YouTubeが脚光を浴び、チャンネル登録者数20万人突破!
料理の道に進んだのは、YouTubeがきっかけ。息子と娘がYouTubeをよく見ていたのですが、もともとゼロから何かを作り上げるのが好きだったので、自分も動画を上げてみたいなって。最初は「歌ってみた」とか「○○さんのモノマネで料理してみた」とか、コントのようなものを上げていました。
ある日、軽い気持ちで作り置きの料理の動画を、十何品かアップしてみたんです。そうしたらちょうどコロナがはやり始めて、自炊する人も増えたからか、再生数がどんどん増えて…。「あ、これだ!」とピンと来ましたね。そこから作り置きの動画をどんどんアップして、人間なので承認欲求も満たされて(笑)。しだいに内容もブラッシュアップされて、「1週間〇〇円で作り置き」といった動画を投稿するようになりました。
そして2022年には、チャンネル登録者数が10万人を突破したYouTuberに贈られる「銀の盾」を獲得。今(2024年2月現在)のチャンネル登録者数は20.6万人になっています。YouTubeという自己表現の場ができたのは、自分にとって大きな喜びでもありました。YouTubeもSNSも続けるのは大変なこともあるけれど、自分に自信を持つためのツールでもあると感じています。
実は「料理好き」ではないけれど…
料理家さんって「料理が好き」というイメージがあるけれど、私、実は好きと思って料理をしたことないんです。衝撃発言ですよね!(笑) 子どものころは祖母が料理上手で、お手伝いもあまりしなかったし、ひとり暮らしの学生時代は気が向いたら料理する程度。結婚してからは、やらなきゃならないのでやっていました。…あまりポジティブなイメージがなくてごめんなさい!
でも、ある本で「何か10年も続けてきたことがあれば、それは十分仕事にできる」という一節を読んで。自分が30年ほどしてきた家事の中では、しいていえば料理が一番できることだなと。「料理が好きで好きで仕方ない」というタイプではなかったからこそ、どうすれば簡単に料理できるか、洗い物が減るのかを考えることが多かったんですよね。そんななかYouTubeで作り置き動画の再生数が伸びたことで、ユーザーさんのニーズがそこにあると感じ、料理家としての活動を始めました。
心のどこかでは、これまでやってきた主婦としての生活を、結果を出すことで肯定したかったのかもしれません。実際、料理の仕事を始めてからは自分を肯定できるようになった気がします。料理の仕事に興味がある方には、料理の好き嫌いに関わらずお仕事にすることができるとお伝えしたいですね。
レシピ本『1週間3000円作りおきレシピ』が大好評に
初めてのレシピ本は即重版となり、現在4刷目!
2023年3月にはレシピ本『週末にパパっと作って、平日は食べるだけ! 1週間3000円作りおきレシピ』(KADOKAWA)も出版させていただきました。手に取っていただいた読者の方には感謝しかありません。ありがとうございます! 日々の時間や節約に追われる方に活用していただくためにはどんな情報を入れたらいいか、本を活用する方に寄り添ったものになるよう心がけて制作しました。
出版のお話をいただいたときは、本当にうれしかったですね。ショッピングモールをブラブラしていたら、編集長の黒澤さんから突然電話があって。「レシピ本出しませんか?」と言われて、「ぜひぜひ」と答えました。当然驚きましたけど、あのタイミングで私に白羽の矢を立てたのは、さすがだなと思います。出版直後に物価高になって、節約レシピの本を出すには絶妙なタイミングだったんです。黒澤さんが未来を予知していたみたい(笑)。
ただ、私が節約レシピに特化していたのは、時代の流れを読んでいたわけではなくて。これも何かの本で、「いつチャンスが来てもいいよう、『コンテンツを持っている自分』でいなさい」という言葉を読んだことがあって、私も「自分だけのジャンルを持っていよう」と思っていたんです。お店でも、独自の品ぞろえを持っていれば、時代の流れやチャンスが来たときに「はい、ありますよ!」とパッと出せますよね。
レシピ本の撮影はなかなかのハードスケジュールでしたが、またとないチャンスなので、気合いで乗り切りました! そして制作中も、毎週金曜日のYouTubeのプレミア公開は欠かさずアップしていたんです。毎回観てくださる方もいたし、毎週アップすると約束していたのでがんばれました。あのときは200%活動していたし、キャパシティも大きくなっていましたね。今でも当時の自分を褒めたたえています(笑)。
「作り置き」は豊かな時間を作ってくれるもの
時間もお金も節約できる、美味しい作り置きレシピが人気
私、本当に面倒くさがりなんですよ。料理以外の家事は超苦手で、洗濯物は取り込んでそのまま放置。お風呂に入るとき、子どもたちはそこから着替えを持っていく状態 (笑)。逆に、だからこそ時短レシピや、洗い物を減らせるレシピが生まれたんだと思います。
レシピを書くときは、保存方法や保存期間、容器や材料費についても、なるべく詳しく公開するようにしています。作り置きレシピって、どのぐらい保存できるか分からないと不安になりますよね。私が持っている情報を公開することで、少しでも作り置きのハードルを低くしたいと思っています。
忙しい方が帰ってから献立を決めるのは、なかなか大変なこと。1品だけでもおかずが冷蔵庫にあれば、あとはメインにお肉を焼けばOKになるし、3品用意してあれば、それだけで食卓は豪勢に見えるもの。作り置きは未来の自分を助けてくれるし、過去の自分を褒めてあげられる。「自分、よくやったね!」という繰り返しが、豊かな時間を作ってくれるのではと思っています。
病気の発覚後、50歳間近にして資格を取得
2023年には胆石が発覚したので、療養食やコレステロール対策、栄養素の本などで勉強したりして、食生活を改めて見直したんです。その後、7か月半の食生活改善と服薬の成果で、胆のうの半分以上に埋まっていた胆石がほとんどなくなり、薬も不要になりました。
成果があらわれたことに感動して、病院での超音波検査のビフォーアフターの画像をスマホで撮らせてもらって、それをお守りにしています。現在は胆石の発覚前より13kg減量して、リバウンドもない状態です。
胆石発覚後には、以前から挑戦したかった、食生活アドバイザー2級の資格も取得しました。50歳間近の挑戦でした! ちょうど勉強をし始めたときに、娘は高3で受験生。娘が生物の勉強をしている一方で、私はタンパク質の勉強をしたり。私が「これ、どういうことだろう」と言ったら、娘が教科書を見せてくれたりして、お互い勉強していることがいい相乗効果になりましたね。この年になっても勉強すればなんとかなるというのを、親の背中で見せられたし、年をとることのネガティブなイメージを少しでもポジティブに変えられたのではないかと思っています。
実際に資格を取ってみると、仕事への姿勢にも変化がありました。やはり食に関する教養や土台があると、ユーザーさんや視聴者の方からの信頼感が違うし、自分も知識があることで自信を持ってレシピを提供できるというのは改めて感じます。
私は作り置きレシピを発信しているし、一番怖いのは食中毒。知識を持てたことで、しっかり衛生環境を守ったうえでレシピを提供できるので、それは自分にとって強みになりました。それからは食中毒のニュースを見ると、「これは〇〇菌だ」と分かったり、ニュースを一歩踏み込んで理解できたり。プロとしての土台を持てたのは良かったですね。
自分時間を楽しむNadiaユーザーをお手伝いしたい
Nadiaでのお仕事で印象に残っているのは、ハナマルキさんの「液体塩こうじ」のグループディスカッション。ハナマルキさんの商品にかけた思いを直に伺うことができたのは良い経験になりました。また、初めてNadia Magazineにレシピが掲載されたときは感動しました! エバラ食品さんのクリスマス特集やCOSORIさんのノンフライヤー案件など、ほかにもまだまだたくさん素敵なお仕事をさせていただいています。
Nadiaでは、引き続きこれまでの安くて早くて美味しい、節約&時短のレシピをさらに進化させていきたいし、ヘルシーで体型維持できるレシピもご提案していきたいです。逆にひと手間かけて、手作りの塩こうじや玉ねぎこうじを使ったレシピにも興味があります。腸活レシピも考えていきたいですね! これからも、時間とお金に少しでもゆとりを持ち、自分時間を楽しむNadiaユーザーさんをお手伝いできるArtistになっていきたいです。
Nadiaのみなさまは、いつでもウェルカムで優しく包んでくれる雰囲気があるからこそ、こちらもスムーズに活動でき、さらなる進化をのぞめています。Nadia Artistになり、私の活動の幅もとても広がりましたし、3段階くらいスキルがステップアップすることもできました。改めて感謝申し上げます!
人生は有限だから、立ち止まってはいられない!
現在の仕事は、YouTubeでの料理動画配信、InstagramやTikTokへの動画投稿、Nadia Artistとしてのレシピ発信や、企業さまへのレシピ考案などです。
以前は子育ての合間にパートで事務職などをしていましたが、途中からはこの仕事一本にし、個人事業主になりました。現在はほぼ在宅で仕事をしているので、時間の融通がきくようになったのは、この仕事のメリットですね。
SNSを通して自己表現がオープンにできる場ができたことで、私と同じような境遇の方にレシピが届き、活用していただけるのはこの仕事の大きな魅力です。レシピやYouTube動画が分かりやすいとコメントをいただけることは、私にとっては最高の褒め言葉ですね!
人間なのでネガティブになるときも、もちろんあります。実はもっと以前は、精神的に苦しくて、毎日息をするだけでやっとというような、先の見えないトンネルにいるような時期もあったんです。でも今となっては、それがあったからこそここまで来られたなという気がしています。言い方はよくないかもしれませんが、「自分はもう生きていけないかもしれない」と思ったことがある人ほど、はい上がれるんじゃないかなと思うんです。50歳近くになると、老いも感じるし、病気もするし、人生は有限だと実感せざるを得なくて。だからこそ「立ち止まってはいられない!」って思うようになったんですよね。
仕事のパワーの源は、体と心の健康を保つこと。アントニオ猪木さんがおっしゃるように、「元気があれば何でもできる!」。睡眠はしっかり、食事もバランスよくとる。家族とたわいもない会話をしたり、愛猫とまどろんだり、尊敬する人とコミュニケーションをとることも大事。NadiaやYouTubeを通して、ほかの料理家さんとの横のつながりもでき、いつも楽しくコミュニケーションさせていただいています。
また普段の生活でも、ドキドキワクワクする経験を意識的にするようにしています。最近のドキドキすることは、赤い靴下を買ったこと(笑)。私、青色が好きで、キッチンも青ばかりだし、名前も「あおにーな」にしているくらい。そんな私が赤い靴下を買ったのは、ささやかだけど今までにないことで、ドキドキワクワクしました!
毎日がんばっている方に寄り添うレシピを考案したい
Nadiaユーザーのみなさま、いつも私のレシピをご覧いただき、さらにご活用いただきありがとうございます! 毎日のご飯作りをはじめ、そのほかの家事も、お仕事も育児も介護もお疲れ様です。その日を乗り切るのに、とってもがんばっていることと思います。そんな方に寄り添うべく、面倒くさがりの私でも簡単に作れて洗い物が少なく、スーパーで必ず手に入るもので作れるレシピを考案しています。
私の願いとしては、「どんな方も取り残したくない」という気持ちで活動しています。料理にはいろいろな悩みをもつ方がいると思いますが、自分も大変な思いをしたことがあるからこそ、料理を家庭で担っている方の、さまざまな悩みの助けになりたい。
今の時代は夫婦で同じように働いている方も多いし、「女性だけが料理をする」という時代ではないので、そういった昔ながらの概念をとっぱらいたい。私が時短レシピや作り置きレシピを提案することで、男性にも女性にもそう認識してもらえるようになればいいなと思っています。本当に微力ですけど、少しでもお役に立てればうれしいです。
写真:高橋 しのの 文:室井瞳子
あおにーな's profile
安くて早くて美味しい、家族も家計も喜ぶレシピを多数発信。夫、大学生の息子、高校生の娘との4人暮らしで、料理歴は30年。2022年2月Nadia月間MVP、2023年2月Nadia月間動画賞を受賞。YouTubeチャンネル「あおにーな作りおきキッチン」が人気を集め、テレビや雑誌でも活躍。著書『1週間3000円作りおきレシピ』(KADOKAWA)も好評発売中!
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