給食の味、覚えていますか?
「今日の給食美味しかった~♪」と子どもに言われると、「私も久しぶりに給食が食べたいな~」と思ったこと、ありませんか? 給食の味は、大きな釜で何百人分も一気に作る「大量調理だからできるワザ」ではありますが、それでもお家で給食の味を再現することはできます!
今回は、ご自宅で簡単にできる「給食の味に似せるコツ」とともに、給食味を再現したレシピをご紹介します。
おいしいだけじゃない、給食をマネしたい理由
給食には家庭料理でもマネしたい、いい点がいっぱい!
たとえば、給食は美味しいのはもちろん、子どもの1日に必要な栄養素の約1/3量が摂取できるように、栄養バランスにも考慮して作られています。
さらに、最近では地産地消を推進する献立や、海外の姉妹都市のメニューを取り入れた献立が採用されるなど、メニューも幅広いものになっていて、時代とともに日々変化しています。
まずは、家庭でもぜひ覚えておいていただきたい、給食でよく使われる食材と、子どもが喜んで食べる味付けのコツを給食センターで働く管理栄養士が、少し紹介しますね。
給食によく登場する食品 その①大豆
大豆は『畑の肉』とも言われ、タンパク質が豊富に含まれているので、成長期の子ども達が食べる給食によく使われています。
また、食物繊維が豊富に含まれているのも大豆の特徴。
最近は、どんな年代の人でもジャンクフードや加工食品の摂取量が増え、野菜の摂取量が下がっているので食物繊維の摂取量も減っています。
給食では、できるだけ食物繊維が摂れるように、野菜はもちろん、大豆製品も頻繁に使うようにしているんです。
まだまだすごい!大豆パワー
大豆はタンパク質や食物繊維だけでなく、身体にとって嬉しい様々な栄養素が含まれています。
●大豆に含まれている栄養素
イソフラボン:女性ホルモン『エストロゲン』類似作用、美肌・美髪つくり、自律神経安定作用など。
大豆サポニン:血中脂質バランスの正常化、動脈硬化予防など。
大豆レシチン:細胞の生まれ変わりに関与、 血液サラサラ効果など。
大豆や大豆加工品は、子どもだけでなく大人も積極的に摂りたい食品です!
給食でよく使われる食品 その②ツナ
ツナ缶は、学校給食だけでなく病院給食でもかなりの頻度で登場します。サラダだけでなく、和え物や煮物にもよく入っているんですよ。
ツナ缶の多くはマグロかカツオで作られているので、タンパク質が豊富です。
給食などの大量調理の現場では、生肉などの生鮮食品は下ごしらえが大変なため、あまり使えません。そのため、加工されているツナ缶が重宝されるのです。
また、ツナ缶は魚臭さもあまりなく、色々な料理に合うということも使いやすさの1つです。
栄養面でもツナパワーはすごい
実は、ツナ缶もタンパク質だけでなく栄養価の高い食品。
カロリーが気になる場合は、油をよく切って使用すれば、全く問題ありませんよ。
●ツナ缶に含まれている栄養素
EPA:血液サラサラ効果、アレルギーや花粉症の改善、中性脂肪排出など。
DHA:血液サラサラ効果、うつ症状の緩和など。
鉄分:貧血予防など。
ただし、マグロは水銀濃度が高めなので、妊娠中や授乳中の方は、週に2缶ほどにしましょう。
給食の味付けのコツ その①とにかく甘くする
給食の味付けの基本は『甘く』することです(笑)。
これは、小学生(もしくは幼稚園や保育園の子どもたち)でも食べられるように作られているからです。香辛料などは、ほとんど使いません。
煮物などの多くは、だし汁+しょうゆ+みりん+砂糖で味付けされています。
給食の味付けコツ その②具だくさんにする
給食は大きな釜で作るので、色々な具を入れています。でも、この具だくさんにすることで、少ない調味料でも美味しくできるんです。自宅作る煮物や汁物も、できるだけ具だくさんにすることで、色々な味が出て、美味しくなりますよ。
また、味噌汁や煮物などにはかなりの確率で昆布が入っていることが多く、この昆布がいい役割をしています。だし汁(カツオ)に入っている、うま味成分イノシン酸と、昆布のうま味であるグルタミン酸の相乗効果でうま味が強くなっているんです!
煮物を作る際には、ぜひ昆布を足してみてくださいね!
給食の味をリアルに再現!「懐かしい味。簡単豆じゃが。」のレシピ
今回紹介した給食の味付けをもっと手軽に再現したいときは、ぜひこのレシピを作ってみてください。
「懐かしい味。簡単豆じゃが。」は、給食の材料と味をできるだけ再現していますよ♪