クコの実(ゴジベリー)とは
”ゴジベリー”と聞いてもピンとこなくても、”クコの実”と聞くと、多くの方は、
杏仁豆腐にちょこっとのっている赤い実のことだとイメージされるのではないでしょうか。
呼び方は地域によって、”ゴジベリー” ”クコの実” ”枸杞子(くこし)” ”ウルフベリー”など
いろいろですが、同じものです。
クコの実の原産は中国で、中国から日本・朝鮮半島・台湾・マレー半島・北アメリカなどに広く分布するナス科の植物の果実です。
クコの実は昔からスーパーフード?!
クコの実は、中国では3000年以上前から、「不老長寿の妙薬」として知られていて、
中国最古の薬学書『神農本草経』では上品(ジョウホン=作用が穏やかで、長期服用しても副作用がなく、命を養う薬)に位置づけられています。
世界三大美女の一人である楊貴妃も、美容を保つために、1日3粒のクコの実を欠かさなかったと言われています。
日本にクコの実が伝わったのは平安時代で、天皇が専用の庭園で栽培させていたと言われています。その庭園の管理者は120歳まで生きたというエピソードが残っていいるほど、日本でもクコの実の薬効は昔から認識されていたようです。あの徳川家康もクコを愛用していたそうです。
最近では、大手化粧品メーカーの資生堂がクコの実の美白効果を世界ではじめて発表したことにより美意識の高い海外セレブ達の間で「美容やアンチエイジングのスーパーフード」として認識され愛用されるようになり、ゴジベリー(クコの実)のブームが起こりました。
(SHISEIDO NEWS RELEASEより引用
http://www.shiseidogroup.jp/releimg/1810-j.pdf)
クコの実の成分と効果
クコの実は100種のミネラル・ビタミンが含まれているといわれます。
主にβカロテン・ビタミンB1・B2・C・アミノ酸・ルチン・べタイン・鉄分・カルシウム・食物繊維・ポリフェノールなど美容や健康に効く成分がたっぷり入っています。
中医学では肝と腎の機能を高める。血を補い目を養う。肺を潤し咳をしずめるなどといわれています。
主な効果としては
・美肌・美白効果
・アンチエイジング
・血行促進による冷え性改善
・貧血予防
・疲労回復・滋養強壮
・ホルモンのバランスを整える
・ダイエット
・目の疲れ・視力低下の改善・白内障、緑内障などの眼病予防
などがあげられます。
小さい粒ですが、成分がたっぷりつまっていて、美容や健康にマルチに働いてくれるといえます。
だいたい一日の摂取量の目安は10~20gです。
ただ、注意が必要なのは、クコの実にはべタインという成分が含まれています。
べタインは肝臓の脂肪が蓄積するのを防ぐといわれ、うれしい作用を持つ一方で月経促進や人工中絶薬の作用を持つといわれているので、妊娠中や授乳中の方は摂取を控えた方がよいそうです。
クコの実のさびないレシピ
クコの実は上記のとおり、ポリフェノールやビタミンを豊富に含み、抗酸化作用が
強いため、適量を食べ続けていくことで肌やからだのさび止めになります。
ご紹介するレシピを普段の食事にとり入れて、ずっと、さびないお肌とからだを手にいれましょう♪
眼病予防・アンチエイジングに
クコとレーズンの赤ワイン煮
材料(小1瓶分)
クコの実 1/2カップ
レーズン 30g
A 赤ワイン 1/2カップ
はちみつ 大さじ2
レモン汁 小さじ1/2
下準備
・クコの実はザルに入れ、熱湯をまわしかけ、水気をきっておく。
・保存瓶は煮沸消毒をする。
作り方
①鍋に、クコの実・レーズン・Aを入れ、火にかけ、沸騰したら、火を弱め
5~6分煮る。
②1の汁気が少なくなったらレモン汁を加え、混ぜ火からおろす。
粗熱がとれたら、保存瓶に入れる。
朝食のヨーグルトにかけたり、バケットにのせてワインのおつまみにしても
合います。
レシピはこちらにものせてあります♪
美肌・アンチエイジングに
クコ入りトマトソース
材料
クコの実 40g
玉ねぎ 1/2個
トマト水煮 400g
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ2
ローリエ 1枚
塩 少々
こしょう 少々
作り方
①クコの実は白ワインをまぶしもどしておく。
玉ねぎはみじん切りにする。にんにくは皮をむき、包丁の背でつぶす。
②鍋にオリーブオイル・にんにくを入れ熱し、にんにくがきつね色になったら、
玉ねぎを入れ炒め、透明になったら、クコの実を汁ごと加える。
全体に油がまわったら、トマトをつぶしながら加え、ローリエを入れ、10分程煮る。
③2が水っぽさがなくなったら、火をとめる。
粗熱がとれたら、ローリエをのぞき、ミキサーに入れなめらかになるまで
撹拌する。
鍋にもどし、再度温め、塩・こしょうで味をととのえる。
④粗熱がとれたら、保存容器に入れ保存する。
作りおきしておけば、いろいろなバリエーションが楽しめます。
お肉やお魚・パスタなど何でも合わせられます。
レシピはこちらにものせてあります♪
貧血予防・美肌・アンチエイジングに
牡蠣とブロッコリーのソテー クコトマトソース
材料(2人分)
牡蠣 150g
ブロッコリー 80g
クコの実 大さじ1
クコ入りトマトソース 大さじ4
薄力粉 大さじ1/2
オリーブオイル 大さじ2
塩 少々
こしょう 少々
下準備
・牡蠣は塩水でふり洗いし、水気をよくふきとる。
・クコの実は水にもどし、水気をきっておく。
作り方
①ブロッコリーは子房にわけ、塩を加えた熱湯で硬めにゆでる。
牡蠣は塩こしょうで下味をつけ、一つ一つ薄力粉をまぶす。
②フライパンにオリーブオイル(半量)を熱し、ブロッコリー・クコの実を入れ、
サッと炒め、塩・こしょうをし、とりだす。
③2のフライパンにオリーブオイル(残り)を熱し、牡蠣を入れ、両面焼き色がつくまで
焼き、とりだす。
④皿に、クコ入りトマトソースをうすくのばし、その上にブロッコリー・牡蠣を並べ、
クコの実を上に散らす。
簡単なおもてなしに活用してみてください。
レシピはこちらにのせてあります♪
そのほかのクコの実入りレシピはこちらへ→神田 美紀のレシピ一覧(クコ)
今回は美容にも健康にも魅力たっぷりなゴジベリー(クコの実)についての
ご紹介でした。クコの実を脇役でなく主役に♪気軽に、ふだんの料理にとり入れてみてください。
(参考文献)
クコで健康になる 木崎国嘉 仙田五十麻央 (ヘルス研究所)
現代食卓に生かす 「食物性味表」 日本食養学会
薬膳&漢方の食材事典 阪口 珠未 (ナツメ社)
楽膳クラブ通信 VOL38 漢方キッチン
Slow Beauty (枸杞子)クコの実の効果