老舗インド料理店「ナイルレストラン」3代目、ナイル善己さんと行く南インドカレーの旅でした。ナイルさんのおすすめのレストランやカトラリー屋さん、雑貨屋さんなどを回る、食に特化した旅。スパイス好き、カレー好きの方が24名も集まったツアーでした。

食べることが好きな人たちばかりが集まったので、みんな食べ物や美味しいお店に敏感。それぞれが購入したものを見せあったり、あれこれと情報交換したり、いつもの個人旅とは違った充実感がありました。

そんな夢のように楽しかった旅を隔週4回にわたってレポートいたします！

初日から食べて、買って、体験して。
盛りだくさんのインド旅行記、始まります！

【1日目】空港で早くもインドのファーストフード「パニプリ」を体験。

●1日目のスケジュール
11:30	成田発エアインディアでデリーへ
18:00	（現地時間）　デリー着
20:55	デリー発南インド、ベンガル湾に面するタミル・ナードゥ州の州都チェンナイへ
23:45	チェンナイ到着

成田からデリーまでのフライト時間は約10時間ほど。冬は夏場より風の影響で遅くなるそうです。ヨーロッパに行くのとさほど変わらない時間です。

食べられないかも、と諦めていた「パニプリ」。空港でおいしくいただきました。

空港内にあったお店。ファーストフードみたいな感じ。色々なインドスナックがありました。
デリーからは国内線に乗り換えてググッと南のチェンナイへ。
国内線の出発時間が少し遅れていて時間があったので、空港内のお店で乾杯することに。
オシャレなお店もありましたが、インドスナックが色々揃ってたお店にしました。インドビールと「パニプリ」というおつまみで乾杯！
写真手前に映ってるのが「パニプリ」の「プリ」。
「パニプリ」の「プリ」は、ぷっくりと膨らんだ揚げパンというか揚げクラッカーのようなパリパリの生地のこと。この「プリ」に、じゃがいもや豆などの具を入れ、スパイスで味付けされた「パーニー」という水を注いで食べるんです。
これ、美味しいとは聞いていたものの、水が悪かったりするとお腹を壊すというウワサがあったので、街中で食べるのは無理かな〜と思っていたんです。それが空港にあるじゃないですか！　空港のフードコートならきっと大丈夫、とチャレンジしました。
パニプリセット。
スパイスの水は赤と緑があり、赤は甘酸っぱくてスイートチリソースのような味。緑はスッキリスパイシー。薄い皮のスナックになぜこんな水を入れて食べようと思ったのかは謎ですが、確かに美味しい！　不思議な食べ物だな〜と思いながら堪能しました。
「プリ」に穴をあけて、じゃがいもとスパイス水をたっぷり入れて食べます。
一緒に食べた3人も無事お腹を壊しませんでしたので、試してみたい方は空港でどうぞ。

丸1日以上の移動時間をかけて、初日のホテルに到着〜

蓋つきのかわいい容器に入ったウエルカムドリンク。
チェンナイのホテルに着いたのは真夜中の1時近く。そんな時間に着いたのに、ホテルでウエルカムドリンクをいただきました！
こちらがお部屋。インテリアも素敵。
パイナップルジュースだと聞き、ごくっと飲んだら……辛い！　濃厚で甘いんだけど、ピリリと辛くてびっくり。おかげで眠気も約17時間に及ぶ移動の疲れもとれる感じでした。ジュースもスパイシーだなんて、さすがインド！　いよいよインドに来たぞ、という感じで気分が上がりました。飲みきれなかったけど。
ということで、1日目は移動だけで終了。インドは広い！

【2日目】寺院見学に買い物、料理教室、豪華ディナー。さっそくインドの料理を満喫！

●2日目のスケジュール
10:30	ヒンドゥー寺院見学
11:00	カトラリー屋さんでお買い物
12:00	「SARAVANABHAWAN Hotel」でミースル ※ミースルとは南インドのお昼に食べる、おかわりができる定食のこと
13:30	別のカトラリー屋さんでお買い物
15:00	市場見学
17:00	料理教室
19:00	「Southern spice」でディナー

2日目最初の予定はヒンドゥー寺院「Kapaleeshwara Temple」です。
ここでは、敷地に入る前に靴を脱いで預けます。靴を預ける場所が完全に敷地の外にあるので、裸足で通りを歩くことに。街には裸足で歩いている人たちもたくさんいるので、普通の事なんでしょうけど、靴文化に慣れている日本人からすると、ちょっと驚き。
でも、この時の気温は32度。アスファルトが丁度良く温まっていて気持良かった！


寺院の主な建物は工事中でした。	向かう途中の道にはお供え物のお店が連なります。	寺院内はカメラの持ち込み料を取られますが、外観のみの撮影だけの許可。中は撮ることが出来ません。

観光よりも気になった、みんなが食べてる「ポンガル」

分けてもらった甘いポンガル。入り口にお店があって売られています。
中に入った後は、ガイドさんにヒンドゥー教のお祈りの仕方や神様、建物についての説明をしてもらいました。でも……じつはその間、私は敷地内で何かを食べている人の事が気になって気になって！　ちいさな紙容器みたいなものに入った何かを、手ですくって食べている人が何人かいるんです。

それを持った人の近くを通った時に食べさせてもらいました。
レストランの朝ごはんに出ていたポンガル。
それは「ポンガル」というもので、米と豆をミルクと砂糖（ヤシ糖）で煮たもの。朝ごはんの「ポンガル」は甘くなくてスパイスがきいていましたが、寺院内で食べたものは練乳くらいに甘かった！
寺院の門で配っていたポンガル。
寺院で食べたポンガル容器は、遠目では紙でできているように見えましたが、バナナの葉で作られているそうです。これ、たくさん道端に捨てられているのを見かけましたが、天然のものだから自然にかえるので良いかも？　まあ、あちこちゴミだまりがあるので、捨てられたものが自然にかえるよりも捨てられるスピードのほうが早そうでしたが。

寺院を出る時に、門でもポンガルが配られてました。これは朝ごはんに食べたものと同じような感じ。甘くありません。ポンガルはポンガルというお祭りを祝う料理でもあるそうなので、日本のお餅みたいな位置づけかなと思いました。

お昼のスペシャルミールス。手食で味わうのは、なかなかに難しい……

スペシャルミールス。このほかにトレーの外側に3種類。
この後カトラリー屋さんに行きましたが、その前にランチのお話。
「SARAVANABHAWAN」というレストランでスペシャルミールス（編集部注：ミールスとは、南インドのお昼に食べる、おかわりができる定食のこと）をいただきました。
外に容器を出してご飯をのせてもらい、カレーをかけて混ぜ合わせて食べます。
初日の昼からこれ！
正直、まだ頭も舌もついて行けてなくて、内容を覚えきれません。しかも初の手食に挑戦してしまったものだから、食べることに必死。周りの現地の方たちのようには美しく食べられません。しばらく眺めていましたが、同じようにやってるつもりがポロポロこぼれて少量ずつしか口に入らない！
「手で食べたほうが美味しい」と聞きますが、なれるまではそう思う前にお腹いっぱいになってしまうかも。いつか、手で食べつつも味の違いをはっきり説明できるようになりたいものです。

飲み込んでもいい噛みタバコ「パーン」を食後にいただく


これがパーン。アニスシードとココナッツ、赤いゼリー、他にもいろいろ入っているようでした。

食後には噛みタバコ「パーン」が出てきました（正しくは噛みタバコではなくて噛む嗜好品ですが）。甘いゼリーとココナッツ、アニスシードなどが入っていました。インドの噛みタバコには、キンマという葉にビンロウジを包んであり、口が真っ赤になるやつもあるのですが、ガイドさんが、「これは吐き出さずに飲み込んで良い」と言ってました。
ちょっとかじってみたら、この葉っぱ、知ってる！　タイの「ミエンカム」という料理に使う「チャップルー」にそっくり。

帰国して調べてみると、同じという確証は取れなかったのですが、どちらもコショウ科の葉っぱ。胡椒の葉っぱともそっくりですし。

一応、飲み込むのはやめましたが（噛みタバコのイメージから）、「ミエンカム」が大好きな私としては、全く問題なく食べられそうでした。

ちなみに「ミエンカム」はタイの高級レストランでも前菜の定番。そのイメージと噛みタバコでは、印象が全く違うので、ちょっと興味津々。次回、タイに行った際には調べてきます。

インドのカトラリー屋さんの物量にびっくり!!

続いてお昼の前後に行ったカトラリー屋さんについて。
カトラリー屋さんには2軒行きましたが、どちらも天井にも床にも食器がずら〜り！　圧倒されてほしいものが探せません!!
ここで、コメント企画のプレゼントを購入。この写真の中のどれかです＾＾　撮影の小道具にも丁度良さそうなものを選びましたのでお楽しみに！
2軒目にやっと慣れましたが、同じ種類のものが重なっているのかと思えば、そうでもなかったり、がさごそがさごそしながら見て回りました。
ここのお店は伝票入力する人、お金のやり取りする人、包む人が異なります。
まずは商品を持って伝票を入力してくれるところに並び、次にその伝票をもって会計に並びます。最後に商品を包むところに行ってレジの伝票を見せ、商品を受け取ります。

ヨーロッパでもこの形式のお店はありますが、心配で心配で自分の商品が動かされていくのをじーーーっと見守っていました。間違いなく受け取れてホッ。

地元の人も利用する市場で、インド食材を探索＆探求

カトラリーの後はローカルな市場です。
まず、ここの市場、今まで見てきた色々な国の市場の中でもニオイがキツイです。野菜メインの市場なのに、牛やヤギが放し飼いになってるからでしょうか？　すごく立派な牛が、野菜くずなどをモリモリ食べていました。
市場は昼過ぎくらいからが一番混むそうで、最初はまばらだったのに見ているうちにどんどん混雑してきました。
買い物客の大多数が手にしていた野菜がこちら。

ドラムスティックです。南インドで欠かせない「サンバル」というカレーに入っている野菜です。でもこのときは初めて見たので分からず、名前を聞くと”グランティック”との答え。
どんな料理に使うのかを聞いていたら、お客さんの男性が丁寧に教えてくれました。

で、聞いているうちに「説明してくれている料理はサンバルか！」と気付いて理解。
”グランティック”ではなくて”ドラムスティック”と言っていたのでした。


こちらはアムラという実。かじってみたら、ほんのり酸味ですっごく渋い！　お店の人の説明ではジュースにすると。健康にすごく良いそうで、「元気になるよ」とニコニコ。小さな実は漬物になっているのをあちこちの屋台でみかけました。ドライフルーツやジャムにもするそうです。	これはキンマ。インドの噛みタバコによく使われる葉っぱです。独特のちょっと刺激のある香りがあってほんのり苦い味。	こちらはスネークきゅうり。皮をむいてカレーに入れるそうです。ウマいよ！って。

どこの国に行っても、市場はいつまでもいられますね〜。そしてどこの国も野菜と果物って美しい！　美しいから、みんな美しく陳列するのかも。色とりどりの野菜を扱っているお店は、周りの雑然さ、ゴミゴミさから際立っていました。

一流ホテルでの料理教室は、意外（？）にも、和気あいあいでした

この日の予定は盛りだくさん。市場の後は一流ホテル、タージコロマンデルホテルで料理教室です。

レッスンメニューは、
・コーリー・ギー・ロースト（マンガロール地方の鶏肉のチリペースト炒め）
・バナナドーサ（バナナ入りの米粉生地の揚げ物）
・パッチャディサラダ（野菜入り塩味のヨーグルトサラダ。ライタ）
・コージー・ムラグ・カレー（チキンペッパーカレー）
・ミーン・モリ（ココナッツミルクのフィッシュカレー）
・Urulai vathakal（茹でじゃがいものスパイシー炒め）
・セイミヤ・パイヤサム（パスタのミルク煮）


コーリー・ギー・ロースト（マンガロール地方の鶏肉のチリペースト炒め）	パッチャディサラダ（野菜入り塩味のヨーグルトサラダ。ライタ）	ミーン・モリ（ココナッツミルクのフィッシュカレー）	Urulai vathakal（茹でじゃがいものスパイシー炒め）	Urulai コージー・ムラグ・カレー（チキンペッパーカレー）

これを2時間で教えてもらいました。
といってもゆる〜いレッスンで、シェフはあまり作り方の説明をせず、ほとんどナイルさんが見ながら解説してくださいました。

隣には参加者のフードコーディネーターさんがいたので、材料の分量をチェックしながら、私は試食の盛り付けを手伝うという手作り感。
おかげで私はシェフの横に陣取り、材料と手元が良く見えて勉強になりました。

ここで使ったスパイスで、印象的だったのが「カシミールチリ」。辛みがマイルドな唐辛子です。これをお湯でペースト状にしてから炒め、鶏肉を加えて更に炒めたのがコーリー・ギー・ロースト。
カシミールチリをお湯でペースト状にしたものをギーで炒めてます
見た目は唐辛子まみれですが、強烈な辛さではありませんでした。パプリカのようなほろ苦みと甘酸っぱさがあって美味しい！　これはぜひ日本でも売ってほしい。

で、みなさんに朗報です！
インドではカレーにGGペーストを使うそうです。GGペーストというのは、ジンジャーとガーリックを1対1で混ぜたペーストのこと。このＧＧペーストの市販品がインドのどのご家庭にも大概あるそうで、私が参加した料理教室でも使っていました。味は日本のチューブに入ったしょうがやにんにくとそっくり。

つまり、インド料理のレシピで、「にんにくとしょうがのすりおろしを使う」となっていたら、チューブしょうがとチューブにんにく使っちゃってOK。

もちろんおろしたての方が私は美味しいと感じますが、チマチマすりおろすのが面倒な時は気兼ねなくチューブから使ってください＾＾

南インドを代表する最高級レストランでディナーを食べて、2日目は終了！

　
ここは南インドを代表する最高級レストランのひとつだそうです。インテリアもテーブルセッティングもゴージャス！
ディナーは料理教室を開催してくださった、タージコロマンデルのレストラン「サザンスパイス」でいただきます。
この日のメニューはこちら。
何品あるか分かりますか？　デザートを含めると15品。これ、全部食べましたから。
品数が多すぎて、すべての料理を紹介することは出来ません！

スターターとサラダで9品、その後ターリー（ステンレス製の大皿）が出てきて、カレーは7品。その上、パラタ（油を練りこんだインドのパン）、イドリー（インドの蒸しパン）、アッパ（米粉から作った乾いたそうめんのような物）と粉ものもあり、白いごはんにビリヤニという炊き込みご飯、カードライスというヨーグルト混ぜご飯。
デザートは、ライスプディング、パイヤサム（牛乳を使ったデザート）、チョコレートケーキ、最後にマドラスコーヒーでした。


肉や魚のスターターの後にこのサイズのターリー！

ここで食べたものの中には、昼間の料理教室で習ったものもあったので、そちらだけ写真でご紹介します！


写真左から右に、バナナドーサ、コーリー・ギー・ロースト、ミーン・モリ、パイヤサム

ここのレストランには、もう一度行きたい！　インドで色々食べまくってきた今こそ、ここに行ったら、もっと堪能できる気がします。

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レストラン情報
「Southern Spice」
37, Mahatma Gandhi Road, Nungambakkam, Chennai
http://www.tajhotels.com/luxury/city-hotels/taj-coromandel-chennai/fine-dining/southern-spice-restaurant.html
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今回のコースは4500ルピー（約9000円）。税別ドリンク代別です。ビールは小瓶500ルピー。つまり約1000円！

2日目まででも盛りだくさんなので、1回目のレポートはここまで。

次回は、3日目のポンディシェリー、4日目のマハバリプラムとトリヴァンドラムのレポートです。トリヴァンドラムでは、ナイルさんのお知り合いの方のおうちで家庭料理を堪能しました。

近日公開予定！

ヤミーの世界フードツアー　インド編第2回（2月下旬公開予定）
ヤミーの世界フードツアー　インド編第3回（3月上旬公開予定）
ヤミーの世界フードツアー　インド編第4回（3月下旬公開予定）

こちらもぜひご覧ください！

ヤミーの世界フードツアー　スペイン編第1回パエリア
https://oceans-nadia.com/special_sites/yummyfoodtour1/

ヤミーの世界フードツアー　スペイン編第2回スペイン料理
https://oceans-nadia.com/special_sites/yummyfoodtour1/page2

ヤミーの世界フードツアー　スペイン編第3回スペインのお酒
https://oceans-nadia.com/special_sites/yummyfoodtour1/page3

ヤミー’s profile.

世界中のお料理を3ステップの簡単レシピにしてお届けする、料理研究家。
美術大学を卒業後、テキスタイルデザインの仕事を経て、輸入食材店に勤務。2006年1月に料理ブログをスタートし、レシピの簡単さと面白さからたちまちネットやテレビで話題に。2007年6月にはブログをまとめたレシピ本『大変!!この料理簡単すぎかも…ヤミーさんの3STEP COOKING』(主婦の友社)として出版され、ベストセラーとなる。他『「食べたい」ときに、食べたいぶんだけ! ヤミーさんの3STEPで作れる1人分お菓子』(主婦と生活社)『輸入食材で作る簡単!おいしい!ごちそうレシピ』など著書多数。

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