「この料理美味しそう〜♡」と思い、レシピを見てみると材料欄に「バルサミコ酢」、「白ワインビネガー」、「甜麺醤」なんて記載されていて「わが家にはないし、1回のために買うのもな~…」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?
でも、これらの調味料は基本の調味料があれば代用できてしまうんです! 今回は、お家にある基本調味料で、あんな味やこんな味を作ってしまう方法を紹介します。
調味料は5つの味の組み合わせ
私達が普段使っている調味料は、すべて「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つの味の組み合わせでできています。
ですから、甘味である砂糖、塩味の塩、酸味の酢、うま味のしょうゆなどの、どこの家庭にもあるような調味料を組み合わることで、色々な調味料が作れるのですよ。
また、調味料は食材と合わせて始めて意味を成します。「AとBを合わせてCになる」と言われて、作って舐めてみても「ん?」と思うかもしれませんが、料理に入れると、気にならなくなることが多いので、ご安心を。
実践!あの調味料を再現しよう
バルサミコ酢=ウスターソース+酢
ウスターソースと酢を1:1で混ぜると、バルサミコ酢の味になります。ウスターソースには果物などが入っているので、バルサミコ酢のぶどうの風味に似た味になります。
白ワインビネガー=酢+白ワイン
レシピに「白ワインビネガー 少々」と記載してある場合は、酢のみで代用できます。白ワインが常備してある時は、酢1に対して少量の白ワインをプラスすることで白ワインビネガーの代わりになります。
みりん=砂糖+酒
砂糖と酒を1:2~3の割合で混ぜると、みりんが作れます。
ポン酢=しょうゆ+酢+レモン汁
しょうゆ:酢:レモン汁を、1:1:少々で合わせます。ポン酢の柑橘系の風味はレモン汁で代用します。ゆずぽんなどにしたいときは、柚子をプラスしましょう。
甜麺醤に豆板醤、マヨネーズだって、代用できる!
●甜麺醤=味噌+砂糖+しょうゆ
味噌:砂糖:しょうゆ=2:1:少々で混ぜ合わせます。甜麺醤はどこの家庭にもある材料で作れちゃうんですよ。
●豆板醤=味噌+ゴマ油+しょうゆ+唐辛子
味噌:ゴマ油:しょうゆ:唐辛子=3:1:1:適量で混ぜると豆板醤に。唐辛子は輪切りでも良いし、一味唐辛子や七味唐辛子でもOKですよ。
●マヨネーズ=ヨーグルト+塩
マヨネーズの味とは異なりますが、マヨネーズを使用する時に、ヨーグルトと塩で代用することで、さっぱりとした味わいになりカロリーも抑えられます。マスタードをプラスするのもオススメです。
組み合わせて自分好みの味を
今回紹介したのは、代表的なものです。ウスターソース+酢のバルサミコ酢も、自分好みに割合を変えてみたり、酢をすし酢にしてみたり、アレンジは無限大です。
さらに、砂糖も上白糖や三温糖など、砂糖の種類によって、味がガラリと変わります。
「味覚」の仕組みがわかれば、応用力があがる!
私たちは5つの味の組み合わせで総合的に「味」を判断している
人間の舌には「味蕾(みらい)」という味を感じるセンサーがついていて、ここで「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つの味を感じ取っています。そして、この5つの味をどのくらいずつ感じるか、で総合的に味を判断しているのです。
この5つを頂点にした五角形のグラフを思い浮かべると、なんとなく想像できると思います。
「香り」は味以上に重要な要素
味覚とともに、いやそれ以上に重要なのは嗅覚で感じる香り(におい)です。鼻がつまっていると味を感じない、ということからもわかるように、嗅覚は味を感じる上で重要な要素。
味覚で感じた味と鼻で感じた香りが、脳で統合されて1つの味と認識しているのです。
「食感」を大事にする日本
日本では味を判断する上で、食感に重きをおいています。「もちもち」「シャキシャキ」「ふわふわ」「とろとろ」などの食感に関する擬態語が多く、これらも味を表現する要素の1つになっていますよね。ちなみに、食感を味の1つとして考える国は珍しいんですよ。
「辛い」は「痛い」
唐辛子などの辛味は痛覚で判断しています。じつは「辛い」は味覚ではないんです。
ただ、辛さを感じるものでも、他に味がないわけではないので、痛覚+味覚+嗅覚で1つの味として判断しているのです。
料理に香辛料を入れると「深みが出る」と言われますが、これは味覚だけでなく、痛覚、嗅覚も総動員する「味」になるためなのです。
いかがですか? 少し難しい話になってしまいましたが、「味」を感じるメカニズムに「なるほどな~」と思っていただければうれしいです。
調味料は「味」を決める大事なものですが、その仕組がわかっていれば代用だってできてしまうんです。自分好みの調味量を作ったり、少ない調味料で料理上手になっちゃいましょう。