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    • 公開日2020/02/27
    • 更新日2020/02/27

    誰もが美味しく食べられる「笑顔の一緒ご飯」|#23 まこりんとペン子

    NadiaのArtistにスポットを当て、ここでしか聞けない裏話や料理研究家さんの想いをお送りする「Artist History」。今回は、企業向けのレシピ開発やコラム執筆などで活躍しているまこりんとペン子さんをご紹介。アレルギーのお子さんを持つご自身の経験から、卵アレルギーがあってもなくても美味しく食べられる「笑顔の一緒ご飯」を目指すまこりんとペン子さんに、これまでの道のりや料理に対する想いを伺いました。

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    誰もが美味しく食べられる「笑顔の一緒ご飯」|#23 まこりんとペン子

     

    家族の喜ぶ顔のために料理を始めた

    まこりんとペン子さん

    料理を始めたのは、5歳のころ。卵焼きを焼いたのが最初で、それから父の晩酌のための卵焼きを焼くのが私の毎日の仕事になりました。最初はぐちゃぐちゃに混ぜた卵焼きを作るだけで必死でしたが、毎日続けることで少しずつうまくなっていって、小学生のときにはオムレツやだし巻き卵にステップアップ。中に海苔を入れて巻いたり、しば漬けやチーズを入れたり。最初は「作るだけ」だったのが、「どうやったら父が美味しいと喜んでくれるか」と考えて作るようになり、料理が楽しくなっていきました。

    また、私が小さいときから母の体が弱く、料理もあまり得意ではなかったので、私が料理を作ると「美味しいね! お母さんより上手ね!」と、とても喜んで褒めてくれたんです。それで母に喜んでもらいたくて、小学校の図書館で料理の本を借りて読んだり、お年玉で料理の本を買ったりして、一生懸命作るようになりました。本当に下手な子どもの料理でしたが、小学生のときには晩ご飯やおせち料理を作り、中学生からは自分のお弁当を作り…。

    母が寝たきりになってからは、3度の食事と母の入院先にお弁当を持って行っていました。 母が喜んでくれることで、自然に料理がどんどん好きになっていき、栄養士の学校に進んだんです。でも卒業後は一般企業に就職。その後は、結婚式の司会業の職につきました。

     

    アレルギーの息子のための料理でほかのママの役に立ちたい

    まこりんとペン子さん

    料理の道に進むことになったのは、長男がきっかけです。我が家の長男は、重度の卵アレルギーと持病の喘息がありました。中学1年生のときには、喘息が悪化して「いつ死んでもおかしくない状態」と言われ、学校にも普通に通えなくなり、自宅療養の日々が続きました。それでも息子は「大学に行きたい」という夢を諦めず、ひとりでコツコツ勉強を続けていたんです。

    それで私も頑張って勉強する姿を見せたら、彼にも頑張る勇気が出るかなと考えて、食育アドバイザー、上級食育アドバイザー、ベジタブル&フルーツアドバイザー、ショコラアドバイザー、環境アレルギーアドバイザーの資格を取得しました。

    ただ、長男のアレルギーと向き合う毎日の中で、私の頭を占めていたのは「アレルギーの食事は普通とは違う」「アレルギーがあると友だちと遊びにも行けない」という考えでした。だから人前ではあまり料理をせず、息子でもみんなと同じ物を食べられるということを周りに見せようと必死になっていたんです。

    ところが、6年前に家に来た友だちにアレルギー対応の食事を作って出したところ、「これが除去食なんて思えない! 普通の食事より美味しい!」と言われて…。さらに、「あなたがアレルギーと向き合って悩んできたことが、今、アレルギーで悩んでいる人を助けることになると思う」という友だちの言葉に、自分が少しでも人の役に立てるなら、とレシピサイトにレシピを投稿するようになりました。

     

    Nadiaへの挑戦も長男の言葉から

    まこりんとペン子さん

    4年前、日本ハムさんが行っている「アレルギー対応食 料理コンテスト」に、今までの自分のアレルギーに向き合ってきた想いをすべて込めて応募して、「審査員特別賞」をいただいたんです。しかも、その授賞式が偶然にも私の誕生日で。

    それまで「長男をアレルギーで産んでしまい苦しめている」と自分を責め続けてきた気持ちを、神様に許してもらえた気がしたんですよね。 それで、「自分が母親であることを、少しは良かったと思ってもいいんだ」と救われた思いで家に帰ったら、長男が「良かったな! 俺のおかげやな!」と言ったんです。その言葉には、思わずハッとしましたね。私は「自分のせいで」と後ろ向きにアレルギーと向き合ってきたのに対して、長男は「俺のおかげ」と前向きにアレルギーと向き合っていたんです。

    その長男の言葉を聞いて、私は、アレルギーで辛い思いをしている方々のために「誰もが簡単に、美味しく食べられて、しかも卵アレルギー対応食にもなっている料理」を世の中に伝えて、みんなが少しでも生きやすい世の中にするお手伝いをしていく使命があるんじゃないかと思いました。また、頑張っていた息子も2年前に無事に大学に合格する事ができて。少し肩の荷がおりて、「今が自分の使命を果たすためにチャレンジするときではないか」と、Nadia Artistに応募しました。

     

    足し算できるようなシンプルな料理がモットー

    まこりんとペン子さん

    レシピを作るときのモットーは、家にある食材や調味料で誰でも簡単に作れること。その際に、作る方がレシピを見て、「この材料はないな」や「この調味料はないから入れずに作ろう」と、見たときに引き算になると、料理を作るのが楽しくなくなると思うんです。

    だから、「冷蔵庫にある野菜を足してみようかな」や「子どもは鶏肉が好きだから、豚肉より鶏肉にしようかな」と、それぞれのご家庭で足し算をしてもらえるように、シンプルに作ってあるレシピが多いですね。「足し算ができるレシピ」なら、ワクワクしながら料理を楽しんでいただけて、ご家族やお子さんが喜んで食べてくれる“ご家庭ならではの味”が生まれるのではないかと考えています。

    また、長男は卵アレルギーがあることで、小さいときから野外活動や修学旅行などの学校行事や、友だちとご飯を気軽に食べに行くことができなくて、辛い思いをたくさんしてきました。

    だから私が目指すのは、「アレルギーがあるから一緒に食べられない食事」ではなく、「誰もが簡単に美味しく作れて、誰が食べても美味しい食事が、実は卵アレルギーの除去食にもなっている食事」。「アレルギーに合わせて除去して作った難しい食事」ではなくて、いつものご飯に卵が入っていないだけの「簡単・美味しい、笑顔の一緒ご飯」。アレルギーがあっても、アレルギーがなくても、関係なく美味しく食べられる食事を少しでも広めて、アレルギーで苦しんだり辛い思いをしたりしている人が普通に食事を楽しめる世の中にしたいと思っています。

     

    自分がNadiaにとって必要な存在になりたい

    まこりんとペン子さん

    私の目標は、Nadiaを見てくださるみなさんが「まこりんとペン子のレシピって簡単で美味しいよね」や「今日の晩ご飯何にするか、まこペンさんのレシピ見てみよう」と、気軽に思ってもらえるArtistになること。また、企業さまがこの人になら思いを込めた商品を任せて頼んでみたいと思っていただけるArtistになれたら、とてもうれしいですね。

    今まで生きてきて、私の話を真剣に聞いてくださった初めての人が葛城社長でした。だからNadiaは私にとっては本当に特別な存在なんです。 何もかも始めたばかりで経験も実績も外部力もない私ですが、これから少しでもNadiaのお役に立てる、必要な存在になれるように頑張って自分の力をつけていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!

    まこりんとペン子さん

     

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    お気に入りキッチングッズ

    ◎「IKEA365+」シリーズのガラス製タッパー
    容器はガラス製で、冷蔵はもちろん、冷凍、オーブン調理もOK。蓋は3種類で、プラスチックとゴムできっちり密閉できる蓋、レンジ加熱のときにラップの代わりに使えるシリコンの蓋、気密性も高いうえに鍋敷きとしても使える優れものの竹の蓋があります。なんといってもうれしいのは、容器と蓋が別売りというところ。蓋が傷んだり容器が割れたりしたときは、別々に買うこともできます。

    写真:高橋 しのの  文:室井瞳子

     

    まこりんとペン子's profile
     
    特別な食材や調味料を使わず、家族のために頑張りすぎずに毎日作れる簡単で美味しいご飯・卵アレルギーの子供のために卵なしで美味しいご飯。卵アレルギーがあってもなくても、みんなが一緒に美味しく食べられる『笑顔の一緒ご飯』を提案。

    まこりんとペン子さんのプロフィールはこちら
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    Nadia編集部では、食や料理、暮らしにまつわるコラムをお届けしています。 また、テーマごとのおすすめレシピを紹介するレシピまとめや季節のトピックに合わせた特集ページなど、さまざまなコンテンツを日々制作・発信しています。 これからも時短・簡単レシピからおすすめ献立、最新の食トレンドまで、幅広いテーマでみなさまに役立つ情報をご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね♪ <Nadia編集部について> Nadia編集部では、レシピサイトNadia全体のコンテンツ制作・サイト運用のほか、レシピ本の出版、SNS運用、レシピのクオリティチェックなどを行っています。 出版社・編集プロダクション・食品メーカー出身のメンバーや、栄養士の資格を持つメンバー等が在籍しており、食のコンテンツを扱うプロフェッショナルとして日々活動しています。

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