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    • 公開日2016/04/02
    • 更新日2016/04/02

    バルサミコ酢や白ワインビネガーはこれで代用できる!基本調味料と「味」の話

    美味しそうな料理のレシピによく登場する「バルサミコ酢」や「白ワインビネガー」、じつは自宅にある調味料を混ぜるだけで作れてしまうんです。みりんや甜麺醤、豆板醤、マヨネーズの代用テクや、「味」を感じるメカニズムなど、とってもためになる調味料の話を管理栄養士の若子みな美さんが解説してくれます。

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    バルサミコ酢や白ワインビネガーはこれで代用できる!基本調味料と「味」の話

    「この料理美味しそう〜♡」と思い、レシピを見てみると材料欄に「バルサミコ酢」、「白ワインビネガー」、「甜麺醤」なんて記載されていて「わが家にはないし、1回のために買うのもな~…」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?

    でも、これらの調味料は基本の調味料があれば代用できてしまうんです! 今回は、お家にある基本調味料で、あんな味やこんな味を作ってしまう方法を紹介します。

     

    調味料は5つの味の組み合わせ

    私達が普段使っている調味料は、すべて「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つの味の組み合わせでできています。

    ですから、甘味である砂糖、塩味の塩、酸味の酢、うま味のしょうゆなどの、どこの家庭にもあるような調味料を組み合わることで、色々な調味料が作れるのですよ。

    また、調味料は食材と合わせて始めて意味を成します。「AとBを合わせてCになる」と言われて、作って舐めてみても「ん?」と思うかもしれませんが、料理に入れると、気にならなくなることが多いので、ご安心を。

     

    実践!あの調味料を再現しよう

     

    バルサミコ酢=ウスターソース+酢

    ウスターソースと酢を1:1で混ぜると、バルサミコ酢の味になります。ウスターソースには果物などが入っているので、バルサミコ酢のぶどうの風味に似た味になります。

     

    白ワインビネガー=酢+白ワイン

    レシピに「白ワインビネガー 少々」と記載してある場合は、酢のみで代用できます。白ワインが常備してある時は、酢1に対して少量の白ワインをプラスすることで白ワインビネガーの代わりになります。

     

    みりん=砂糖+酒

    砂糖と酒を1:2~3の割合で混ぜると、みりんが作れます。

     

    ポン酢=しょうゆ+酢+レモン汁

    しょうゆ:酢:レモン汁を、1:1:少々で合わせます。ポン酢の柑橘系の風味はレモン汁で代用します。ゆずぽんなどにしたいときは、柚子をプラスしましょう。

     

    甜麺醤に豆板醤、マヨネーズだって、代用できる!

    ●甜麺醤=味噌+砂糖+しょうゆ
    味噌:砂糖:しょうゆ=2:1:少々で混ぜ合わせます。甜麺醤はどこの家庭にもある材料で作れちゃうんですよ。

    ●豆板醤=味噌+ゴマ油+しょうゆ+唐辛子
    味噌:ゴマ油:しょうゆ:唐辛子=3:1:1:適量で混ぜると豆板醤に。唐辛子は輪切りでも良いし、一味唐辛子や七味唐辛子でもOKですよ。

    ●マヨネーズ=ヨーグルト+塩
    マヨネーズの味とは異なりますが、マヨネーズを使用する時に、ヨーグルトと塩で代用することで、さっぱりとした味わいになりカロリーも抑えられます。マスタードをプラスするのもオススメです。

     

    組み合わせて自分好みの味を

    今回紹介したのは、代表的なものです。ウスターソース+酢のバルサミコ酢も、自分好みに割合を変えてみたり、酢をすし酢にしてみたり、アレンジは無限大です。

    さらに、砂糖も上白糖や三温糖など、砂糖の種類によって、味がガラリと変わります。

     

    「味覚」の仕組みがわかれば、応用力があがる!

     

    私たちは5つの味の組み合わせで総合的に「味」を判断している

    人間の舌には「味蕾(みらい)」という味を感じるセンサーがついていて、ここで「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つの味を感じ取っています。そして、この5つの味をどのくらいずつ感じるか、で総合的に味を判断しているのです。

    この5つを頂点にした五角形のグラフを思い浮かべると、なんとなく想像できると思います。

     

    「香り」は味以上に重要な要素

    味覚とともに、いやそれ以上に重要なのは嗅覚で感じる香り(におい)です。鼻がつまっていると味を感じない、ということからもわかるように、嗅覚は味を感じる上で重要な要素。

    味覚で感じた味と鼻で感じた香りが、脳で統合されて1つの味と認識しているのです。

     

    「食感」を大事にする日本

    日本では味を判断する上で、食感に重きをおいています。「もちもち」「シャキシャキ」「ふわふわ」「とろとろ」などの食感に関する擬態語が多く、これらも味を表現する要素の1つになっていますよね。ちなみに、食感を味の1つとして考える国は珍しいんですよ。

     

    「辛い」は「痛い」

    唐辛子などの辛味は痛覚で判断しています。じつは「辛い」は味覚ではないんです。

    ただ、辛さを感じるものでも、他に味がないわけではないので、痛覚+味覚+嗅覚で1つの味として判断しているのです。

    料理に香辛料を入れると「深みが出る」と言われますが、これは味覚だけでなく、痛覚、嗅覚も総動員する「味」になるためなのです。

    いかがですか? 少し難しい話になってしまいましたが、「味」を感じるメカニズムに「なるほどな~」と思っていただければうれしいです。

    調味料は「味」を決める大事なものですが、その仕組がわかっていれば代用だってできてしまうんです。自分好みの調味量を作ったり、少ない調味料で料理上手になっちゃいましょう。

    【関連コラム】塩レモンの次はコレ!ポルトガルの万能調味料「マッサ」

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    このコラムを書いたArtist

    若子みな美
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    若子みな美

    管理栄養士・減塩料理家 レシピ開発、料理・美容・栄養など食に関する記事の執筆や監修、料理写真撮影、栄養計算などのお仕事をしています。 病院や学校給食に従事した経験を活かし、食に関してトータルコーディネートを行う。 『栄養バランス × 味 × 見た目』を3つが揃った減塩レシピ、時短簡単レシピの開発を得意とする。 見た目からの料理の美味しさを極めるため、祐成陽子クッキングアートセミナーへ通い、フードコーディネーターになるための知識・経験を得る。

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