よく研いだ包丁を用意。刃渡り全体を使ってスーッと切れれば満点です!
「おかずにもう一品ほしい」というときに便利な魚の刺身。切って器に盛りつければ、それだけでちょっとしたごちそうに。じつは切り方次第で、おいしさも見た目の美しさもぐんとアップするんです。
覚えておきたい基本の切り方は2つ。手前に引くように切る「引き切り」と、そぐようにして薄く切る「そぎ切り」。これを、魚の種類によって使い分けます。
どちらの切り方の場合も、準備するのは、よく研いだ包丁、まな板、ふきんの3点。包丁は、刃渡りが長く刺身を切るのに適した「柳刃包丁」があればより美しいお造りに。
なければ三徳包丁でもOKですが、切れ味が悪い包丁でノコギリのように押し引きして切ると、身の繊維が壊れ、ドリップや生臭さが出やすくなるので要注意です!
まぐろやかつおは「引き切り」に。脂ののり方で厚みを変えるとgood!
まぐろやかつおなどの厚みがある長方形のサクは、「引き切り」で切り分けます。赤身の魚は人の手の温度で鮮度が落ちやすいため厚めに切ったほうがよい、というのも「引き切り」にする理由のひとつです。
また、脂が少なくさっぱりした初がつおは厚めに切り、脂ののった戻りかつおは少し薄めになど、「脂ののり方」で厚みを変えるのも、より一層おいしく味わうポイントです。
①ドリップをペーパータオルでくるんでふき取ります。
②人差し指を包丁の背に沿って当て、包丁のあごの部分をサクの手前の角に当てます。
③サクに対して直角に、まっすぐ刃を入れて切ります。。
④半円を描きながらすーっと手前に引くように一太刀で切り、切っ先で切り離します。。
身が柔らかく、厚みのない白身魚のサクは「そぎ切り」に
鯛やひらめなど、薄造りがおいしい白身魚は「そぎ切り」にします。ポイントは、包丁が透けるくらいの薄さに切ること。「ひき切り」同様、よく切れる包丁が必須です。また、幅がない魚は斜めに包丁を入れる「そぎ切り」にすることで、1切れの面積を大きく見せることができます。ただし、鮮度が落ちた白身魚であれば少し厚めに切ることもあるので、鮮度の良し悪しによって厚さを変えられるのがベストです。
①包丁の背の下の方に人差し指を当てて持ちます。
②サクに対して斜め~ほぼ水平に、刃を寝かせて切ります。
③包丁を持たない方の手をサクに軽く添え、包丁のあごの部分から刃先までを使い一太刀で切ります。>
いかがでしたか? いつもはパックの盛り合わせを買っているという人も、ぜひサクの刺身を切り分けて、ひと味違ったおいしさを味わってみてください。
写真:吉田朱里 文:芝 真紀子