和食の定番「焼き魚」。切り身魚で作れば材料の準備も調理も簡単なので、ぜひレパートリーに加えたいメニューです。
とはいえ「使った魚焼きグリルの後始末が面倒」「そもそもグリルがない!」など、少々ハードルが高いイメージも。
そこで今回は、使い慣れたフライパンで焼き魚をおいしく作る方法をご紹介します。
ちょっとしたコツでおいしく、見栄えもよい焼き魚が作れるので、ぜひお試しください。
身と皮がしっかりした魚を選ぶと、フライパンでおいしく焼ける!
焼き魚のおいしさは、パリッと香ばしく焼けた皮目にあり。 熱が効率よく伝わるグリルと違い、接している面からしか熱が伝わらないフライパンで焼くときは、皮目を押し付けるようにするのがコツです。
それに加えて、魚を一度返して両面を焼く必要があるので、ひっくり返しやすい魚を選ぶことも上手に仕上げるポイント。皮が薄くはがれやすい青魚や、身がやわらかく、崩れやすい魚は不向きです。
○フライパンで焼きやすい魚
・鮭 ・ぶり ・真鯛 ・めかじき
×フライパン調理に向かない魚
・青魚全般、煮魚に使う魚
・たら(身が崩れやすい)
焼くのは、盛りつけるときに上になる皮目から
では、実際に焼いていきましょう。今回は、身も皮もしっかりしていて、フライパンで調理しやすい鮭を使います。
1. 切り身魚は焼く直前に塩、こしょうを両面にふります。ぶりなどの血合いのある魚は30分ほどおいて、ペーパータオルで水分を拭き取ってから焼きます。
2. 油を引いて加熱したフライパンに、切り身魚を皮目から入れます。身が反りやすいので、フライ返しで押し付けるようにして、皮にしっかり焼き目をつけましょう。火加減は中火~強めの中火。弱火で焼くと身が固まらず崩れやすくなるので要注意。
3. 1分半~2分焼いたら、ひっくり返します。フライパンの油をスプーンですくってかけながら焼くと、パサつかずしっとりとした焼き上がりに。
4. 返してから1分半~2分焼けば完成。焼き具合が心配なときは、そのままフライパンにおいておき、余熱で加熱を。
ポイントは、火加減を中火~強めの中火に保ち、手早く短時間で焼き上げること。
そして、ひっくり返すのは一度にすること。弱火で時間をかけて焼いたり、途中何度もひっくり返すと、身が崩れやすくなり、美しく仕上がりません。
塩のふり方ひとつで、おいしさがランクアップ!
下味のために塩をふるとき、「周りに散らさないよう食材の少し上からふる」というのは、じつはNG! 塩が一カ所に固まってしまい、均等に行き渡りません。
まんべんなく下味をつけるには、高いところからふるのが大事なポイント。いつもより少し多めに塩を手にとり、パラパラと全体にふりましょう。
大きめのバットに食材をおいてふれば、周りに塩が散ってキッチンが汚れる心配もありません。
魚のおいしさをシンプルに味わう焼き魚。フライパンで焼くと、グリルとはまた違ったおいしさを感じることができますよ!
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鮭のゆかりバタ焼き
写真:吉田朱里 文:芝 真紀子