フランスのマルシェでの買い物が楽しみだった子ども時代
小さいころからずっと、とにかく食べるのが大好きな子どもだったんです。手先は器用だったので、5歳ぐらいで餃子の皮を包むなど料理をする母のお手伝いをよくしていて、気がついたら料理も大好きになっていました。
小学5~6年の2年間、父の仕事の関係でフランスのリールに引っ越してからさらに「食」に興味を持つように。リールでは、日曜にマルシェ(市場)があり、毎週母と食材を買ってきて、いろいろと調理するのが当時の一番の楽しみでした。フランスは社会人になってからもよく遊びに行っているし、もう第二の故郷のような感じです。
本格的に料理を始めたのは社会人になってから。姉妹も成長してばらばらに暮らすようになり、いつしか休日は家族みんなで集まってホームパーティーをするようになったんです。ワインや料理に合うお酒を飲みながら、家族みんなでゆっくりと過ごすのが楽しみでした。料理は私が担当で、デザートを含めて15品ぐらい作っていました。作った料理を家族が美味しそうに食べてくれるのが何よりうれしく、自分が作る料理で家族を繋げることができるのだと、料理の魅力や力を感じられたんですよね。
姉妹のアドバイスがきっかけでInstagramをスタート
ホームパーティーで作った料理が家族に好評で、姉妹に「せっかくだから写真を撮ってSNSにアップしたら?」と言われてInstagramを始めました。その後、Nadiaの方とInstagramで知り合い、「審査があるけど受けてみませんか?」と言っていただき、2018年にNadiaに応募、Nadia Artistになりました。
最初は、投稿したレシピにお気に入りが付かなくて苦戦しました。Nadiaの旬のレシピに掲載されているレシピや人気のレシピを何度も作り、「工程数はこれくらいがいい」とか、「こういった味付けが人気なんだ」と勉強の毎日。その中で、Instagramで反響のあった私のレシピは、映えてはいるけれど、「実際に作りたいレシピ」ではないのかもしれないということに気づいたんです。作りやすさを意識するようになり、少しずつですが最近は反響の良いレシピを作れるようになりました。もし、Nadia Artistになっていなかったら井の中の蛙で、ただ単にきれいなだけの「実際に作るのには向いていないレシピ」で満足していたかもしれません。
料理家としての仕事はNadiaがはじめて
Nadia Artistになる前は、アパレル関係の仕事に10年ほど就いていたので、料理の仕事はまったくの未経験。料理家としてのはじめての仕事も、Nadiaからいただいたお仕事でした。その後、次々に大きなお仕事をいただくようになり、料理家としてNadiaに育てていただいたと思っています。
中でも特に印象に残ったお仕事は、ピエトロさまとの取り組みで開催したオンラインイベント。人生初のオンラインイベントで緊張しましたが、Nadiaの担当の方が細かく段取りも決めてくださり、和やかな雰囲気で楽しみながらイベントを進めることができ、ほっとしたのを覚えています。あのイベントは、私の料理家人生で「一生の思い出」になる有意義な時間でした。
自分のレシピが作る人の「思い出のひとかけら」に
レシピを考えるときのモットーは、「心豊かになる幸せレシピ」です。料理を好きになったきっかけが、家族とのホームパーティーだったということもあり、私にとっては自分の好きな人と美味しい料理を囲むときが一番の幸せなんですよね。物質的な豊かさよりも心の豊かさを大切にしたレシピを提案したいと思っています。
また、私が得意とする料理のジャンルは、「身近な食材と身近な調味料でおうちでごちそう」です。ごちそうというと贅沢な食材を使って調理する料理というイメージが強いかもしれませんが、私の中では、身近な食材で工夫して愛情をこめて作る料理のこと。丁寧に作って、丁寧に盛り付けるだけでも違ってくるし、きれいに盛り付けられるように盛り付けのコツなども発信するようにしています。
料理家としての仕事の喜びは、やはり私のレシピを美味しいといってリピートしてくださることです。レシピのその先にいる、ユーザーさんやそのご家族の喜びや幸せを間接的に感じたときが、この仕事の一番の喜びだと思います。また、私の料理は華やかさも強みだと思っているのですが、特別な日に作っていただくことが多いんです。彼の誕生日や家族でお祝いの日、記念日、クリスマスやバレンタインなどに、「上手に作れました!」「最高の記念日になりました!」という内容のコメントをいただくと、大切な思い出のひとかけらになれたと、とてもうれしく思います。
レシピは簡単に、スタイリングは華やかに
投稿するレシピでは、なるべく多くの工程写真を撮り、作る方に分かりやすくなるように心がけています。また、工程写真を撮りながら調理した料理はどうしてもシズル感にかけるので、調理工程を撮るのとは別に、完成写真用の料理をレシピ通りに作って、その料理が美味しく写るベストなタイミングで撮影しています。
盛り付けやフードスタイリングも好きで、それをInstagramで発信していたところ「見てるだけで幸せになる料理です」と言っていただいたことがあって。その言葉をきっかけに、見ているだけでも幸せになれるような華やかレシピや、フードスタイリングも含めて発信しようと思うようになりました。
フードスタイリングをするときのコツは、メインの食材をどう活かすかを考えること。メインの食材にない色味を添える野菜で足し、色数の多い華やかなスタイリングにしたり、すべて同じトーンのワントーンにしてスタイリング全体で料理のイメージをふくらませるような見せ方もします。華やかにまとめたいか、シックにまとめたいかなどでスタイリングを変えるようにもしています。
信頼感のあるNadia Artistになりたい
Nadia Artistとしての目標は、「ユーザーさんから信頼されるNadia Artist」になること。「この人のこのジャンルの料理は美味しいよね」と信頼をいただけるような自分の得意分野を確立させていきたいです。そのために、少しでも分かりやすいレシピになるように工夫して、実際に作ってもらえるような「レシピ力のあるレシピ」の発信を心掛けています。
人生、遅すぎるなんてことはないと思っていますので、Nadiaでレシピを投稿することで視野が広がった「これから」がスタート地点。今後は、フードコーディネーターの資格を取ったり、華やかな料理とは別に、シニア食、嚥下食なども勉強したりしていろいろなことに挑戦していきたいですね。そして、いつの日かレシピ本を出版したいと思っています!
Nadiaの仕事が生きがいに
Nadiaとの取り組みは生きがいと言っていいほど、今の生活の主軸になっています。Nadia Artistになっていなければ、今の自分はありません。Nadia編集部開催の写真講座を受けてからは、撮影技術も格段に上達し、写真の仕事も増えました。
Nadiaは単なるレシピサイトではなく、Nadia Artistの育成までしているのが魅力。Nadia Artistのみなさんは各得意分野でご活躍されていらっしゃいますし、私自身、仕事をいただくだけでなく、人生そのものを豊かにしていただいていると実感します。この仕事が本当に好きで、もっと努力し、勉強しながら成長し続けたいと思っています。
Nadiaに掲載されているレシピは、どれも心がこもった本当に美味しいレシピばかりで、ユーザーとしてもNadiaのファンです。夜ご飯の試作がないときは、たいていNadiaで美味しそうなレシピを夫と探しては作って喜びながら食べています(笑)。これからもNadiaとともに料理を楽しんでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!
写真:高橋 しのの 文:室井瞳子
mayumillion's profile
作る方も食べる方も笑顔にするような「心豊かになる幸せレシピ」がモットー。おうちにある調味料で簡単に作れる、見た目も華やかなレシピを発信中。
mayumillionさんのプロフィールはこちら
Nadia Artistになりたい方へ。申請ページはこちら