濃口醤油、淡口醤油、溜醤油、再仕込醤油、白醤油などさまざまタイプの醤油について解説します。
日本の伝統食「醤油」
醤油の基本原料は大豆・小麦・食塩・麹です。大豆のたんぱく質がアミノ酸(うま味成分)に分解され、小麦のでんぷんが甘味や香りの素になるブドウ糖に分解されます。食塩は雑菌から守りゆっくり時間をかけて醸造させるのに欠かせない物質です。蒸した大豆を炒った小麦に混ぜ合わせて、種麹を繁殖させたものが麹です。
さまざまな醤油
それではいろいろな種類の醤油について解説していきましょう。
濃口醤油 (こいくちしょうゆ)
濃口醤油 (こいくちしょうゆ)は、日本で最も一般的に用いられている醤油です。濃口醤油 は単に塩味だけでなく、深いうま味やまろやかな甘味、さわやかな酸味、味をひきしめる苦味などのさまざまな味を合わせ持っている調味料です。調理用・テーブルでのつけ用・かけ用など、幅広く使われている日本を代表する万能調味料です。
淡口醤油 (うすくちしょうゆ)
淡口醤油(うすくちしょうゆ)は、関西地方を中心に広く使われている醤油です。濃口醤油と比べ、色や香りが抑えられているため、料理に用いられる素材の持ち味を生かすのが特徴です。素材の色を美しく仕上げる、炊き合わせやふくめ煮のような料理に使われます。ちなみに、濃口醤油と薄口醤油の濃い・薄いというのは、塩分濃度ではなく醤油自体の色を表しています。
溜醤油 (たまりしょうゆ)
溜醤油 (たまりしょうゆ)は、濃口醤油よりも色の濃い醤油です。とろ味と濃厚なうま味、独特な醤油の香りが特徴です。さしみたまりと呼ばれるように、寿司、刺身などのテーブルでのつけ用・かけ用に適しています。また、照り焼きやおせんべいなどにも使われます。
再仕込醤油 (さいしこみしょうゆ)
再仕込醤油 (さいしこみしょうゆ)は、他の醤油が麹を食塩水で仕込むのに対して、生揚げしょうゆで仕込むため、再仕込みと呼ばれます。刺身、寿司、冷奴など、主にテーブルでのつけ用・かけ用として使われています。
白醤油 (しろしょうゆ)
白醤油 (しろしょうゆ)は、愛知県碧南市で生まれた薄口醤油よりもよりさらに淡い色をした琥珀色の醤油です。味は淡白ですが甘味が強く、独特の香りがあるのが特徴です。色の薄さと香りをいかし、お吸い物や茶碗蒸しなどの料理や、おせんべい、地方によっては漬物などにも使われています。
減塩醤油(げんえんしょうゆ)
減塩醤油は、通常よりも塩分が低めの醤油です。健康ブームでたくさんの種類が発売されています。色は濃口と同じような濃さが一般的です。濃口醤油を作ってから、塩分を取り除く方法で作られます。
だし入り醤油
醤油に最初から、鰹節、昆布などのうま味成分を合わせた簡易調味料です。料理の手間が省けることから人気です。テーブルでのつけ用・かけ用から調理用まで、幅広く使われています。
つゆ
醤油に、みりん、砂糖、だし、うま味調味料などを合わせたものを言います。うどんやそば、そうめん、にゅうめんなどの麺類専用のつゆ、煮物、天つゆなどにも使える汎用性の高いつゆまで、豊富な種類があります。
醤油だれ
醤油だれとは、醤油に風味原料や糖類、香辛料などを合わせて調製したものです。醤油の色や香りが決め手となる蒲焼き、照り焼き、焼き鳥用のたれ、みたらし団子のたれなどから、各種焼き肉のたれ、すき焼きのわりしたまで、たくさんの種類があります。
ぽんず醤油
ぽんず醤油は、醤油と醸造酢を合わせたものから、ゆず、だいだい、すだち、かぼすなど、香りの高い柑橘類の果汁を加えたもの、さらにだしのうま味を効かせたものです。
監修:Nadia編集部
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