シュークリームやクリームパンでおなじみのカスタードクリーム。 「菓子屋のクリーム」と呼ばれる基本のクリームですが、おうちで作るとなるとダマができたり、焦げてしまったりと難しいイメージをお持ちの方も多いのでは? いくつかのポイントを押さえれば、ツヤがあってなめらかなカスタードクリームがおうちでも作れます♪ 使用するレシピに合わせて生クリームやバタークリーム、イタリアンメレンゲなどと合わせて使うベースとなる濃厚な配合です。
カスタードクリームは冷蔵保存で翌日までを目安にお召し上がりください。 分離するので冷凍はできません。
薄力粉をふるっておく。
ボールに卵黄を入れて溶きほぐし、砂糖の半量を加えてすぐに白っぽくなるまですり混ぜる。 ※卵黄と砂糖をしっかり混ぜておくことで、後で熱い牛乳を加えた時に凝固するのを防ぐことができる。 ※卵黄に砂糖を加えてすぐに混ぜないと砂糖が卵黄の水分を吸って塊ができてしまう。
薄力粉を入れて、粉気がなくなるまで混ぜる。 ※半量をコーンスターチに置き換えると、歯切れ良い食感になります。薄力粉だけで作ると濃厚な感じです。使いたいお菓子に合わせて選んでください。
鍋に牛乳と残りの砂糖を入れて沸騰させ、2のボールに少しずつ加えて混ぜる。 バニラの風味をつける場合は、牛乳にバニラビーンズまたはバニラオイルを加えておく。
鍋に戻し入れるときに濾し器を通して戻し入れる。 ※ここでは牛乳を沸かすときに使った温かい鍋に戻し入れることで、炊き時間を短縮し余計な粘りが出るのを防ぎます。
中火にかけてゴムベラで底から混ぜながら炊く。 ※この工程で焦げができやすいので、強火にしない。 底から混ぜることで火の通りを均一にし、底が焦げ付くのを防ぐ。特に鍋の隅の方が混ぜ足りなくなりやすいので隅の方にもゴムベラが当たるようにする。(この工程はホイッパーで行うレシピが多いのですが、ホイッパーだと鍋の隅まで届かないので私はゴムベラがおすすめです) ※ここでは焦げ付きを恐れて弱火にしすぎると長時間炊くことになり、余計な粘りが出てしまいます。短時間で一気に炊き上げるイメージで。
加熱を始めるとすぐにとろみがつき、塊ができ始める。 強いとろみがつきゴムベラを混ぜる手に重みを感じるようになったらあと少し! ※この時点でカスタードクリームができているように見えますが、ここでやめてしまうと粉に火が入り切っておらず口当たりが悪くなります。
鍋の底からボコッボコッと沸き、混ぜる手がスッと軽くなってツヤが出たら炊きあがり。出来上がりはボトッと重い感じではなく、タラタラ~っと垂れるような柔らかさになっています。 ※初めて作るときは「スッと軽くなる」感覚がわかりにくいと思うので、ポコッポコッと沸き始めて30秒くらいを目安に炊く。 ※ここでバターを10~20g程度加えるとより濃厚な風味になります。使うお菓子に合わせて。 ※出来上がったクリームをもう一度濾し器に通すと加熱時にできたダマや焦げを取り除くことができます。
すぐにバットなどに移し、カスタードクリームにぴったりとラップを張って上下から保冷剤などで冷やす。 ※ラップが浮いていると水滴が落ちるのでピッタリ貼るのがポイント! ※ここで素早くしっかりと冷やさないと、雑菌が繁殖しやすく傷みやすいので気をつけて。
冷えるとペロンとはがれる。もしボロボロ割れるような感じだった場合は炊き足りていない。ここから炊きなおすことはできないので次回作るときはもう少し炊くように注意すると良いです。 少し口当たりは落ちますが食べられるので、食べちゃっても大丈夫です。
このままだと口当たりが悪いので、使う前に塊をつぶすようにゴムベラでほぐすとなめらかなクリームになる。 ここからレシピによって生クリームやバタークリームと合わせて使用します。
ホイップと混ぜる場合は、別のボールで生クリームを角がたつまで泡立て、ほぐしてなめらかにしたカスタードクリームと合わせる。 ※カスタードとホイップを同量程度合わせる場合は、カスタードクリームの牛乳の分量を250mlに減らし、固めに仕上げることもあります。 ※生クリームは動物性脂肪40~45%の物がおすすめ。
コーヒー味のカスタードクリームにする場合。 インスタントコーヒー小さじ2を水小さじ1/2で溶いたペーストを加え、ほぐしつつ混ぜ込む。 コーヒーの量はお好みで加減してください。
チョコレート味にする場合は出来上がってまだ熱いうちにチョコレート(できるだけ高カカオの物)を50g加えて溶かし混ぜる。 ※チョコレートを混ぜ込む前程なら、薄力粉とコーンスターチを半々で作るカスタードクリームをおすすめします。
抹茶味にする場合は抹茶小さじ1~2(お好みで量を調節)を少量の水で溶いてペースト状にしたものを工程10の段階で加えて混ぜる。
もう少し量を減らして作りたい場合。 卵黄2個、砂糖40g、薄力粉15g、牛乳200mlで作ります。
生クリームを加えずにトロトロのクリームにしたい場合。 卵黄2個、砂糖60g、薄力粉15g、牛乳300mlで作ると、後で生クリームを加えて調節しなくてもトロトロ流れるような柔らかなクリームになります。 あっさりした味わいになります。
他にもオレンジやレモンの皮を加えたり、リキュールで香りづけをするアレンジ、カボチャや栗、さつまいものペーストと合わせるアレンジなど自由自在に楽しめます♪
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2022/01/16 09:17
2021/10/13 17:08
hoppe
料理研究家
六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。