秋の味覚の一ついちじくは、そのまま食べても美味しいのですが、日持ちしないのが少々難点。そこで、加熱調理をすることで、味わいが増し、長期保存も可能になります。空気が乾燥してくる秋は、スパイスの香りが効いたシロップで甘く煮て、心も体も潤うような大人のデザートに仕立てました。 【薬膳メモ】 いちじくは乾燥した大腸粘膜を潤す働きがあるので、秋から冬にかけてお悩みが増える、乾燥性の便秘に役立つ食材として活用されています。
★皮に抵抗がある方は、いちじくを沸騰した湯にくぐらせてから冷水に取り、湯むきしてから煮て下さい。 ★清涼感のある高貴な香りから「スパイスの女王」と呼ばれるカルダモン。本来のを香りを引き立てるためには、パウダーではなくホールを使うのがおすすめです。ラム酒との相性もぴったり。余ったシロップは紅茶に入れたり、ゼリーに活用してもおいしいですよ。
①保存用の容器を煮沸消毒して、自然乾燥させる。 ②いちじくの皮を傷つけないように丁寧に水洗いをする。 ③オーブン用シートなどを鍋の直径より一回り小さい大きさに切って、落し蓋を作る。
鍋にきび砂糖、水、ラム酒、カルダモン(ホール)を入れてよく混ぜ、中火にかける。
沸騰したらいちじくを鍋に入れる。(鍋の中でいちじくが重ならないように並べます)レモン汁を加えたら、キッチンシートの落し蓋をかぶせ、弱火で20~30分煮る。※過度な沸騰はいちじくの形が崩れるのでNGです。
熱いうちにシロップごと保存容器に移し、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。食べごろは翌日から一週間です。
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おうち薬膳 村上華子
国際薬膳師|薬膳料理研究家│フードコーディネーター ヨガインストラクター│小学生男子のママ 薬膳とヨガの教室 【季結び庵(ときむすびあん)】主宰 私が薬膳の勉強をはじめたのは、子どもが3歳になった頃でした。ヨガインストラクターとして日々体を動かす生活を送っていたので、自分は健康だと過信していたのですね。育児に仕事、目の前の対応に追われて、自分の食事をおろそかにしていました。そのツケとしてやってきたのが、寝ても疲れが取れない極度の貧血。体は悲鳴をあげていました。どんなにヨガや運動をしても、体に必要な栄養を取らなければ、ガス欠の車と同じで走ることはできません。そこで取り入れたのが、薬膳の知恵でした。 <薬膳のアプローチはいたってシンプル> ・足りないものを補い ・不要なものは排出し ・つまりを巡らせる その時の体調にあわせて食材を選び、体を整えます。とはいえ「特別な食材が必要」「難しそう」というイメージはありませんか? 実は、スーパーなどで手に入る身近な食材で、無理なく作れるのです。 薬膳の理論では「すべての食材に効能がある」と考えます。その効能を最大限いかすためには、食材の組み合わせと、ちょっとした調理のコツを知るだけ。みなさんにお伝えする料理のレシピには、これらの知っておくと便利な【薬膳メモ】も紹介していきますね。 おいしく、かしこく食べて元気になれる薬膳ごはんを、まずは自分のために。そして、家族や大切な人のために作ってもらえたらうれしいです。