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Artist History

気持ちを込めた美しい料理を届けたい

#22 Akiyama Keiko

気持ちを込めた美しい料理を届けたい

NadiaのArtistにスポットを当て、ここでしか聞けない裏話や料理研究家さんの想いをお送りする「Artist History」。今回は、フードスタイリストをメインに、レシピ開発や飲食店のアドバイスなどもこなすAkiyama Keikoさんをご紹介。広告デザイナーからフードスタイリストへと転身したAkiyamaさんに、ここまでの道のりや、フードスタイリスト、そして一児のママとしての想いをお聞きしました!

2020.01.30 update

コンビニ弁当に衝撃を受け、自炊をスタート

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料理を始めたのは、大学進学のために東京でひとり暮らしを始めたときからです。それまで実家では、料理と呼べるものは一切作っていなくて。そんな私が上京し、初めて「コンビニ」というところでお弁当を買ってみたんです。しかし、そのお弁当のあまりのしょっぱさに命の危機を感じてしまい、自炊を始めたんですよね。それから自炊を始めたものの…。実は、最初の1ヶ月間はお味噌汁にだしを入れることを知らずに「なんで味がしないんだろ〜?」と、ただの味噌水を飲んでいました(笑)。

そこから、物を作ることが好きで、栄養学も好きで、お酒が好きで、美味しいつまみが作りたくて、それを美味しいと言ってくれる友人がいて……と、徐々に料理にハマっていきました。「料理を始めたときから好きだった」と言いたいところですが、一番は、「お酒に合う料理が作りたくて!」かもしれませんね。

デザイナーからフードスタイリストへ

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大学は、武蔵野美術大学の短期大学部空間演出デザイン科を出ました。そこでグラフィックデザインの魅力に惹かれ、卒業後に「桑沢デザイン研究所」でグラフィックデザインを学びました。その後、当時流行っていたUターン就職で地元静岡の印刷会社のデザイン部に入社。それから静岡広告という代理店でデザイナーを務め、3年間静岡で働いたのち、東京にIターン就職しました。そしてデザイン会社を数社経て広告代理店でデザイナーとして務めていたときに、父の死が訪れたんです。

それが人生について考えるきっかけになり、もっと自由に好きなことを仕事にしてみたくなって。会社の方の紹介や応援のおかげで、フードスタイリストとしての勉強をしながら仕事をすることになったんです。その後、フリーのデザイナー兼フードスタイリストとして活動していくうちに、フードの仕事がメインになっていきました。

現在は再び静岡に戻り、Nadiaからいただいたお仕事、地元のデパートや通販会社のためのスタイリング、県内水産会社の商品レシピ開発やスタイリング、県外水産物の総合プロデュースなどの仕事をさせていただいています。 東京へ行くようなお仕事は年に1、2本くらいで、だいたいは静岡県内でいろいろと動いています。東京では完全に専門職としてのフードスタイリングが主ですが、静岡ではフードだけでなく、インテリアや小物をスタイリングすることもあります。静岡には食器や小道具のリース屋さんもないので、自分で購入することでバリエーションを増やしています。東京にはおしゃれな雑貨屋さんもたくさんあるので、行ったときは思わず爆買いしちゃうんです(笑)。

仕事をしている姿を子どもにも見せたい

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現在は、娘11歳とチワワ親子2匹との二世帯暮らしです。子どもの休みはなるべく私も休みますし、夜は仕事をしないようにしています。その代わり自宅で仕事をしているときは、子どもには遊びに行ってもらうか部屋で静かにしてもらい、集中して仕事をしています。オンとオフをなるべく決まった時間で作ることで、子どもにも理解してもらえるし、仕事をしている姿を見せることで、いろいろ学んでくれていると親は勝手に思っています(笑)。

ただ、子どもが小さい5歳までは大変でしたね。東京でフリーランスで仕事をしていたので、保育園に入れるのも苦労しました。分厚い書類を作り、保育園に入れるために区役所に提出したことが今では懐かしく思います。撮影などで夜遅くになるときは、近所のお友だちのお宅にお世話になってしまうことも。そのおかげで仕事を続けられたことを心から感謝しています。子どもが小学生になるタイミングで実家のある静岡に戻ったのですが、今では何かあっても母がみてくれているので、安心して仕事ができていますね。

料理で大事なのは手を抜きすぎないこと

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料理のときに一番考えるのは、栄養のバランスと彩り。それから、あまり手を抜きすぎないことにもこだわっています。ほんのちょっとの手間で、やっぱり料理は格段に美味しくなるんですよね。面倒でも、しょうがやにんにくのチューブは使わないようにしています。それから、盛り付け。せっかく作ったのならやっぱり美味しく見えないと悲しいですよね。最後まで気持ちを入れて作ることが、美味しくするコツだと思います。

レシピを考えるときにも、最初に彩りから考えて、それに合わせた食材や味を足していきます。完成が見えていると、バリエーションも作りやすいですよ。スタイリングのコツは、あくまでも主役が料理と考えて、料理に力があるものは無理にスタイリングしないことです。色数を抑えて、シンプルに見せています。逆に、華があまりない料理には小物や背景や添え物で彩りを付けて、美味しそうにスタイリングします。テーマや季節感も大事にしていますね。

自分の力を試したくてNadia Artistに

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Nadiaとの出会いは、静岡に戻り、まだ仕事があまりなかった頃のこと。趣味の『手のかかるこだわり料理』を作りたくてレシピ検索をしていたときに、Nadiaに出会いました。もともと誰でも投稿できるレシピサイトがあまり好きではなく、Nadiaの審査がある「アーティスト」という特別感が心に刺さり、自分が通用するのか試したくて応募しました。

レシピを投稿するまでは、計量という作業は全て目分量だったので、計量は慎重にしています。それでも味覚はそれぞれ違うし、調味料の塩分や甘みもそれぞれ違うので苦戦します。料理写真もNadiaで投稿するまで撮ったことがなかったので、ものすごく苦戦しました。たくさん本を読んでみたり、知人のカメラマンに相談したり、勉強の日々でした。やっぱり自然光が一番きれいに撮れるのですが、季節や時間帯で太陽の色が違うので難しいですね。とはいえ、撮影はもっぱら晴れた日の日中のみですが、ライティングも勉強していきたいです。ひとつのレシピに20枚以上撮って、美味しそうなカットを探しています。

自分らしい料理を届けたい

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今後は、自分らしいレシピやスタイリングを見つけていきたいです。ずっと広告を仕事にしてきたことで、オーダーに応えることは得意ですが、個性を出すことが苦手。もっと私らしい料理を作ってみたいです。

最近では、いくつか賞をいただけるようにもなり、みなさまに受け入れていただけることが励みになっています。昨年は色彩検定をとりました。その知識も取り入れて彩りにももっと気を配り、美しく、簡単で美味しい料理を考えていこうと思います。もっとレシピ数も伸ばしていきたいですね。 私が、料理をきちんとすることのモチベーションは、ここNadiaにあります。みなさんのレベルの高いお料理に刺激を受けることができる大切な存在ですし、これからも一緒に成長させていただきたいです。

写真:高橋 しのの 文:室井瞳子

Akiyama Keikoさん、素敵な笑顔とお話どうもありがとうございました!

お気に入りのキッチングッズ教えてください!

お気に入りのキッチングッズ

◎100円ショップのバット・網・ソフトスプーン
◎合羽橋で購入した盛り箸
バットは食材を並べることで全体量が見え、ビジュアルクイーンの食材を探し当てられます。網は、焼き物や揚げ物がベッチャリしないようにのせるのに使います。ソフトスプーンは、適度な柔らかさできれいにすくえるのでいろいろな場面で重宝しています。どれも手に入りやすいものなので盛り付けの際は使ってみてくださいね。盛り箸はスタイリストを始めたときから、欠かさずエプロンのポケットに差し込んで撮影しています。箸先が細く、作業がしやすいんです。反対側は斜めにカットされていて、凸凹などをならすのに最適です。

akiyama's profile.

Akiyama Keiko's profile.

武蔵野美術大学を卒業し、桑沢デザイン研究所卒業後グラフィックデザイナーとして活動。その後、フードスタイリストとして撮影のスタイリングを主に、レシピ開発や飲食店へのアドバイスなど幅広く活躍中。

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