チョコレートに含まれるカカオバターを分解し、安定した細かい粒子に結晶させて融点を同じにするための温度調整となるテンパリングの手順を解説します。
チョコレートの種類による温度の違い
チョコレートの種類によって溶解温度、下降温度、調整温度が異なります。
・ホワイトチョコレート溶解(40~45℃)、下降温度(26~27℃)、調整温度(29℃)
・ミルクチョコレート溶解(45~50℃)、下降温度(26~28℃)、調整温度(29~30℃)
・スイートチョコレート溶解(50~55℃)、下降温度(26~27℃)、調整温度(31~32℃)
・テンパリングを失敗すると、見た目が白っぽくつやがなく、口解けが悪くなります。清潔なボウルを使い、水や油が入らないよう細心の注意を払いましょう。
・部屋が暖かすぎるとテンパリングがうまくいかないので、チョコレートを扱うときは涼しい部屋で作業しましょう。
使用する材料と道具
・お好みのチョコレート
・温度計、湯せん、パレットナイフ(又はㇲケッパー)、水の入ったボウル
テンパリングの手順
1.湯せんを準備します。安定した鍋に60度程度のお湯をたっぷりと張ります。(通常の湯せんより高めなのがポイント)
ボウルを乗せて底が湯に浸るくらいの量にしましょう。ボウルに水(水道からのものでよい)を用意します。
湯せんより一回り大きなボウルにチョコレートを入れ、湯せんにかけます。全体がなめらかに溶け、それぞれの溶解温度になるまで湯せんにかけます。
2.目指す溶解温度に達したら、水を張ったボウルに底を浸けて、時折温度を下降させます。このとき、湯せんのお湯や水が入らないように注意します。
3.目指す下降温度に下がったら、再度湯せんのボウルに短時間付け、調整温度になるまで待ちます。目的の温度になったら湯せんから外し、パレットナイフに薄くチョコレートを付け、固まるまでそのまま待ちます。テンパリングがあっていれば、室温でも固まってきます。
4.テンパリングが外れていたら、再度溶かす工程からやり直します。
テンパリングが外れたチョコレートが作業中に固くもったりとしてきたら湯せんに軽く付けて作業しやすい固さまで温めます。
ここで温めすぎるとテンパリングを外してしまうので注意しましょう。
チョコレートを扱う際のポイント
*使う道具は必ず汚れ、油、水分などのついていない清潔なものを使いましょう。このどれかがチョコレートに入ると状態が変わってしまいます。
*チョコレートで失敗が多いのは温度管理です。できれば温度計を使ってしっかり測りましょう。
*基本的にお菓子作りには製菓用チョコレートを使ってください。
*よほど暑い部屋でなければ、チョコレートの保管は温度が一定な涼しい場所に置きましょう。冷蔵庫に入れてしまうと、室温に出した時に結露したりと温度変化によって状態が悪くなっていきます。
監修:Nadia編集部
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