食いしん坊が高じて料理の道へ
小さいときから食べることが大好きだったんです。保育園の連絡帳には「ななちゃんはいっぱい食べて、周りの子から驚かれていました」って書かれたり、小学校の給食カレンダーを毎日チェックして好物に自分でマーカーを引いたり、常に食べることを考えているような子でした(笑)。
家の冷蔵庫に何か美味しいものがあると、必ず父と私と弟で取り合ったりもしましたね。冷蔵庫にある好物にはペンで「食べるな」と書いたりもしていました。そんなことばかりしていたら、母に「この家にはハイエナしかいないな」って言われたこともあります(笑)。
食の仕事を意識し始めたのは、高校生のときに病院の管理栄養士に憧れて資格の取得を目指したいと思ったときです。でも、高校時代はどちらかというと絵を描くことが趣味で、料理は卵焼きを作るくらい。大学に進学してひとり暮らしを始めて、絵を描くことから料理にシフトしていきました。私の中で絵を描くことと料理を作ることは「なにかを作りだす」という点で根本的には同じで、表現方法が違うだけ。手に持つものがペンから包丁に変わり、表現する場所が紙からお皿の上に変わっただけだったんです。
大学は、栄養学を学べるところに行っていました。卒業後にそのまま栄養学の大学院に行くも、ついていけずに中退。その後、有名イタリアンでホールスタッフとして1年間働くも退職と、自己嫌悪で今後の人生に迷走していました。そんなとき、実家の母が「料理研究家とかいいんじゃない?」と冗談交じりで言ってくれたんです。その言葉で「ああ、やっぱり私は食に関わっていこう」と背中を押されて、家庭教師の仕事をしながら料理研究家として活動していくことを決意しました。
実績がないまま料理研究家としてスタート
正直、実績もないのに料理研究家と名乗るのは、勇気がいりました。都会なら料理研究家という職業も珍しくないのかもしれませんが、私の住んでいる場所は田舎だし、料理研究家として活動している人も少なくて。それでも「料理研究家として働きたいです」といろいろな場所で言っていたら、周りの人たちが「それならこういう仕事あるからやってみない?」と呼んでくれるようになったんです。おかげで、地元のイベントの料理教室の講師やケータリングなどの仕事も入るようになっていきました。
ところが、コロナ禍が始まって、だんだんとイベントもなくなると、また仕事が減っていきました…。そんな中で、料理研究家として活動するために認知される必要があると思い、Instagramに力を入れ始めました。
SNSを続ける喜びは、やはりフォロワーの方から反応があること。「売っているものよりも美味しい!」「2日連続で家族にリクエストされています!」といったコメントをいただくこともあり、とてもやりがいを感じますね。もちろん逆に苦労することもあります。アクセス数を伸ばすために、何十人もの人気の料理研究家さんをピックアップして「なぜ人気なのか」、「私に足りないものは何か」などをひたすら分析して自分の投稿に反映して…を繰り返して、試行錯誤する日々です。
自分のレシピが掲載された本が全国に!
Nadia Artistになったのも、Instagramを通じてNadia編集部の方からお声がけいただいたことがきっかけです。「Nadia Artistになるためには審査が必要なこと」「プロの料理家のみがレシピを投稿できるのでレシピのクオリティーが高いこと」に惹かれました。また、レシピを投稿する人を「Nadia Artist」と呼ぶセンスの良さ…! もともと何かを作るのが好きな人間なので、この響きは個人的にビビッときましたね。
Nadiaで印象に残っている仕事は、Nadia公式レシピ本『Nadia magazine』に掲載する「ダイエット献立」の撮影です。発売された本は、全国出版されるのでプレッシャーもありましたが、やりがいがありました。料理写真はすべて撮りおろしだったのですが、私はお皿をあまり持っていなくて…。献立のお皿がかぶらないように、お皿を探してお店を駆け回った記憶があります(笑)。
今は、家庭教師の仕事を継続してやりつつ、Nadiaをはじめとした料理の仕事をしています。仕事内容は主にコラム執筆や企業様へのレシピ納品です。コラム執筆やレシピ開発の仕事の魅力は、自分で仕事量を調整できること。また、試行錯誤して書いたコラムやレシピの評判がいいとうれしいです。ただ、レシピの納期が近づいているのに、思うような味になっていないときは焦りますね…。納得いかなくて徹夜した日もあります(笑)。
自分の経験からダイエットレシピを強化
私は、ダイエットレシピを手がけることが多いのですが、「ダイエットレシピっぽくない」レシピを意識しています。ダイエットレシピを提案するようになったのは、自分の強みになると思ったからです。最初はただの「料理研究家」として活動していたんです。管理栄養士の資格も、仕事に必要というよりは「高校生のころの自分を裏切りたくない!」という想いで取得しました。でも、私が料理研究家だと名乗ると、相手に「どんな料理が得意なの?」と聞かれることが多くて。「料理は作れるけど何が得意なんだろう?」と、いつも返答に困っていました。
自分の強みを出さないと、たくさんいる料理研究家の中で埋もれてしまう…。そう考えて、自分の強みを洗い出しているうちに「12kg痩せた経験」「管理栄養士の資格」「結婚した夫がたまたまボディビルダー(笑)」が私の強みだと気づき、ダイエットレシピに強い料理研究家になろうと決心しました。
美味しくてヘルシーなダイエットレシピを提案したい
今後も、ダイエットレシピやダイエット献立を強化していきたいです。勝手なイメージなのですが、ダイエットレシピというと「ブロッコリー、鶏むね肉、以上!」みたいな印象があって(笑)。ボディビルダーをやっている夫が、結婚する前に「ご飯のことを、空腹を満たすためだけのエサだと思って食べている」と言っていたんですよね。私、逆にすごいなと思ったんです。「なんでそんなつらい思いをして、ご飯を食べなくちゃいけないの⁉」って。私は、もっと食べてテンションが上がるものを作りたい。だから、しっかり美味しくてヘルシーなダイエットレシピを提案しようと心がけています。
ダイエットレシピ本で料理レシピ本大賞を受賞するのが夢
Nadia Artistとしては、これからもダイエットで悩む方を笑顔にできるレシピを届けていきたい。そして、いつかダイエット系のレシピ本を出したいです。以前、『Nadia magazine』に自分のレシピや献立が掲載され、それが全国で発売されたときはすごくうれしくて。自分の家の近くの本屋に行って、「あ、私のレシピ載ってる!」って興奮しました。次は、自分自身のレシピ本を出して「料理レシピ本大賞 in Japan」で大賞を取ることが夢ですね。Nadiaと出会って、私の料理研究家としての人生は本当に変わったと思っています。これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!
写真:高橋 しのの 文:室井瞳子
こんなな 【ダイエットレシピ】's profile
12kg痩せた経験や管理栄養士としての資格を活かし、美味しくヘルシーなダイエットレシピを考案。食べることを楽しみながらダイエットをしてほしいという想いから、レシピを作るときのモットーは「人生、美味しく、楽しく」。
こんなな 【ダイエットレシピ】さんのプロフィールはこちら
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