突然、寒気を感じた時、どんなケアをしますか?「風邪のひきはじめには葛根湯」という有名なフレーズの通り、早めのお手当が肝心です! 市販の「葛根湯」はマメ科の植物、葛の根(葛根)が主成分。生姜やシナモン、その他、様々な漢方生薬が配合されていますが、実は、自分でも“即席の葛根湯”が作れるんです。材料は「葛粉・生姜・シナモン・黒糖」があればOK~!とろりとした優しい口当たりが、きっと心まで温めてくれますよ。 【薬膳メモ】 葛粉は筋肉のこわばりや肩こりの改善にも使われます。生姜は発汗作用。シナモンと黒糖は体を内側から温めます。
・とろりとしたなめらかな口当たりを楽しむためには、葛粉のダマをつくらないことが最大のポイントです。少量の水で葛粉の粒を溶かしてから、火にかけてよく練り混ぜて下さい。 ・生姜の発汗効果は長時間の過熱で弱まってしまうので、必ず火を止めてから加えましょう。 ※薬膳の効果を期待するためには「本葛粉(本葛100%使用)」の表記があるものをご使用下さい。 ※虚弱体質の方が発汗するとだるくなることもあるので、比較的体力のある方向けのお手当レシピです。
鍋に葛粉と水(レシピの分量のうち大さじ2杯分)を入れて葛粉の粒を溶かす。
弱火にかけながら、木べらや小さな泡だて器を使い、ダマができなように全体をよく練る。とろみが出て、色が透明になるまで加熱する。
黒糖(粉末タイプ)とシナモンパウダーを加えて混ぜる。
火を止めて、生姜のしぼり汁を加えて混ぜたら完成。温かいうちに召し上がって下さい。
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おうち薬膳 村上華子
国際薬膳師|薬膳料理研究家│フードコーディネーター ヨガインストラクター│小学生男子のママ 薬膳とヨガの教室 【季結び庵(ときむすびあん)】主宰 私が薬膳の勉強をはじめたのは、子どもが3歳になった頃でした。ヨガインストラクターとして日々体を動かす生活を送っていたので、自分は健康だと過信していたのですね。育児に仕事、目の前の対応に追われて、自分の食事をおろそかにしていました。そのツケとしてやってきたのが、寝ても疲れが取れない極度の貧血。体は悲鳴をあげていました。どんなにヨガや運動をしても、体に必要な栄養を取らなければ、ガス欠の車と同じで走ることはできません。そこで取り入れたのが、薬膳の知恵でした。 <薬膳のアプローチはいたってシンプル> ・足りないものを補い ・不要なものは排出し ・つまりを巡らせる その時の体調にあわせて食材を選び、体を整えます。とはいえ「特別な食材が必要」「難しそう」というイメージはありませんか? 実は、スーパーなどで手に入る身近な食材で、無理なく作れるのです。 薬膳の理論では「すべての食材に効能がある」と考えます。その効能を最大限いかすためには、食材の組み合わせと、ちょっとした調理のコツを知るだけ。みなさんにお伝えする料理のレシピには、これらの知っておくと便利な【薬膳メモ】も紹介していきますね。 おいしく、かしこく食べて元気になれる薬膳ごはんを、まずは自分のために。そして、家族や大切な人のために作ってもらえたらうれしいです。