日本三大銘茶のひとつ、狭山茶
昔から日本人になじみの深いお茶。栽培地は全国各地に広がりますが、中でも狭山茶は「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と言われるように、日本三大銘茶のひとつとして知られています。
私は埼玉県在住ということもあり、狭山茶はとても身近な存在。特に、狭山茶の栽培が盛んな日高市・飯能市方面へ足を延ばすと、スーパーだけでなく、ホームセンターの入り口に地元野菜と一緒に狭山茶が売られていたり、テーマパーク内に狭山茶の量り売りの出店があったりと、日常生活に狭山茶が自然と溶け込んでいる印象です。あちこちから漂ってくるお茶の爽やかな香りに引き寄せられて、私自身もお土産に茶葉を買ったり、娘と一緒に抹茶ソフトを食べたりと、狭山茶の美味しさを堪能しています。
狭山茶の魅力は、独特の加工法「狭山火入れ」によって生まれる力強い味わいと香ばしさにあります。「狭山火入れ」とは、お茶の仕上げ段階で熱を加えることにより、乾燥を十分に行って貯蔵性を高めるとともに、加熱することによって香りや風味を向上させる工程でもあるのです。
狭山茶の美味しさの秘訣はそれだけではありません。
お茶はもともと温暖な場所に生息する樹木なので、寒さが苦手。ほかのお茶の産地よりも冷涼な土地にある狭山茶産地は、品種改良を重ね、寒さに強く、厳しい気候条件のもとでも育つ肉厚の茶葉を育ててきました。冬の間は茶樹を十分に休ませることもできるため、甘く濃厚でコクのあるお茶になるというわけなのです。
狭山茶にはいろいろな品種があります。私は「さやまみどり」という品種が特にお気に入り。ネーミングに親近感を抱いて思わず手に取ってしまったのですが(笑)、深く安らぐような香りとほどよい苦み、すっきりとした味わいが楽しめます。ほっとひと息つきたい午後のティータイムなどに、丁寧にお茶を淹れてリフレッシュしています。
茶葉は料理やスイーツにも使える
「茶葉を買っても実は使い切れなくて…」という方も、意外と多いかもしれませんね。でも、飲みきれなかった緑茶や紅茶は、ソースやドレッシングに活用したり、肉などの煮込み料理に使ったりできますよ。もちろんスイーツにも!
また、茶葉を食べることによって、お茶として飲むだけでは十分に摂取できない食物繊維などの栄養素も摂ることができます。茶葉をお米と一緒に炊くといつものご飯も香り豊かに仕上がりますし、お茶がらを炒ってふりかけにすればご飯のお供にぴったり!
アイデア次第で無駄なく美味しく食べきることができますよ。
簡単!狭山茶を使ったおすすめ料理&スイーツレシピ
ここからは、私のお気に入りの狭山茶レシピをお茶の種類ごとにご紹介したいと思います。特に難しい工程もなく、普段の食卓に取り入れやすいアレンジですので、参考にしていただけるとうれしいです。
煎茶アレンジ「緑茶香る爽やかてまり寿司」
お米と煎茶を一緒に炊いて作る、爽やかな香りが楽しめるてまり寿司です。茶葉の栄養を丸ごと摂取できますし、緑茶の香りが魚の臭みを消してくれるので、さっぱりと食べられます。
サーモンや生ハムなどをのせると、おうちパーティーやおもてなしにもぴったりの華やかな雰囲気に仕上がります。茶葉はなるべく細かく砕いて炊くのがポイントです。お米になじんで食べやすくなりますよ。
●詳しいレシピはこちら
『緑茶香る爽やかてまり寿司』
抹茶アレンジ「抹茶と豆腐のヘルシーレアチーズケーキ」
絹ごし豆腐とクリームチーズ、抹茶を合わせ、ゼラチンで固めた爽やかなデザートです。豆腐を使うのでヘルシーですし、甘さを控えめにしてあるので、後味にふわっと抹茶のほろ苦さが感じられます。お好みで生クリームやあんこ、黒蜜などをかけても美味しいですよ。
茶葉を乾燥させ粉末状にした抹茶はいろいろな料理やお菓子に使いやすいです。料理初心者さんにもおすすめです。
●詳しいレシピはこちら
『抹茶と豆腐のヘルシーレアチーズケーキ』
紅茶アレンジ「紅茶ソースの照り焼きチキン」
こんがりと焼いた鶏もも肉に、紅茶液とはちみつ、醤油、バルサミコ酢を合わせたソースを絡めて照り焼きチキンにしました。定番の照り焼きチキンも、紅茶液をベースに使うことで、ちょっぴりおしゃれに、上品で香り豊かに仕上がります。しっとりとやわらかく、パンにもご飯にも良く合いますよ。
紅茶液は普段飲むものより濃いめに抽出するのがポイント。紅茶の風味が際立ちます。
●詳しいレシピはこちら
『紅茶ソースの照り焼きチキン』
ほうじ茶アレンジ「薬味たっぷり!さば缶の冷やしほうじ茶漬け」
ご飯にさば缶とみょうがやしょうがなどの薬味をたっぷりとのせ、冷やしたほうじ茶をかけて食べるお茶漬けです。ほうじ茶の香ばしさがさば缶の臭みを取ってくれるので、さらさらっとかき込めるおいしさ。薬味の風味が食欲をそそり、夏におすすめのアレンジですよ。
夏はしっかりと冷やしたほうじ茶がおすすめですが、冬場は温かいほうじ茶でも美味しいですよ。
●詳しいレシピはこちら
『薬味たっぷり!さば缶の冷やしほうじ茶漬け』
狭山茶レシピコンテストもチェック!
お茶を使って料理やスイーツを作るのはハードルが高いと思われるかもしれませんが、先ほどご紹介したレシピのように、お茶を料理に取り入れるのは意外と簡単なのです。難しく考えずに、いつもの料理に気軽にプラスしてみてほしいです。
現在「狭山茶レシピコンテスト」も開催中。新しい美味しさを発見したり、素敵なアイデアを思いついたりしたら、ぜひレシピコンテストに投稿してみてくださいね。
●狭山茶レシピコンテストの詳細はこちらから
編集協力:埼玉県