コンセプトを考え、料理を選び、文章を書く。本作りのあれこれ。
「本を出しませんか」と出版社の方からご連絡をいただいたのは2015年の9月頭ごろのこと。担当の方が私のInstagramを見てくださったようで「Instagramの雰囲気でぜひ」とのお話でした。
そこからは、出版社の方と本のコンセプトを考え、掲載する料理を選び、本に載せる文章を書くなど、やることがたくさん! とくに大変だったのは、やはり「どの写真を載せるのか」「どのレシピを紹介するのか」を決めることでした。
「レシピ本」なのだから、もちろんレシピが主体。ですが、今回はInstagramの献立写真を載せるので、「メインの料理」「副菜」がバランスよくなるように写真を選ばなくてはならず大変でした。Instagramには、いつもちょこっと作る副菜が自然と入っていて、当時は本に載るとは思わずにいたので、納得のいかない写真は撮り直しをすることに。
撮り直しや、追加での撮影は、2016年の1月末頃から2月にかけて、時間のあるときにやっていました。ただ、冬は天気が悪くて写真もキレイに撮れなかったり。そういうところでまたヘンにこだわったりしてしまいました。
一番の悩みどころは「どのレシピを載せよう?」
掲載するレシピは、本の3つのパート「モーニングテーブル」「ディナーテーブル」「私のとっておきの作り置き」に合わせて選ぶことに。
それぞれどのレシピを載せるかは、とっても悩みました。
「モーニングテーブル」では、子供たちも大好きな“アメリカンビスケット”や“卵たっぷりのホットケーキ”、最近のお気に入りのパン“バタートップ”も外せない。
「ディナーテーブル」には“我が家の○○”シリーズの“唐揚げ”や“チキンカレー”はやっぱり入れたかったし、人気の“卵のカルボナーラ”や、“揚げない和風な肉団子”もよく作るレシピ。春の筍料理や夏のそうめん、秋の秋刀魚と冬のお鍋も捨てがたい!
こうしていろいろ悩んで選んだレシピたちは、我が家でもよく作るもの。Nadia未公開、本限定のレシピもあるんですよ。
あるとないでは全然違う、私流「とっておきの作り置き」レシピ。
これは、我が家の毎日のテーブルを支えてくれているレシピを選びました。
私はまとまった時間に“作り置きを作る“というのが苦手なので、いつも大量には作らないし、時間もかけすぎない「作り置き」を作っています。
ちょっとしたソースや下ごしらえ済みの野菜、時間のあるときに作っておいた常備菜。私にできる範囲はこれくらいです。
それを朝ごはんで並べたり、夕ごはんで和えたり炒めたり。ほんの少しのものでも、あるとないとではやっぱり違いますね。
毎日、献立全部のメニューをいちからじっくり作るのは大変なこと。私も時間がないときは、どれか一品をしっかり丁寧に作り、あとはパパッと! 作り置きを活用します。
この「とっておきの作り置き」は、そんな風に使ってもらえたら、という視点で本当に使いやすいレシピを選びました。
『Every Table』ができてみて、今、思うこと。
ごはんは毎日のもの。献立に悩む日もあるし、同じ料理を作っても、盛りつけ方や選ぶお皿によってイメージが全然かわる。『Every Table』を見て、そういうところも感じてもらえたらいいなと思っています。
そして、本ができてみて思うのは、「まだまだ課題はたくさん!」ということ。普通のごはんを「普通+α」にできるお皿や盛りつけ方、バランスのいい献立の作りなどなど。レシピ以外のことも、考えていきたいです。
『Every Table』は、カバンに入れて持ち運べるサイズなので、ちょっとした空き時間や出かけた先でも、ぱらぱらっとめくって眺めてほしいなと思っています。
『Every Table』の出版記念イベント概要
3/24、栁川かおりさんのレシピ本『Every Table』が主婦の友社より刊行されました。美味しいレシピはもちろん、落ち着いた佇まいの食卓スタイリング写真が散りばめられた一冊は、もはやライフスタイル本ともいえるもの。毎日の料理に、スタイリングの参考に、ぜひお手にとってご覧ください。
そして、この出版を記念して、4/21二子玉川 蔦屋家電にて、栁川さんご本人によるイベントを開催することが決定いたしました。栁川さんによるトークや食卓再現など、『Every Table』の世界を五感で感じられるイベントです。
『Every Table』
(主婦の友社)
1,300円(税別)
栁川かおりさんのレシピ本
『Every Table』ができるまで
栁川かおりコラム②
レシピ本だけど、レシピだけじゃない。そんな本を作りたかった。
料理家であり現役医師、そして二児の母として「シンプルな料理をより美味しく。」をモットーにレシピを発表している。本人によるスタイリング・撮影の料理写真にもファンが多い。『Every Table』もすべて本人の手によるもの。