長いもの特徴と栄養価
長いもはヤマノイモ科の一種で、他にも大和いも、つくねいも、自然薯(じねんじょ)などがあり、これらを総称して「ヤマノイモ」と呼びます。
「ヤマノイモ」にはでんぷん分解酵素のジアスターゼが豊富に含まれているため、イモ類の中で唯一、生で食べることができます。
「ヤマノイモ」の中で、一番収穫量が多く、広く流通しているのが長いもです。長い棒状で水分が多く、シャキシャキした歯ごたえが特徴です。独特の粘り成分はムチンと呼ばれる水溶性食物繊維で、胃の粘膜を保護し、たんぱく質の消化吸収を助けます。ほかにも、ビタミンB群やビタミンC、カリウムなどを豊富に含んでおり、中国では漢方薬に用いられるほど栄養価に優れています。
また、サポニン・アルギニンと呼ばれる、免疫力UP効果も期待できる成分が含まれているので、これからの季節、風邪予防のためにも積極的に食べたい野菜です。
選び方&保存のポイント
長いもを丸ごと一本買う時は、ずっしりと重く、太さがなるべく均一のものを選ぶようにしましょう。皮の表面がでこぼこしておらず、ひげ根の部分が黒ずんでいないものが良品とされるので、この点も併せてチェックしましょう。
すぐに使わない場合は、新聞紙で包んで冷暗所で保存しましょう。丸のままであれば一週間ほど保存できます。
カットされたものを購入する際は、断面が変色しておらず、白くてみずみずしいものを選びましょう。
使いかけのものを保存する際には、切り口が乾かないようにラップできっちり包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ただし、水分が多く傷みやすいので、2日以内をめどにに使い切るようにしましょう。また、すりおろした状態であれば、冷凍保存もできます。
このように、すりおろしたものを保存袋や保存容器に入れて冷凍します。使いたい時には自然解凍で調理します。
すりおろした状態で冷凍しておけば、とろろごはんはもちろんのこと、お好み焼きやパンケーキのつなぎにもすぐに使えてとても便利ですよ。
身近な調味料でぬめり&かゆみ予防!
長いもを調理している時やとろろを食べた時に、手や口のまわりがかゆくなったことはありませんか? これは、長いもに含まれるシュウ酸ナトリウムという成分が原因です。針状にとがった結晶をしているので、肌に付くとチクチクしてかゆくなるというわけなんです。
これを予防するのに効果的なのが、なんと「お酢」なんです!長いもを調理する前に手を酢水で洗ったり、肌に付いてしまったら酢水でふき取るとかゆみがおさまりますよ。
また、長いもを酢水に5~10分ほど漬けてから皮をむくと、ぬめりが軽減して扱いやすくなりますのでお試しください。
調理法で食感はアレンジ自在!
長いもはすりおろしたり加熱したりすることで食感が変わるのも魅力のひとつですよね。ここでは、調理法別のおすすめレシピをご紹介します。
●すりおろしてトロトロに!
定番の調理法といえば、やはりすりおろしてご飯にかける「とろろごはん」ですよね。長いもに含まれる消化酵素は加熱により軽減するので、胃腸の調子を整えるには生のまま食べるのが一番効果的です。
我が家では、すりおろした長いもに少量の出汁と酒、醤油を加えて味付けしています。食欲がない時でもとろろごはんにすると食べやすく、卵や薬味をトッピングすれば栄養バランスもばっちり!
●つなぎに入れてモチモチに!
すりおろした長いもをお好み焼きやパンケーキのつなぎに入れると生地がモチモチとした食感に仕上がります。
我が家ではパンケーキに入れて朝食やこどものおやつに活用しています。モチモチの食感はこどもにも人気です。
●細切りでシャキシャキに!
生のまま、細切りや拍子木切りにすると、シャキシャキした食感が楽しめます。そのまま醤油やポン酢をかけるだけでも美味しい副菜になります。
さらにオクラや納豆など、ネバネバ食材を組み合わせると、より一層栄養バランスのとれた副菜に! ごはんにかけたり、麺類に絡めて食べても美味しいですよ。
●焼いてサクサクに!
輪切りにしてフライパンでじっくりソテーすると、表面はこんがり、中心部分は少し半生で、サクサクとした食感が楽しめます。長いも自体が淡白な味わいなので、ベーコンやきのこ類など旨味の強いものと一緒に炒めると飽きずに最後まで美味しく食べられます。
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●油で揚げてホクホクに!
乱切りにした長いもに醤油やしょうがのすりおろしで下味を付けて、衣をつけて唐揚げにすると、ホクホクの食感に仕上がります。加熱すると消化酵素は減少しますが、ホクホクの食感はやみつきになる美味しさ! ビールのおつまみにも最適ですし、こどもにも人気の調理法です。
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いかがでしたか? 長いもは栄養価が優れているだけではなく、調理法によって食感が自由自在にアレンジできるとても便利な野菜です。お好みの調理法を見つけて、毎日の食卓に積極的に取り入れてみてくださいね。