【目次】
1. 薄力粉と小麦粉って同じなの?
2. 薄力粉・中力粉・強力粉はそれぞれ代用できる?
3. 薄力粉は片栗粉・米粉・天ぷら粉でも代用できる?
4. 薄力粉と強力粉の見分け方
1. 薄力粉と小麦粉って同じなの?
パン、うどん、ケーキなど、私たちの身近な食材の原料となっている小麦粉。日常に小麦粉を使った製品はたくさんありますが、薄力粉や強力粉といった小麦粉の種類によってそれぞれ性質や用途が異なります。このコラムでは、意外と知らない小麦粉の種類と使い分け、代用などについて詳しく解説します。
小麦粉は、小麦から作られた粉類の総称です。小麦粉に含まれるグルテン(タンパク質)の含有量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分類されています。薄力粉は小麦粉の一種であり、同じものだと言えます。
薄力粉はグルテンの量が最も少なく、次に多いのが中力粉、一番グルテンの量が多いのが強力粉です。グルテンの量が増えるにつれて粘りが強くなっていきます。
薄力粉はグルテン含有量が6.5~9.0%前後と少ないため、粘りもあまりありません。粒子が細かくふわっと仕上がるので、スポンジなどお菓子全般に向いています。菓子パンなど軽い食感に仕上げたいパンは、強力粉の一部を薄力粉にして作ることもあります。粒子が細かいためダマになりやすいので、粉ふるいなどでふるってから使うことが多いです。
中力粉のグルテン含有量は7.5〜10.5%前後。適度な弾力があるので、主にうどんなどコシのある麺類に使われています。
強力粉はグルテン含有量が11.5〜13.0%前後と最も多く、水を加えてこねると弾力が出ます。生地がよく伸びて膨らむので、パンやピザなどに使われています。(※1)
ちなみに、小麦粉とよく似た粉類の片栗粉は、ばれいしょ(じゃがいも)のでん粉で作られており、小麦粉ではありません。
※1 農林水産省「麦の参考資料」
2. 薄力粉・中力粉・強力粉はそれぞれ代用できる?
小麦粉を何種類も用意するのは大変ですよね。ここでは、それぞれ別の料理でも代用できるのかを解説します。
薄力粉を切らしてしまったとき、ムニエルや唐揚げなど、少量を使う場合は中力粉や強力粉で代用できます。ただし、クッキーやマフィンなどを中力粉や強力粉で作ると、重たい食感になったりかたくなったりしやすいので気をつけてください。
中力粉の代わりは、薄力粉と強力粉を混ぜたもので代用できます。割合は半量ずつが目安です。
強力粉については、薄力粉同様、少量であれば中力粉で代用できます。量が多くなると食感が変わってしまうのでご注意くださいね。
3. 薄力粉は片栗粉・米粉・天ぷら粉でも代用できる?
一般家庭にある小麦粉は薄力粉が多いと思います。唐揚げや天ぷらなどを作るときに薄力粉を切らしてしまっていた…というときは、ほかの粉類で代用してみましょう。
(1)片栗粉
ホワイトソースのとろみづけや唐揚げの衣などに使う場合は、片栗粉で代用できます。揚げ物の衣に使うとカリッと仕上がりますが、色は白っぽくなります。
(2)米粉
片栗粉同様、ホワイトソースのとろみづけや唐揚げの衣などに代用できます。サラサラとしているので、衣に使うと薄づきになります。また、クッキーやマフィンなどのお菓子に使うこともできます。
(3)天ぷら粉
小麦粉にでんぷん、卵、ベーキングパウダーなどが混ざっているのが天ぷら粉です。唐揚げに使うとサクサクした食感になります。砂糖や卵を加えるとマフィンなどのケーキも作ることができます。
4. 薄力粉と強力粉の見分け方
薄力粉と強力粉を袋から出してしまうと、見分けがつかないですよね。そんなときは手で粉をギュッと握ってみてください。手の跡がしっかり残るのが薄力粉です。
一方、強力粉は塊にならず、崩れます。薄力粉は強力粉に比べると粒のキメが細かく、しっとりとしています。
<薄力粉>
<強力粉>
今回は、小麦粉の違いについてご説明しました。小麦粉といってもそれぞれ特徴や適した料理が異なります。用途に合わせて小麦粉を使い分けてみてくださいね。