中学生のころから家庭科が大好き！
中学生のころから、家庭科の授業が大好きだったんです。調理も裁縫も楽しくて、家庭科で作った裁縫の作品が展覧会に選ばれたり、表彰されたり。先生にほめてもらったことが自信にもつながって、どんどん家庭科の授業が楽しくなっていきました。
高校は普通科にすすもうと思っていたのですが、先生が家庭科の専門課程のある高校を教えてくれて。両親の理解もあって、そちらの方向にすすむことになりました。専門は服飾系でしたが、食物のことを学ぶ時間もあり、それが料理に興味を持つきっかけになったんです。
その後は繊維専門商社に就職し、デザイナーとして勤務。出産を機に退職してからは、子どもの成長とともに、そのときに合わせたいろいろなパートを経験してきました。
忙しい毎日のなかで「簡単レシピ」が生まれた
出産してからは、いま思えば子どもたちが中心の生活で、子どもの習いごとがいろいろ重なった時期は一番大変でした。娘はピアノのコンクール出場を目指して、レッスンに熱心に通っていたこともあり、送り迎えだけでもひと苦労だった記憶があります。
ただ、できないことは無理せず、周りの協力を得るように心がけていました。ご飯の支度も手間をかけないようにしていたので、その経験が、今発信している「簡単で美味しいレシピ」につながっているかもしれません。
子どもたちはもう24歳と22歳。私自身の時間ができたこともあり、現在は料理家とソーイング講師という、ふたつのお仕事をしています。ソーイング講師としてのお仕事はだいたい週に3、4日くらいで、今は裁縫と料理のお仕事が半々ぐらいの生活ですね。
娘のすすめでInstagramをスタート
料理家となったきっかけはInstagramです。料理を作っている私の姿を見て、娘が「お母さんもInstagramやってみたら？」と。最初は何が何だか分からないまま、気ままにいろいろなものを載せていました。
だんだんとInstagram上で人との関わりも増え、お料理中心の投稿をしていたところ、Nadiaのご担当様からお声がけいただいて。審査を受け、Nadia Artistになることができました。
最初はNadiaのことも知らなくて、不安もあったんです。私は何の資格も持っていないし、料理家さんたちに肩を並べていいのかと…。でも、お仕事にお声がけいただく機会や、アンバサダーなどのお仕事も次第に増えていき、たくさんの方に見ていただけている実感がわいてきて。今ではNadia Artistとしてレシピを発信できていることに、大きな喜びを感じています。
Nadiaで働くみなさんにはとても感謝しています。どの案件も分かりやすくてお仕事もしやすく、日々のお仕事から出版まで、あらゆる面をサポートしていただいています。
料理家としてはまだまだ経験が浅いですが、人生の経験は長いと思います。そんな経験を糧に、Nadiaの一員として少しでも盛り上げていけるような存在になれたらうれしいです。
幅広い年代の方に「簡単レシピ」を伝えたい
2022年には、レシピ本『るみのささっと和食』も出版させていただきました。お声がけをいただき、最初は夢のようなお話にただただびっくりしました。私にできるのだろうか…出版してもいいのだろうか…と、初めは不安ばかりが頭をよぎっていたのが正直なところです。でもその反面、うれしさが込み上げてきたのも事実です。
出版後は周りの方々からも反響が大きく、たくさんの方に手にとっていただけてとってもうれしかったです。「買ったよ！」「料理、作ったよ！」といった言葉をいただくと励みにもなりました。
娘もひとり暮らしを始めたので、私のレシピ本を見ながら料理しているらしいです。そして私の母まで「作ったよ！」と言ってくれて。私の教室に通う60～70代の生徒さんも買ってくださったのですが、その年代の方は一から丁寧に料理を作っていた世代。簡単に料理を作れる方法を意外と知らなかったりするので、「こんな作り方あるのね！」と喜んでもらえたんです。
だから私は、和食にも簡単な作り方や時短の調理法がいろいろあることを、幅広い世代のたくさんの方に伝えられるNadia Artistを目指そうと、よりいっそう強く思いました。
「簡単に美味しく！美しく！」がモットー
料理家としての仕事の魅力は、「料理が美味しい！」「家族が喜んでくれた！」という声を直接聞けて、作ってくださった方を笑顔にできること。そして、レシピを通して多くの方とつながりができることです。
大変なことは、やはり納得のいくレシピや写真にたどり着くまでの道のりです。何度も試作を繰り返して着地点を探すのは、一番難しいところですね。
私の料理のモットーは、「簡単に美味しく！ 美しく！」。和食レシピを多く発信しているのは、やはり和食が好きだからです。母の作る料理が和食中心で、その環境のなかで育ち、味を覚えていきました。
正社員として働いていたころや、子育てで忙しかったころは、料理に時間も手間もかけられなくて、とりあえず作れる同じような料理ばかり作っていた時期もあります。でもその経験があったからこそ、いつのまにか手間抜きできるようになり、今発信しているレシピにつながったのだと思います。
レシピの向こう側にいる方たちを常に意識
Nadiaでレシピを紹介するときは、「レシピやポイントは分かりやすく！ 写真はきれいに！」が一番のこだわり。初心者の方にも分かりやすいよう工程を詳しく書き、食材や調味料は身近でシンプルなもの、どのご家庭でもそろうものを使うようにしています。また、写真もきれいで分かりやすいものになるよう心がけています。
盛り付けやスタイリングは、特に「空間」を意識しています。料理の量に合った食器を選ぶだけでも料理がぐーんと美味しく見えたり、高見えしたりするので、ちょっとしたポイントも大事にして、最後までこだわりを捨てないようにしています。
今までの私の知識と経験を、より多くの方に届けたい。そんな気持ちで、日々レシピをご紹介しています！
「和食を作るなら、この人のレシピ」と思ってもらいたい
これからは自分の得意分野である、「手軽に作れる和食レシピ」をさらに強化していきたいです。いろいろ作ってみたいものはありますが、私らしくこれからもいきたいと思います。レシピ本のタイトル『るみのささっと和食』のとおり、「和食を作るなら、この人のレシピ」と思っていただけるような料理家になりたいです。「お母さんのレシピを見てみよう！」という感覚で、親しみや安心感をもって私のレシピを見ていただけたらうれしいですね。
料理を作っていただく方に寄り添えるレシピを考え、それを安心して作っていただける、また「このArtistなら仕事を任せられる」という、信頼感のあるNadia Artistを目指していきたいと思います。
写真：高橋 しのの 文：室井瞳子
るみ's profile
愛知県在住。2児の母。身近な食材や調味料を使った和食レシピが人気を集める。著書『るみのささっと和食』（ワン・パブリッシング）が好評発売中。
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