落雁とは
落雁とは、どのような和菓子なのでしょうか。ここでは、落雁の特徴や由来、なぜお盆に落雁をお供えするのか、落雁の作り方など詳しく解説します。
落雁の特徴と味わい
落雁とは、穀類の粉に砂糖や水あめなどの甘味料で味付けし、さまざまな形に押し固めた干菓子です。口溶けが良く、素朴で繊細な甘みを感じられます。
蓮の花や菊の花の形で、白やピンク、緑、黄色など淡い色のものが多いです。お盆のお供えものとして目にすることが多いですが、お茶菓子としても親しまれています。
落雁の由来
「落雁」の名前の由来は諸説ありますが、中国の唐菓子である軟落甘(なんらくかん)が転じて「落甘」となったという説が有力と言われています。落雁はもともとは落甘と書かれていたそうです。
お盆や葬儀で落雁をお供えする理由
葬儀で落雁をお供えするようになったのは、お釈迦様の弟子である目連(もくれん)の「百味飲物(ひゃくみおんじき)」が由来と言われています。
目連はお釈迦様の指示に従い、亡くなった自分の母親だけでなく、そのほかの恵まれない人たちに対しても多くの食べ物や珍味を施す「百味飲物」を行ったとされています。
昔は砂糖は高級品で、砂糖を使った落雁は上級なお菓子として扱われていました。そのため、貴重な食べ物として、落雁をお供えするようになったと言われています。
落雁の作り方
和三盆や上白糖に水やネキ水(同量の水と水あめを混ぜたもの)を混ぜた後に、米粉や豆などの穀物類を加えて混ぜ、押し固めたものを乾燥させて作ります。
落雁は材料と型を用意すれば、自宅でも簡単に作ることができます。
和三盆・白雪糕との違い
ここでは、落雁と似ている和三盆・白雪糕の特徴や落雁との違いを解説します。
落雁と和三盆の違い
落雁と和三盆の見た目は似ていて、どちらも干菓子です。しかし、その製法と材料が違います。
落雁は、穀類の粉に、砂糖や水あめなどの甘味料で味付けし、さまざまな形に押し固めた干菓子です。お茶菓子やお盆のお供え物として親しまれています。
一方で和三盆は、四国地方で生産される「サトウキビ」から作った和三盆糖を、型に押し固めて作られます。おみやげやお祝い事など、特別な場面で用いられることが多いです。
落雁と白雪糕の違い
白雪糕は落雁の一種で、地域によっては白雪糕と落雁を区別していない地域もあります。うるち米ともち米の粉に、砂糖や蓮の実の粉末を加えて型に入れ、乾燥させたものが白雪糕です。
伝統を味わえる和菓子「落雁」
お盆が近づくと、スーパーなどで目にすることが多くなる落雁。お供えものやお茶菓子のイメージが強く、食べたことがないという人も多いかもしれません。古くから愛されてきた落雁。その伝統を感じながら、ぜひゆっくりと味わってみてください。