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    • 公開日2019/05/30
    • 更新日2019/05/30

    家族が真ん中!食べて心も身体も元気に楽しく美しく|#14 松山絵美さん

    NadiaのArtistにスポットを当て、ここでしか聞けない裏話や料理研究家さんの想いをお送りする「Artist History」。今回は、9歳から4歳まで4人のお子さまを育てながら料理研究家として活躍している松山絵美さん。季節の食材を使ったヘルシーなレシピは、薬膳効果も分かりやすく書かれており、Nadiaでも大人気。そんな松山絵美さんのここまでの道のりや、料理研究家としての想いをお聞きしました!

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    家族が真ん中!食べて心も身体も元気に楽しく美しく|#14 松山絵美さん

     

    無理なダイエットをきっかけに、食べる喜びと栄養の大切さを痛感

    小さいころから母の手伝いなどをしていましたが、自分で料理を作るようになったのは小学生の頃。「アリスの丘の物語」という絵本を買ってもらい、そこに出てくる砂糖を入れない素朴な焼き菓子にすっかり魅了されてしまい、毎日のようにいろいろなお菓子を焼いていました。

    ところが、中学校三年生の頃、当時流行った「〇〇だけダイエット」などがきっかけで、ダイエットにのめり込んでしまいます。痩せすぎで危険な状態なのに恐くて食べる事ができなくなり、心も身体もぼろぼろになりました。

    その時通っていた病院の栄養指導の先生が、カロリー計算をして自分で作って食べる所から始めることをアドバイスしてくれ、本を買い自分で料理を作り始めました。栄養素なども必死に勉強し、自分で分量を計ってカロリー計算をして作ったご飯だと安心で、だんだんと普通に食べられるようになったんです。

    しばらくはカロリー計算したものしか食べられませんでしたが、栄養をきちんと摂る事で心も身体も元の私に戻りました。栄養不足と、食べる喜びを失うと心が壊れるんだ! と身をもって経験することができました。

    自分も親になった今、両親にはあのとき本当に辛く大変な思いをさせてしまっていたと痛感し、感謝しかありません。でもあの時代があったから今の私があるのだと、強く感じています。

     

    母の料理が自分の原点

    松山絵美さんと息子さん

    母がお料理上手で、3歳頃から母が料理をしている横で、私も野菜の皮などを切って真似して遊んでいました。

    母は忙しく働きながらも毎日家族のためにたくさんの料理を作ってくれていました。

    同居していた祖父には別に魚をプラスするなど、品数も多く今考えるとすごく大変だったと思いますが、母はいつもとても楽しそうに料理をしていましたし、私にも料理のことをいろいろ教えてくれました。

    レパートリーもかなりの数で、気に入ったレシピを見つけると切り抜いてスクラップしたりと、研究熱心。かなり古いものから最近のものまで、未だに実家には色々なレシピがスクラップされたファイルが山ほどあるんです。

    下ごしらえをはじめ、全てにおいて丁寧に作る母の料理はやはりすごく美味しくて、見習いたいと思っています。今の自分の料理も、母が作ってくれた料理がヒントになっていることもかなりあります。あんな感じの味がまた食べたいな〜と思って記憶を頼りに再現してみたり、たまに母に電話して、どういう味付けだったの? と聞いてみたりもしますが、実は母も覚えてないことが多いです(笑)。それくらいいろいろなものを作ってくれていたということかなと思います。

     

    毎日のご飯は、楽しく美味しく!

    松山絵美さんとお子さん

    料理をするときは、マイナスの気持ちで作らないというのがモットー。 やっぱりイライラしながら作った料理は同じ材料で同じように作っても違ってくる気がしています。

    大好きな家族やお友達を思いながら作るとそれだけで美味しく作ろうと思いますよね。愛情って料理からも伝わるものだと思いますし、楽しそうに料理していた母を見習って、自分も楽しく料理しなくちゃと心がけています。

    でもやっぱり、「宿題しなさーい!」とか、「部屋を片付けなさーい!」とか牛乳パックひっくり返されて「もうー!」ってなっていることもありますけどね(笑)。

    枝豆

    今、自分が家族のために毎日料理をするようになって気を付けているのは野菜をしっかり摂れるようにすることです。また、その季節の食べ物はその時期に合った効能があるので、なるべく旬の食材を食べるように心がけています。

    主菜や、汁物にもなるべく野菜をたっぷり入れて、野菜の副菜も何品かプラスしているので、子ども達も自然と野菜を食べるようになりました。

    また、今は庭に畑を作っていて、子ども達が中心となって野菜を育てているので、自分達で収穫から料理までできるようなレシピも考えています。先日はスナップえんどうを収穫して、ごま和えを一緒に作りました。自分で育てた野菜はやっぱり特別みたいで、よく食べてくれますね。

     

    韓国料理に出会って料理の世界が広がった

    チャプチェ

    主人のお婆ちゃんが韓国出身で、生前に韓国料理をたくさん教えてくれました。日本とは違う作り方にワクワクして、これにものめり込みましたね。

    お正月には親戚が大勢集まるんですが、トック(韓国の雑煮)のために鶏ガラを十何羽も包丁で叩いてスープを作ったり、韓国のお正月料理をたくさん作ったりするのを手伝いながら教えてもらいました。

    今でも毎年お正月には業務用の寸胴鍋でトックを作ったり、カルビチムや、牡蠣キムチなど韓国料理をたくさん作っています。

    主人も韓国料理が一番好きなので、子どもが生まれる前は韓国料理屋さんもよく行きましたし、韓国へも何度も行ったりしていろいろ勉強しました。

    長男長女もだんだんとキムチや辛めの韓国料理を食べられるようになってきたので、Nadiaにも韓国料理レシピをもっと投稿していければと思っています。

     

    子育てしながら食に関する資格を取得

    私はワインソムリエやチーズコーディネーターなど食に関する資格をいろいろと持っているのですが、最初に挑戦したのは唎酒師でした。

    結婚してすぐ双子をさずかってから4人の子どもの妊娠出産が続き、育児に追われる毎日の中で、みんなが寝静まった後のちょっと空いた時間に大好きな日本酒の勉強を始めました。

    頑張った甲斐あって資格が取れたとき、主人や友達が「すごい!」って褒めてくれて。主婦って普段なかなか褒めてもらう機会がないですから、それはそれは嬉しかったんです(笑)。

    ちょっと空いた時間の勉強時間が私のストレス発散になっていったことにも気付き、ほかにもいろいろな資格に挑戦しました。

    フードオーガナイザーの勉強をしている時に、薬膳について触れたのをきっかけに、薬膳にも興味を持ちました。食で身体を改善するというところが、過去の摂食障害の経験と結びつき、「食ってすごい!」と、これまたのめり込み(笑)、薬膳漢方マイスターの勉強も始めました。

    その中で、「ひとつひとつの食材に効能があることを知ると、罪悪感なく食べられる」という言葉に触れて、これを伝えていきたいなと強く思いました。普段食べているいろいろな食べ物にきちんと効能があることを、あの頃の自分に教えてあげたいです。

     

    Nadia Artistとして、料理を通じて伝えていきたいこと

    松山絵美さん

    Nadiaはもともとよく利用していて、憧れの料理家さんもたくさんいました。 その後、友人に料理家になることを勧められて、全く未知の世界だったのですが、料理ブログを始め、ダメ元で申請したのがきっかけで、Nadia Artistとして活動することになりました。

    食材の効能を知ると食べることが楽しくなるので、以前の私のように食に悩んでいる方に届くといいなと思い、薬膳効果もなるべく書くようにしています。

    これからも我が家のように育ち盛りのお子さまがいらっしゃるご家族の普段メニューを中心に発信していきたいと思います。毎日献立に悩むお母さん方の日々の献立の参考にしていただけたらうれしいです。

    Nadiaに投稿したレシピは、娘の嫁入りに持たせたいと前から思っていたので、娘が家庭を持った時に、ママの味を作ってもらえたらなと思っています。

     

    楽しみながら、家族が喜ぶ料理を作っていきたい

    レシピ投稿は子どもたちが寝たあとにすることが多いです。ほかにも外出先の電車の中でスマホで下書きするなど、ちょっとした空き時間をうまく活用するようにしています。

    あとは子どもの勉強タイムに、「ママもお勉強だよー!」と、一緒に机に向かってレシピを書いたり、投稿したり。そうすると不思議と子どもも進んで勉強してくれるんですよね。

    料理の写真を撮るときは、レフ板を持ってくれたりとせっせと助手を務めてくれるので、助かります。

    松山さんお子さん2人

    また、主人も割と味にはうるさいので(笑)、「これはもっと味を薄くした方がいい」とか、「これは載せた方がいい」とか感想をくれるので、参考にしています。子どもたちは「ママ頑張ってね」「ママお料理上手ー!」と応援してくれますし、「ママみたいな仕事したい」と言ってくれるので本当に励みになっています。これが一番の頑張れる薬です。

    そして何より、みんながたくさん食べてくれるので、レシピもたくさん開発できています。

    下の子も小学生になり、少しずつ料理のお手伝いをしてくれるようになってきていて、トルティーヤや市販のピザ生地を使い、具を自分達で切ってのせるピザを作ったり、かつお節を自分達で削って出汁をとったり、たたききゅうりを作ってもらったり、包丁の不要な料理を一緒にする機会が増えました。

    これからも、家族で料理を楽しんでいきたいなと思っています。

    松山絵美さん

     

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    おすすめのキッチングッズ

    主ににんにくをつぶすのに活用している、韓国のつき臼です。 つぶしたにんにくで料理すると美味しいんです。にんにくのほかにも、しょうがやナッツをつぶしたりソムタムを作る時に使ったりしています。大きなすりこぎはたたききゅうりを作るときにも便利! そのまま材料入れて和えるのにも十分な大きさなので、ナムル作りには欠かせません。

    便利なだけでなく見た目も好みの竹ざるは毎日使っています。主人の実家で使っていたのをみてすっかりハマり、いろいろなものを集めています。おにぎり、蒸かし芋、そばやうどんを盛り付けたり、庭の野菜を収穫するときも便利ですし、野菜や梅干しを干したりと、万能の活躍っぷりですよ。

    写真:高橋 しのの

     

    松山絵美's profile
     
    9歳から4歳の4児の子どもを持つ料理研究家。間違ったダイエットから心と身体を壊した自身の経験から、間違ったダイエットによる心への影響や食の大切さを伝えるべく、季節の食材を使ったヘルシーな料理を提案。身体も心も元気に楽しく美しくをモットーにしています。企業、メーカーのレシピ作成、開発。料理教室など。また薬膳、チーズ、日本酒、ワイン、食と健康についての資格所有。

    松山絵美さんのプロフィールはこちら
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