料理は自由研究のテーマにぴったり!
夏休みの宿題の中でも、頭を悩ませがちな自由研究。もし、まだ何をするか決まっていないのなら、料理をテーマにしてはいかがでしょうか?
「料理は科学」と言われることもあるように、料理には理科の実験的要素がたくさん含まれており、研究テーマにぴったり。しかも、子どもにとって食べ物はとても身近なものなので興味が湧きやすく、取り組みやすいです。
今回は、作業時間が20分以内、少ない材料でできて、しかも、あとで美味しく食べられる自由研究のテーマをご紹介します!
<その1>色が変わる!カレー焼きそば
カレー粉の色素が、酸性・アルカリ性で変色することを目で確かめる研究です。同様に色素の変化を見る実験では、紫キャベツの煮汁を使ったものが有名ですが、カレー粉ならそれよりもお手軽に実験できます。
【材料】
焼きそばの麺(「かんすい」が入っている麺) 1袋
水 1/2カップ
カレー粉 小さじ1/4~1/2
ウスターソース 大さじ1
【作り方(研究の仕方)】
1.フライパンに焼きそばと水を入れて火にかけ、麺をほぐします(かんすいが溶け出てくるように、水を加えています)
2.水が白くにごってきたら、カレー粉を加えます。しばらく加熱していると、黄色のカレー粉がケチャップのように赤色に変わってきます!
3.続いてウスターソースを加えると、カレー粉は赤色から元の黄色に戻ります!
研究のあとの麺は、肉野菜炒めをのせて、美味しいカレー焼きそばとして食べられますよ!
カレー粉は小さじ1/2だとけっこうピリ辛味になるので、低学年のお子さんには控えめにするなど調整してくださいね。
なぜカレー粉の色が変わったのか?
カレーの黄色は、クルクミンという色素によるもの。クルクミンは、酸性~中性では黄色になり、アルカリ性では明るい赤色に変化する性質があります。
一方、焼きそばの麺には、独特のコシを出すために「かんすい」という物質が使われています。このかんすいがアルカリ性を示すので、クルクミンが赤色に変色するのです。
一方、ウスターソースは酸性なので、アルカリ性が中和されて、元の黄色に戻るというわけです。
<その2>冷凍庫不要!はちみつミルクアイス
氷と塩を使ってアイスクリームを作る研究は、子どもたちに大人気。アイスクリームは卵や生クリームなど、たくさんの材料が必要なので、ちょっと面倒だなという人のために、もっと手軽にアレンジしました。
このレシピなら、材料は牛乳とはちみつだけ!泡立てなどの手間も不要なのでとても楽チンです。
牛乳をそのまま凍らせると、ジャリジャリの食感になりますが、このアイスはびっくりするほどなめらかな食感になりますよ。
実は、給食のない夏休みは、子どもたちのカルシウムが不足すると言われています。給食がない日はある日に比べ、カルシウム摂取が約4分の1だったという調査報告もあります。
※独立行政法人 日本スポーツ振興センター「平成22年度 児童生徒の食事状況調査報告書」
自由研究をしながら、牛乳を美味しく摂取し、カルシウム補給もしてしまいましょう!
【材料】
牛乳 200㏄
はちみつ 大さじ2
氷・塩 適量(氷:塩=5:1ほど)
【作り方(研究の仕方)】
1.耐熱容器に、牛乳50㏄とはちみつを入れて、レンジ500wで約40秒ほど加熱し、はちみつを溶かす。溶けたら残りの牛乳も加え混ぜる
2.ジッパー付きの袋に入れて空気を抜きながらジッパーをしめる(薄めの袋なら2枚がさねに)
3.一回り大きいジッパー付きの袋に氷を半分ほど入れて、塩を入れて揉みながら軽く混ぜる(氷:塩が5:1くらいの分量です)
4.3に2を入れて、ジッパーをしっかりしめる
5.4をタオルでくるんで(すごく冷たくなるので、必ずくるんでください)、ふったりもんだりすると、5~10分ほどでアイスクリームが完成
しっかりふると、このようななめらかなアイスになりますよ。
なぜ氷と水でアイスができるのか?
細かくいうととても難しいので簡単に説明します。
氷は溶けて水になる時に、周りの熱をうばって、温度を下げます。塩は氷が溶ける速度を早くするという性質があるので、氷に塩をかけると、どんどん溶けて、周りの熱を奪うので、温度は0度よりももっと低くなっていきます。
また、塩が水に溶ける時にも、周りから熱を奪います。氷が溶けて水になると塩がこの水に溶けますよね。その時にも温度がさらに下がっていくことになります。
その2つの作用で、袋の中は0度よりもずっと下がっていき、短時間で牛乳が凍りアイスができるのです。
<その3>重曹で作る!エアインチョコ
重曹に熱を加えると、泡が発生することを利用し、エアインチョコを作る研究です。重曹のこの働きを利用したものには、蒸しパンやカップケーキなどもあります。
蒸しパンやケーキを作るのは、ちょっとハードルが高いな……というご家庭でも、エアインチョコなら、材料も少なく、作業も簡単なのでおすすめですよ。
【材料】
チョコレート 60g
重曹(食用) 小さじ1/3
水 小さじ1/3
【作り方(研究の仕方)】
1.チョコレートは小さく割って耐熱ボウルに入れ、湯煎にかけてよく溶かす
2.重曹と水を混ぜる
3.2を1に加えて、ざっくり混ぜる(混ぜすぎないよう注意)
4.電子レンジ500wで約30秒加熱します
すると、ぷくーっとふくらむので、そのまま混ぜないようにし、冷蔵庫で冷やし固めます。
冷やすときに、小さなシリコンカップなどに移して、一口サイズにしてもいいですね。カップに移すときにチョコをぎゅうぎゅうに詰め込むと泡が潰れてしまうので、そっと入れてください。
サクサク食感のエアインチョコのでき上がり!子どもたちも喜びますよ!
※重曹が多くなると苦味が強くなるので、重曹の分量はこれ以上増やさないでください。
どうしてエアインチョコができたのか?
重曹は炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)という物質です。
重曹を加熱すると、
2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2
という反応がおき、二酸化炭素(CO2)が発生します。
温めたチョコレートの中に重曹を入れることで二酸化炭素が発生し、これが泡となってチョコレートの中に広がります。その状態で冷やすので、泡がチョコレートに閉じ込められたまま固まり、サクサク食感のエアインチョコになります。
研究を通して、子どもたちの食への関心を高めよう
いかがでしたか?
作業はとても簡単で、材料も身近なものばかり、そのうえ美味しく食べられるといううれしい自由研究。作業自体は簡単ですが、考察を深めれば、高学年の自由研究としても充分ものになります。
楽しく研究できて、子どもたちの食への興味も増したら、良いことづくし。夏休みの自由研究は、ぜひ料理を題材にチャレンジしてみてくださいね。
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編集協力:糸井朱里