小麦粉って何を使っていますか? きっと多くの方が薄力粉を使っていると思います。パン作りが好きな方は強力粉も常備しているはず。でも、ひと言で小麦粉と言っても、薄力粉、中力粉、強力粉とあり、それぞれに違いがあるんです。そこで今回は、意外と知らない小麦粉の種類について解説します。
日本人は小麦粉をどのくらい食べている?
日本人の主食と言えば、お米ですよね。では、お米と比べて小麦粉ってどのくらい食べられているのでしょうか?
農林水産省 平成27年度 食料需給表によると、国民1人あたりの1年間小麦消費量は33kg、米は55kgです。こう聞くと、小麦粉をけっこう食べているということがわかります。
小麦粉はパンや麺だけでなく、お菓子や加工食品などの食品にも使われているので、知らないうちに食べていることも多いんです。
そんな小麦粉ですが、多くは輸入されていて、国内産小麦粉は約15%。残りはアメリカやカナダ、オーストラリアなどから輸入しています。
小麦粉はタンパク質によってわけられる
小麦粉には大きく分けて、強力粉、中力粉、薄力粉があり、これらは使用する小麦の種類によって分けられます。
小麦は、硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦に分けられますが、これらはタンパク質の含有量が異なります。硬質小麦ほどタンパク質含有量が多く、中間質、軟質となるにつれ、タンパク質含有量が少なくなります。
タンパク質含有量が違うと何が起きる?
小麦のタンパク質含有量は、グルテンの形成力を左右します。小麦に含まれるほとんどのタンパク質が、グルテンを形成する【グリアジン】と【グルテニン】です。そのため、タンパク質の多い硬質小麦を使用した強力粉の方がグルテン形成力が強く、パンを作るのに適しているということです。
使用用途を大きく分けると、
強力粉・・・パン、ピザなど
中力粉・・・うどんなど
薄力粉・・・ケーキ、お菓子など
というようになります。
小麦粉の等級はどのように決まるのか
小麦粉には一等、二等などというように等級があります。等級は灰分(ミネラル分)の量によって決まり、灰分が少ないほど等級が高くなり、綺麗な白色の小麦粉になります。
全粒粉やデュラムセモリナ粉も小麦粉
最近人気の全粒粉とは?
全粒粉とは小麦を丸ごと粉にしたものです。通常の小麦粉は、表皮や胚芽を取り除いて、小麦の【胚乳】だけを粉にしています。表皮や胚芽は家畜の飼料などに使われているのですが、この部分にもたくさんの栄養成分が詰まっているため、小麦を丸ごと粉にした全粒粉は、通常の小麦粉と比較して栄養価が高いんです。
パスタやマカロニはデュラムセモリナ粉
パスタやマカロニに使用する小麦粉は、デュラムセモリナという小麦粉です。タンパク質含有量が多く、胚乳が黄色みがかっているのが特徴です。パスタやマカロニが黄色いのは、このデュラムセモリナの胚乳の色からです。
料理によって使い分けたい小麦粉
いかがでしたか? 小麦粉の分類について解説しました。一般的には薄力粉があれば、ほとんどの料理を作ることが出来ます。パン作りに挑戦するなら強力粉、うどんの手打ちなら中力粉と、料理によって使い分けてくださいね。
また、いつもの唐揚げを強力粉で作ってみたり、パン作りに強力粉と薄力粉をブレンドしたりと、アレンジも自由自在ですよ。ぜひ、毎日の料理に活用してみてくださいね。
出典 農林水産省 平成27年度 食料需給表
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/
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