素材やタイプでこんなに違うフライパン
みなさまは、普段はどのようなフライパンを使っていますか?
セラミックやフッ素などのコーティング系、鉄、ステンレス、アルミ…素材別で見てもたくさんの種類があるフライパン。値段もワンコインで手に入るものから1万円以上するものなど、ピンからキリまであります。いざ買おうと思うと本当に迷いますよね。
まずは参考までに、素材別にフライパンの特徴をまとめてみました。
コーディング系フライパン
焦げつきにくく軽く、価格もお手頃なものが多いコーティング系。オールマイティに使えますが、基本的には使えば使うほどコーティングが剥げてくるので、ある程度消耗品と割り切って購入する必要があります。
鉄のフライパン
鉄のフライパンは、アウトドアで使われるような重みのあるものもあれば、中華鍋のように軽く振って使えるものもあります。プロが使うイメージがあり、一般家庭ではハードルが高いと思われがちですが、そんなことありません。熱伝導率が高く調理がしやすいという特性を持ち、お手入れもたわしなどでこすればOK。実はとても使いやすいフライパンです。耐久性の高さも魅力のひとつですね。
ステンレス製のフライパン
ステンレス製の鍋を持っている方は多いと思いますが、フライパンとなるとあまり多くはないかもしれませんね。扱いは少々難しいですが、温度のコントロール方法さえ身につければ無油調理も可能ですよ。それから保温性が高いという特徴も魅力。劣化しにくいので、正しく使っていれば十年以上は余裕で使えます。
アルミのフライパン
アルミのフライパンは、レストランで多く使われていますが、一般家庭向けとしては普及率は低めです。大きな特徴はその軽さ。そして熱伝導率の良さです。アルミは柔らかいため傷が付きやすく、また変形しやすいという面も。また焦げ付きやすいので、扱いは難しめです。
いくつ必要?家庭に用意しておきたいフライパン
家庭に用意しておくフライパンは、家族構成や好きな食べ物、好きな仕上がりなどによって異なります。キッチンの熱源がガスかIHかによっても変わりますね。
全ての料理をひとつのフライパンで仕上げたいのであれば、コーティング系を買い替えて使用するのがいいでしょう。料理内容に応じてできあがりの良さを追求したいのであれば、鉄やステンレス製のフライパンが合っていると思います。
また、お弁当用のおかずを少し作ることの多い方は小さめフライパンがぴったり。お鍋としても兼用したいなら深型がおすすめ。このように、用途によっても必要なフライパンは変わりますね。
自分の好みや、どんな料理を作ることが多いかを考えて、フライパンの数や種類を検討するといいでしょう。
プロも愛用するライパン5選!使用感とおすすめポイント
とはいえ、こんなに種類があるとどのフライパンがいいのか迷ってしまいますよね。そこで、重さや耐久性、おすすめの使い方などを考慮して、ガスとIHの両方で使える5つのフライパンをご紹介していきます。
鉄なのに錆びにくくて軽い:リバーライト 極 ジャパン(26cm)
素材:鉄
重量:950g
鉄製の良さを持ちつつ、鉄にありがちな「錆びやすい」というデメリットを克服した非常に使いやすいフライパンです。
鉄フライパンの利点は、熱伝導率の良さ。なんと、鉄の熱伝導率はフッ素樹脂の217倍にもなるんです。
その特性から全体が短時間で温まる上に、薄く軽く作られているので手早く仕上げたい炒め物に最適。十分に温まったところに溶き卵を入れると、卵が柔らかさを保ったままふわーっと膨らみます。軽いので持ち上げるのが苦でなく、フライパンの中からお皿に料理を移すのもラクラク。
使用後は熱いうちにたわしで汚れをこすりお湯で流して乾かすだけ。洗剤を使用する必要がないので、お手入れも簡単です。
鉄製フライパンは使う前に油をなじませておくのが大切なので、無油調理をしたい方には不向きです。
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ビジュアルも素敵!アウトドアでも活躍:TURK プレスパン 深型(24cm)
素材:鉄
重量:1.4kg
同じ鉄製でも、どっしりした重さが特徴なのがTURK(ターク)フライパン。底が平らなので、炒め物ではなくじっくり焼くものが得意です。
このフライパンの良さを実感できるのは、目玉焼き。熱された油の中に卵を落とすと、白身の縁がカリッと香ばしく焼けます。熱伝導率がよく蓄熱性の高いフライパンだからこそ作れる極上の目玉焼き、ぜひ味わってみてほしいです。
全て鉄製なので持ち手が熱くならないか心配になるところですが、こちらのフライパンはしっかり熱しても持ち手が熱くなりません。どっしりとかっこいい見た目は、アウトドアでの使用もおすすめですよ。
こちらも、洗う時は洗剤を使う必要はなく、熱いうちにたわしで汚れをこすり落としてお湯で流すだけ。最後はコンロで空焚きして乾かせますので、片付けやすく便利です。
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使いこなすコツは予熱。油がなくてもステーキが焼ける:宮崎製作所 ジオ ソテーパン(25㎝)
素材:ステンレス
重量:1.92㎏
玄人感の強いステンレス製のフライパンですが、こちらのソテーパンは人気なだけにとても使いやすいです。7層構造で熱効率がよく、一度温まると火を弱めても温度が下がりにくいのも大きな特徴。
ステンレスフライパンで多い失敗は、食材をこびりつかせてしまうこと。これは予熱が足りないときに起こりがちです。予熱の具合は、フライパンに水滴を落とすとわかりますよ。水滴が玉状になりフライパンの上を転がれば予熱完了。
この状態で調理を開始するとこびりつきの心配がほとんどありません。ステーキ肉の場合、なんと油をひかなくても綺麗に焼くことができてしまうのです!
このソテーパンは15年の長期保証付き。安心して長く使うことができますね。
他のフライパンに比べてかなり重いので、コンロの口が少なくフライパンや鍋を頻繁に移動する必要がある方にとっては、少々扱いにくいフライパンかもしれません。
●宮崎製作所 ジオ ソテーパン25cm 日本製 IH対応オール熱源対応 7層構造 15年保証 GEO-25ST
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これひとつで炒め物やクレープもなんでも作れる:ビタクラフト ソフィアII(26㎝)
素材:コーティング系
重量:1.4㎏
オールマイティに使いやすいのがフッ素加工のフライパン。この「ビタクラフト」のソフィアIIは、コーティングは3層構造、本体は2層構造で、焦げ付きにくさと熱効率の良さを実現した商品です。
深型なので鍋のように使えるという利点も。水分の多い煮物や野菜を茹でたりするときにも使い勝手がいいですよ。
意外かもしれませんが、クレープや薄焼き卵のようなものを焼くときにもこの深型は便利。縁が高くなっているので、きれいな丸型の生地が焼けます。コーティングも非常に優秀なため、油をひかなくてもするっと生地がきれいにはがれます。
ステンレスや鉄と違い、コーティングは剥げてくるので何十年といった使用は難しいですが、その分価格はお手頃。コーティングがはがれてきたら新しいものに買い替える、という使用法がおすすめです。
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金属ヘラもOKなコーティングが魅力!:Ballarini フェラーラ フライパン(26㎝)
素材:コーティング系
重量:900g
Ballarini(バッラリーニ)のフェラーラは、グラニチウムエクストリームコーティングと呼ばれる、硬さと焦げ付きにくさを実現したコーティングが特徴。コーティング系のフライパンは金属系のヘラは使えないというデメリットを克服した、とても優秀なフライパンです。
ハンドル部分は樹脂製のため、軽量で扱いやすいです。また、ハンドルにはフライパンの表面温度の状況を知らせるサーモポイントが付いていて、温まっていることを目視で確認して調理することができます。
薄い羽根のついた餃子も金属ヘラを使ってこの通り、きれいに持ち上げることができます。見た目は高級感がありどっしり重そうですが、今回ご紹介したものの中で最軽量。重い調理器具を使うのが苦手な方にもおすすめです。
こちらもコーティングなので、ある程度の年数での買い替えを考慮する必要があります。
●Ballarini バッラリーニ 「フェラーラ フライパン 26cm」 IH対応 グラニチウム 5層コーティング 75001-781
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お気に入りのフライパンを見つけて料理をもっと楽しもう
例えば、キャンプ好きな方で、キャンプでも使いたいのであればturkの鉄のフライパン、お手頃価格で万能に使えるものを買いたいのであればコーティング系フライパンというように、フライパンを選ぶときは自分が使うシーンを想像してみるのが大事です。
それからサイズや重さの確認はとても大切です。あおったり、移動させたりすることが多いフライパンだけに、あまり大きすぎたり重すぎると使い勝手が悪くなります。
お気に入りのフライパンに出会えたら、毎日の料理もきっと楽しくなりますよ。ぜひこの記事をフライパン選びの参考にしてくださいね。
今回お話を伺ったNadia Artist
料理家 戸根みちこ
https://oceans-nadia.com/user/162126
●そのほかキッチンツールに関するコラムはこちら
『Nadia Artistのおすすめキッチンツール』
編集協力:アマゾンジャパン合同会社