とにかくりんごを楽しむためのお菓子、タルトタタン。1㎏近い量のりんご(4~5玉)使います。時間はかかりますが、コツがわかれば意外と簡単に作れます。 生地は手で作る方法、フードプロセッサーを使う方法(工程6~)、市販の冷凍パイシート(工程26~)を使う方法を載せていますので、ご自分に合った方法で作ってみてください。 生地は焼き縮みしやすいのであらかじめ焼いておく方法を取っています。
りんごは酸味があり、煮崩れしにくい紅玉が向いているといわれていますが出回る時季が短いので、ジョナゴールド、陸奥、あかね、ふじなどの他のりんごでも作れます。ペクチンの量が多いといわれるあかねやレッドゴールド、ふじを使うと失敗しにくいです。ですがそれよりも大事なのは新鮮なりんごを使うことです。時間がたってふかふかになったリンゴを使うと煮崩れてしまいうまくいきません。カラメリゼするときはりんごを必要以上に触らないこと、長時間煮込まない方が形よくきれいに仕上がります。
15cmのケーキ型(共底)にバター(分量外)を塗っておく。
カード(ドレッジ)でバターを細かく刻むようにして薄力粉をなじませていく。バターはよく冷えたものを使い、溶けないうちに手早く混ぜる。
バターの塊がなくなり全体に粉っぽくなったら手でこすり合わせるようにして、さらに薄力粉とバターをなじませていく。全体に黄色っぽくなりサラサラした状態になればOK。
卵黄と冷えた牛乳を混ぜ、3に加える。
ゴムベラで底から混ぜ、粉気がなくなり大きな塊がいくつもできているような状態になればOK(一まとまりになっていなくても大丈夫なので練りすぎない様に注意)
*フードプロセッサーをお持ちでしたら生地はフードプロセッサーを使うとあっという間に作れます。 まず薄力粉と砂糖➀、塩のみを入れてふるうような感じで回す。
次に角切りにした冷えたバターを入れて回す。
サラサラになったら冷えた牛乳と卵黄を入れてさらに回す。(写真は2倍の分量で作っているため卵黄1個入っています)
ある程度塊ができたらOK。
直径20cmくらいの円にナイフでカットする。 焼き上げてからピッタリの大きさにカットするので、ここではカットせずに伸ばした大きさのままで焼いてもOKです。
フォークで全体に穴をあける。
200℃のオーブンで20分焼く。 焼いている途中でいびつに膨らむようであれば、オーブンミトンをつけた手で生地の膨らみを抑えるとよい。 型の大きさに合わせてナイフで周りの余分な部分をカットする。完全に冷めてしまうと割れやすいので、温かいうちに。
*次にりんごを煮る。 りんごは4等分して皮をむき、芯を取ってさらに半分に切る。(1玉の8等分の大きさにする)
りんごの量が多いので2回に分けて煮る。砂糖➁の半量をフライパンに入れ、小さじ1/2の水(分量外)を入れて加熱する。
砂糖を加熱していくとだんだん茶色くなってきて煙が上がり始めるので、フライパンをゆすって全体が同じ色に色づくようにする。
食塩不使用バター➁の半量を加える。
りんごの半量を並べる。りんごから水分が出てくるまで中火にする。
しばらくするとりんごから水分が出て汁気が多くなってくるので、強火にする。 途中でりんごを裏返して全体にカラメル色になり煮詰まって汁気が減るまで火を通す。
オーブンを200℃に予熱する。 バターを塗った型にりんごを隙間ができないように並べる。並べ方に決まりはないので、できるだけ隙間なくきっちり詰めていく。特に上部や側面には穴が開かない方がきれいに見えるので並べ終わったら上からギューッと押さえるようにして詰め込む感じで。残った煮汁がゲル状に固まった物も一緒に入れます。
冷えたままでは出てこないので、温めた布巾で型の周りを覆ったり、ガスバナーで軽く温めたりして皿にひっくり返して取り出す。
こちらは紅玉で作ったもの。 さすがの紅玉!つやがよく酸味甘みともにしっかりとしてとても濃い味わいです。一切れの満足度が高い!!
こちらは「シナノスイート」というりんごで作りました。紅玉と比べると酸味が少なくまろやかな味わい。酸味が苦手な方はこちらの方が食べやすいかも。バニラアイスを添えると美味しそう♪
*冷凍パイシートを使用する場合 冷凍パイシートは冷蔵庫に移し30分ほど解凍する。(150g程度使用します) オーブンを200℃に予熱する。 めん棒で直径25cmくらいに伸ばす。
天板に載せて200℃のオーブンで20分~25分焼く。 焼き始めて10分ほどたつと膨らんでくるので網を載せてオーブンミトンを付けた手でその上から押さえて膨らみを抑える。そのまま網を載せて最後まで焼く。
焼きあがり。
型の大きさに合わせてナイフでカットする。
こちらはふじとジョナゴールド半々で作ったものです。 下はパイシートです。 食感が良く形よくできましたが、紅玉と比べると少し物足りない感じ。レモン果汁で酸味を補うのがよさそうです。 酸っぱいのが苦手ならかえってこちらの方があっさりして美味しいと感じるかもしれません。 サワークリームを添えると美味しそう♪
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2021/10/18 09:40
hoppe
料理研究家
六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。