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    • 公開日2025/01/23
    • 更新日2025/01/23

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.35|オリーブオイル

    世界を旅する料理研究家として、雑誌やテレビを中心に活躍している、Nadia Artistのヤミーさん。主宰する料理教室「Yummy's Cooking Studio」では、世界の料理を気軽に学べると人気です! そんなヤミーさんに世界中の調味料のとっておきの使い方を教えてもらうこの連載。第35回は「オリーブオイル」。ぜひチェックしてみてくださいね。

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    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.35|オリーブオイル

     

    フレッシュな風味と香りが魅力のオリーブオイル

    オリーブオイルはオリーブの実を絞って作られる、植物性オイルです。多くの植物油が種から絞られるのに対し、実からとれるオリーブオイルは、フレッシュな風味と香りが良く、油そのものの味を楽しむことができます。

    オリーブオイルの歴史は古く、紀元前4000年から始まったと言われています。クレタ(ギリシャ)、キプロス、シリアといった東地中海の地域で盛んにオリーブオイルが生産されていたことが記録に残されているそうです。当時から食用だけでなく、灯油用、化粧用、薬用、工業用としても使われていた生活必需品でした。

    以前ユダヤ教のラビの家で伝統行事の食事会に招かれた際、食卓にオリーブオイルランプが置かれていました。ただ絞るだけで明かりを灯すことができるオリーブは生活に欠かせない重要な農作物というだけでなく、神聖なものと考えられています。

    調べてみるとユダヤ教だけでなく、キリスト教やイスラム教においてもオリーブオイルは聖なる油として大切に扱われていました。生活に必要という以上の意味のあるオイルなんですね。

    現在のように地中海全域でオリーブが栽培されるようになったきっかけはローマ帝国の影響が大きく、人口100万規模の都市のローマでは、生活必需品のオリーブオイルが大量に必要でした。そのため貴族たちは属州でオリーブ農園を経営し、オイルをローマに運びました。それにより地中海全域でオリーブが盛んに栽培されるようになったそうです。

    オリーブオイルというとイタリアがすぐに思い浮かぶと思いますが、生産量はスペインが世界一、消費量はギリシャが世界一です。

    ギリシャ料理とは? と尋ねられたら、「オリーブオイルとトマトで煮込めばギリシャ料理」、と答えるでしょう。そのくらいイタリアよりもスペインよりもギリシャではオリーブオイルを多用します。不思議に思うかもしれませんが、オリーブオイルの長い歴史を考えると納得ではないでしょうか。

     

    オリーブオイルを最後まで楽しむポイント

    オリーブオイルはオレイン酸を比較的多く含むため、植物油の中では酸化に強いオイルですが、光や高温、空気に触れることで劣化します。保管は高温にならない冷暗所で、開封したら早めに使い切りましょう。香りも味も最後まで楽しめますよ。

    購入する際のポイントはふたつ。瓶の色の濃いものやアルミ箔などで覆ってあるものなど光を通しにくいパッケージであることと、空気に触れると劣化が始まるので、開封後1〜2か月で使い切れるサイズのものを選ぶことです。

    オリーブオイル写真

    保管場所に注意して、早めに使い切りましょう。

     

    オリーブオイルを使ったとっておきのレシピ

    オリーブオイルはそのままソースとして使うこともできるので、シンプルなチキンソテーやポークソテーにかけて食べるだけでもとても美味しいですし、野菜に塩と一緒に絡めるだけで一品ができます。ぜひ、いろいろな料理に活用してみてくださいね。

     

    いんげんのオリーブオイル煮

    いんげんのオリーブオイル煮https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/496240

    ギリシャ料理らしい、オリーブオイルとトマトで煮込む野菜料理です。くたくたに煮込んだ野菜ってこんなに美味しいんだ! と思う味ですよ。テレビでご紹介したときは、見た目の100倍美味しいと評判でした。ほかの野菜でも作れるので、季節の野菜でアレンジしてみてください。

    ●詳しいレシピはこちら
    いんげんのオリーブオイル煮

     

    ブロッコリーとアンチョビの絶品パスタ

    プーリア風ブロッコリーとアンチョビのパスタhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/117809

    イタリアの長靴の踵に位置するプーリア州のブロッコリーソースのパスタです。日本で作るなら菜の花や1年中楽しめるブロッコリーで作るのがおすすめです。シンプルな塩味のパスタなので、オリーブオイルとパスタの相性の良さをじっくりと味わえますよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    プーリア風ブロッコリーとアンチョビのパスタ

     

    ボリューム満点!鶏むね肉のチキンピカタ

     鶏むね肉1枚でボリューム満点♪ビッグ・チキンピカタhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/146702

    鶏むね肉を薄く開いてパン粉をつけ、オリーブオイルで焼くことでソースいらず。オリーブオイルの風味がソース代わりになるので、最後にレモンをキュッと絞ればごちそうです。鶏むね肉がしっとりと焼き上がるのもうれしいポイント。

    ●詳しいレシピはこちら
    鶏むね肉1枚でボリューム満点♪ビッグ・チキンピカタ

     

    さっくり軽い仕上がり!スペインのオレンジクッキー

    オレンジのクッキー、ロスコス・デ・ナランハhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/353087

    スペインの南の地域、ムルシアの素朴なクッキーです。友人のおばあちゃんに現地で習ったものを、日本で作りやすいレシピにしました。生地にオリーブオイルをたっぷり含んだ、サクサク食感のクッキーです。生地は材料をただ混ぜるだけなので、とても簡単に作れますよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    オレンジのクッキー、ロスコス・デ・ナランハ

     

    シンプルで美味しい!スペイン風ベイクドポテト

    シンプルだけどとっても美味しい♪スペイン風ベイクドポテト。https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/126212

    オリーブオイルと塩、そしてお好みのスパイスを振りかけて焼くだけのシンプルなじゃがいも料理。オリーブオイルの風味とじゃがいもはとっても相性が良いですね。スペインでは持ちよりパーティーのときもおうちでのディナーのときにも出てくる、定番の付け合わせです。

    ●詳しいレシピはこちら
    シンプルだけどとっても美味しい♪スペイン風ベイクドポテト。

    いつまでも続く食品値上げはみなさんも頭を悩ませていることと思います。オリーブオイルの高騰も驚くほどです。円安や輸送コストの上昇もありますが、大きな要因は2022年と2023年に起きた世界的不作。スペイン、イタリア、チュニジア、モロッコなど、主要生産国で夏の暑さによる干ばつや雨不足が発生し、実がみのらなかったそうです。

    これにより原産地でのオリーブオイルの価格が記録的水準に値上がりし、私たちも影響を受けているというわけです。現地の方々にとっては古代から続く日常に欠かせないものなので、もっと困っていることでしょう。

    2024年はスペインで増産が見込めたため、この値上がりも少し落ち着いてきたそうです。農作物は気候に左右されるので、こういうことが起こるものだと思って、高い間は少量を料理の仕上げや風味付けとして使うなど、工夫して味わいたいですね。

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