熱中症や脱水症状を予防するために大事なことは、なんといっても「適切な水分補給をすること」。今回は、知っているようで意外と知られていない「水分補給」について、詳しく解説していきます。
熱中症・脱水症状予防のコツ①砂糖の入っていない飲み物を飲む
水分補給は砂糖の入っていない水かお茶などの飲み物で行いましょう。飲みやすいからといって清涼飲料水などでグビグビと水分補給をすると、血糖値が急上昇し、一時的に糖尿病に似た症状になってしまうことがあります。
この症状は「ペットボトル症候群」と言い、夏になると増えるそうです。特に若い人や子どもでもなることがあるので注意してくださいね。
熱中症・脱水症状予防のコツ②こまめに水分補給する
水分補給はこまめに行うことが大前提。「のどが乾いた」と感じたときは、すでに身体の中で水が足りていないというサインです。脱水症状を予防するためには「のどが乾く」前に、少量ずつこまめに水分補給をしましょう。
夏はペットボトルや水筒に水やお茶を入れて持ち歩く習慣をつけ、いつでもどこでも水分補給ができるようにしましょう。
熱中症・脱水症状予防のコツ③就寝前&起床後に「命の水」を
私達は寝ているだけで、体内の水分を500ml以上も失っています。そのため、就寝前と起床後の水分補給がとても重要なんです。
深夜や早朝に脳梗塞などの発症率が高いのも脱水が関係あると言われています。どんなときでも、就寝前と起床後の「命の水」を必ず飲むようにしましょう。
熱中症・脱水症状予防のコツ④スポーツドリンクや塩飴を過信しない
スポーツドリンクは、スポーツや長時間屋外にいる場合の水分補給には良いですが、日常生活での水分補給には適していません。なぜなら糖分が多すぎるからです。
夏になると、水分補給とともに重要視される「塩分補給」ですが、多くの人が食事で塩分を摂り過ぎているので、わざわざ塩飴などで塩分補給をしなくても大丈夫。むしろ、むやみに塩分補給をしすぎないよう注意しましょう。
ただし、激しいスポーツや炎天下での肉体労働などを行うときは塩分補給もしてくださいね。
熱中症・脱水症状予防のコツ⑤水分保持能力の高い牛乳を活用
水分保持能力とは、身体の中の水分を保つ力です。この水分保持能力の高い飲みものが牛乳です。スポーツ後のコップ1杯の牛乳は、脱水の予防とともにタンパク質も補給できて一石二鳥なんです。
それに比べ、コーヒーやアルコールには利尿作用があり、水分保持能力が低いので、これらは水分補給には適していません。コーヒーやアルコールを飲む時は、水も一緒に飲むようにしましょう。
熱中症・脱水症状予防のコツ⑥「飲むこと」以外からの水分補給方法もある
水分補給と言うと「飲むこと」を想像する人が多いでしょう。これはもちろん正しいです。
しかし、私達は「飲むこと」以外に、「食べること」と「体内での代謝からつくられる代謝水」でも水分を得ています。そして、この3つの水分補給で、排出される水分(約2.5L)をまかなっています。
この3つの水分補給法の内訳は、食べることで1リットル、代謝水で0.3リットル、飲むことで1.2リットルほどです。
食べることでの水分補給は、食物に含まれる水分や料理に追加している水分によるもの。ですが、これは3食をきちんと食べた場合なので、1日2食になると相対的に水分摂取量も下がってしまうことを覚えておいてください。
熱中症・脱水症状予防のコツ⑦自分の「必要水分量」を知っておこう!
1日の必要水分量は個人差があり、体重や体格に大きく左右されます。
具体的には「体重×40~50ml」と言われています。50kgの人なら「50kg×40~50=2000~2500ml」ということ。
この量のうち、半分以上は「飲むこと」から摂取するようにしましょう。ただし、たくさん汗をかく夏は、さらにプラスして水分補給を行ってください。
こまめな水分補給で脱水予防
水分補給は食事以上に大切なことと言っても過言ではありません。
自分に必要な水分量を知り、砂糖の入っていない飲み物でこまめに水分補給をすることで、脱水症状や熱中症を予防して、夏を乗り越えましょう。