料理経験はほとんどなかった私が料理研究家になるまで
料理を始めたのは26〜7歳の頃。実家暮らしだったこともあり、それまではほとんど自分で料理をしたことがありませんでしたが、ダイエットのために自分で料理を始めたのがきっかけです。経験がない割にほとんど料理の本なども見ずにオリジナルで料理を作っていたので、最初は失敗も多かったし、今考えるとすごい料理をたくさん生み出していました(笑)。
料理ブロガーとしてのキャリアをスタート
料理を始めて少し経った頃、ずっと好きでチェックしていた料理ブロガーさんがレシピ本を出版されたと聞き、こうやってブログなどで発信していくことで料理が仕事になるんだ! 私もやってみたい! と思い、2015年1月にブログを開設したんです。
私のブログは現在、1日2~3回更新を続けているのですが、まずはレシピの数を増やすことだと思い、最初の頃は1日に3回、4回と更新することも多かったです。
そうやって続けていると、ブログの読者の方との交流がどんどん増えますよね。自分が発信したレシピを、作ったよ! 美味しかったよ! と報告してくださる方の声が嬉しくて毎日更新しているうちに、いつの間にかここまで来たという感じです。
Nadia Artistとしてレシピ投稿し始めたのは、ブログ以外でも、レシピを発信していきたいと思ったのがきっかけ。もっと読者の方が、検索しやすい仕組みにしたい! と思い、サイトを立ち上げるか…と悩んでいました。
そんなとき、ブロガー仲間が「Nadiaの検索機能は使えるよ」と教えてくれたんです。レシピだけパッと見たい! という方のために...レシピを発信していきたいと思い、Nadia Artistとしてレシピを投稿するようになりました。
そのほかにもTwitterやInstagram、FacebookなどのSNS発信を毎日続けています。最近自分の中でアツいのはTwitterレシピです! 140文字という制限があるなかで、レシピとアピールポイントをまとめるのは本当に大変で、簡単そうに見えるかもしれませんが、意外と毎回頭を使うんです(笑)。
料理が苦手な人にも「やってみよう!」と思ってもらえるレシピを作りたい
私のレシピは、第一に再現性を重視しています。私の料理は誰でも食べやすい和食をベースにしています。身近な食材・身近な調味料を使い、できるだけ工程もシンプルに、分かりやすくすることを心がけています。
それは、自分がもともと全然料理をしなかったところから始めて、いろいろなレシピにチャレンジする中で、どんなレシピだったら、なにが解決できれば作りやすいかということが分かっているから。料理が苦手な人にも嫌いな人にも、「これなら作れるかも!」と思ってもらえるレシピを発信できることが自分の強みだと思っています。
ユーザーの気持ちに寄り添ったレシピを心がける
Nadiaでレシピを紹介する時は、ユーザーさんの使いやすさを一番に考えています。例えば、レシピタイトルは分かりやすくシンプルに。また、タイトルを見ただけで「絶対美味しい!」と思ってもらえるように考えています。昔は、「ポイントは◯◯」とか、「アレを使って」など、簡単な説明をタイトルの前につけていたんです。
引きがあるし、自分のレシピを見てもらうにはいい手法なのですが、検索をかけた時に切れてしまって、どんな料理か伝わりにくいため、最近は食材名や料理名を前に持ってくるようにしています。できるだけシンプルなタイトルにすることで、ひと目でどんな料理かを伝えることができます!
一方で、レシピの中では、できるだけ丁寧に解説を入れるようにしています。例えば、調味料の代用やめんつゆの濃度別などを注意書きを入れるなど、そのレシピで考えられるあらゆるパターンを想定して、レシピを書くようにしています。やはり、レシピを見た段階で、これがないから作れないとかちょっと解説が不親切だと、「作るのやめた」ってなってしまうので、「誰でも簡単に作れる!」という印象を与えて最初のハードルを下げるように工夫しています。
私のレシピに鶏むね肉やもやし、ひき肉など、身近な素材で作るものが多いのも、できるだけ多くの人に見てほしい、作ってみてほしいと思っているから。毎日の食事の中でよく使う定番の食材で、少しずつ味付けを変えて、飽きずに美味しく食べられるように工夫しています。
Nadiaのイチオシレシピ
私のNadiaイチオシレシピは感動の柔らかさ♪『むね肉deこくうま♡ガーリック醤油チキン』です。
揉んで焼くだけととってもシンプルなのに、むね肉が衝撃的に美味しくなるレシピです。調味料を少しずつ変えながら、何度も試作した思い出があります。昨年9月にアップしたレシピですが、今でも作ってくださる方が多く、「むね肉の可能性を感じた!」と言ってもらえるのがうれしい!
プロの方とのお仕事で自分の世界も広がった
初めてのレシピ本を制作したときは、ほとんど寝ずに料理をしたり校正をしたりと、本を作るのは、こんなにも大変なんだと思い知りました。プロのカメラマンさんや編集さんのお仕事を間近で見ることができたことも、とても勉強になりました。
また、Nadiaの料理学校である Nadia Food Academy(※)に参加したときも、講師のカメラマンの方にカメラの技術について教えていただいたくことができました。(※現在は実施しておりません)
普段は一人で料理して撮影してアップして…という作業がメインですが、料理研究家としてお仕事をする中で、あちこちに出かけたり、いろいろなプロフェッショナルの方と関わる機会を持つことができ、それがまた自分のブログ運営などにも還元されているのを感じます。
料理研究家のワークライフバランス
仕事とプライベートのオンオフがつけにくいというところは、この仕事の少し大変なところかもしれません。忙しい時期になると、試作・試食・試作・試食…の繰り返しで、自分がそのとき食べたいものを食べるということさえ難しくなってしまうことがあります。
それでもやはり、仕事の質を保つためにもプライベートも大事にしたいですよね。私の場合は、日が落ちたら料理はしないとか、事前にこの日は休むと決めて、優先順位をつけて仕事をこなすなど、毎日のスケジュールを調整するようにしています。オフの日には食べたいものを食べて、しっかり休む! それを徹底することで、またフレッシュな気持ちで料理に向き合うことができるようになるんです。
最近はなかなか時間が取れていないのですが、旅行や温泉に行くこと、本を読むことも大好きなので、そういう時間も捻出していきたいと思っています。
ファンの方へひとこと
いつもレシピを試してくださったり、温かいコメントをくださったり…本当にありがとうございます! みなさんの応援が、日々のレシピ開発の励みになっております。忙しくて、なかなかすぐにお返事ができないことが多いのですが、これからもどしどしコメントをお寄せいただけると嬉しいです! みなさんのコメントを読むのが、私の癒しの時間です♪
料理研究家になりたい!という方へひとこと
料理研究家になりたいけど、そんなに料理が上手じゃないし…という方! そんな方こそ、私は料理研究家に向いていると思います! 実は、私もとっても不器用だし、料理の知識はほとんどありませんでした(笑)。そこにあったのは”もっと知りたい”という好奇心だけ。得意じゃないからこそ、不器用だからこそ、ズボラだからこそ、料理が苦手な方に一番に寄り添うことができると思っています。
まずは、自分や身近な人のために美味しい料理を作りたいという気持ちが一番。それを追及していくことで、自然と結果はついてくるのではないでしょうか。
私も、ひとりでも多くの方を笑顔にできる料理研究家になりたい! という思いを糧に毎日頑張っています。毎日のお料理が億劫…家族が全然喜んでくれない…そんな方に、料理って簡単なんだ! 私でもできるんだ! と自信を持ってもらえるような活動をしていきたいです。
お気に入りのキッチングッズを教えてください!
私が普段愛用しているキッチンツールは、セリアの耐熱容器です。蓋をしたままレンジにかけられるので、ラップ不要で経済的! また、スタッキングできるのでかさばらず、収納もしやすいのでおすすめです。私はよく、野菜のレンチンや、蒸し鶏を作る際に活用しています!
写真:高橋 しのの
Yuu's profile
料理研究家、料理ブロガー。「楽うま♡ゆるメシ」をモットーに料理が苦手な方でも、ラクに楽しくなる料理を提案している。圧倒的な影響力を持つ料理インフルエンサーで、インスタグラムのフォロワー数は14万人でブログのアクセス数は月間180~200万PV。
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