ビールは缶のままではなく、グラスに注いで
プシュッとビールの栓を開けて、そのままグビグビッといきたい季節がやってきました。
でも、ちょっと待って! 気楽にそのまま、もいいですが、ビールはグラスに注いだほうがおいしくいただけるんですよ。
缶のままだと炭酸ガスが抜けにくいので、とても苦く感じたり、本来の味や香りが楽しめなかったりするんです。そして、ビールのおいしさを存分に楽しむために重要なのが「泡」。
きめ細かい泡はビールの香りが飛んだり、酸化したりするのを防ぐ「蓋」だと言われています。この泡を作るためにも、ぜひグラスに注いで飲んでくださいね。
グラスは清潔なものを
洗って水滴がついたままだったり、料理の油がついてしまったまま、そんなグラスは使わないようにしてください。
お菓子を作る方ならおわかりかもしれませんが、卵白を泡立てて作るメレンゲと一緒で、ビールにとっても水気や油分は泡立ちの敵なのです。
グラスは、できれば油のついたお皿などを洗うスポンジとは別に、専用のスポンジを用意しましょう。そして洗ったらしっかり自然乾燥を。フキンを使うと糸くずがついてしまったりするからです。
…マニアックで失礼します。でも、できる範囲でいいのでやってみてくださいね。おいしさに差が付きますよ。
グラスは冷凍庫で冷やすのはダメ!
「まずは冷凍庫でキンキンにグラスを冷やして…」という方、いますよね。ですが、これは絶対にやめて!
凍った水分が溶け出して水滴になり、ビールの泡立ちを損なってしまうんです。
また注いだビールが急冷してしまい、おいしい適温でなくなったり、状態が変わってしまいます。グラスを冷蔵庫で冷やす程度はOKですが、冷凍庫で凍らすほどに冷やすのは絶対に避けてください。お願いです。
缶ビールをおいしく注ぐ「3度注ぎ」に挑戦
おうちでも、お店で飲む生ビールのような泡立ちを楽しみたいですよね。
簡単においしく注げる方法が「3度注ぎ」です。
①1度目:上から勢いよく注ぐ
まずは、グラスの半分くらいまで勢いよく注ぎます。テーブルに置いたグラスの底を目がけるような気持ちでやるといいですよ。
②待つ
すみません、まだ飲めません。
粗い泡が落ち着いて、きめ細かい泡になるまでちょっと待ってください。目安は15秒。お預け状態で申し訳ございません。
③2度目:ゆっくり注ぐ
2度目は低い位置からゆっくり注ぎます。グラスの9割程度まで注ぎましょう。
④また待つ
本当にすみません、もうちょっとの辛抱です。泡が落ち着いて、きめ細やかな泡が多くなるまで再び待ちます。
⑤3度目:泡を足す
モコッと泡がグラスから盛り上がるくらいまでゆっくりビールを注いで、泡を足します。
お待たせしました。
これで黄金比と言われる「7:3」の比率に。泡も細かくてつぶれにくく、クリーミーです。
一口飲めば、「ああ、我慢してちゃんと注いでよかった」と思われるはずです。
相手がグラスを持っている場合の注ぎ方
ところで接待のクセか(?)、はたまた日本酒文化のためか、特に日本ではグラスを持って斜めにしてビールを注いでもらうことが多いのですが、グラスは置いたまま、垂直に注ぐ方が上手に泡立ちます。
ただ楽しいお酒の席で、相手に「グラスは持たないで!」「斜めにしないで!」と言うとちょっと険悪になることもあるでしょう。そんな時は、1度目は斜めだけど勢いよく。2度目はグラスの内側に沿って、置いて注ぐときよりもやや勢いを持って注ぐといいですよ。3度目の時はさすがに相手もこぼれそうになるのでまっすぐ持っておられるでしょうから、ゆっくり泡を足して差し上げてください。
とにかくビールは明るく楽しい飲み物。おいしく、パーッと、夏のビール生活を満喫してくださいね。
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