プロセッコDOCってどんなワイン?産地やぶどう品種、規格について
みなさんはイタリアのスパークリングワイン「プロセッコDOC」を聞いたことがありますか? 実は世界中でよく飲まれている人気のワインのひとつなんです。おうち飲みが増えてきている今だからこそ、ぜひみなさんにも楽しんでもらいたい! 今回はそんなプロセッコDOCについて詳しくご紹介します。
産地はイタリア北部
イタリアの北東部にあるヴェネト州の5県と、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の4県を中心とした地域には、世界中で人気のあるスパークリングワインの産地が広がっています。このあたりは斜面の日当たりが良く、アルプス山脈とアドリア海からの風により昼夜の寒暖差があるため、高品質なぶどうが育つ恵まれたぶどう産地として知られています。
この大ワイン産地で最も生産量が多いスパークリングワイン(イタリアではスプマンテ)が「プロセッコDOC」です。
使われるぶどうはグレーラ種
プロセッコDOCは、イタリアに根付いた白ワイン品種の「グレーラ種」を85%以上使用して製造されています。グレーラ種は、もともとはプロセッコ種と呼ばれていたのですが、ワイン名と混同してしまうため、グレーラ種と呼ばれるようになりました。
生産方法は厳しく管理
プロセッコDOCと名乗るには、産地、品種、製法から出荷形態まで、細かい基準をクリアしなければなりません。これらの基準を順守したプロセッコDOCはすべてガラス製のボトルで出荷されます。樽や紙ボックスで販売されることはないんです。正しく生産・出荷されたプロセッコDOCのボトルの首には、水色の標識シールがついています。ワインを選ぶときにぜひチェックしてみてください。
プロセッコDOCとシャンパンの違い
スパークリングワインといえば、フランスのシャンパンが代表的ですよね。プロセッコDOCとシャンパンは同じスパークリングワインといっても、使用される品種や、製法、その香りや味わいには大きな違いがあります。
製法の違い
シャンパンは一本一本の瓶内で二次発酵を促し長期間熟成する必要がありますが、プロセッコDOCは密閉式の加圧タンク内でたくさんの量を一気に二次発酵させます。この製法はマルティノッティ(またはシャルマ)方式と呼ばれ、大量生産が可能です。
味わいや香りの違い
どちらもスパークリングワインに属しますが、香りや味わいには大きな違いがあります。熟成期間が長いシャンパンが酵母由来の複雑な味わいを特徴とするのに対して、比較的短期間発酵させたプロセッコDOCはフルーティーさ、フレッシュ感が際立っています。軽やかな味わいの中に、可憐な白い花や白桃、華やかな洋梨の香りが感じられ、キリリとした酸とやわらかな甘みの繊細さを兼ね備えています。
イタリアの習慣アペリティーボに欠かせないプロセッコDOC
夕食の時間が遅いイタリアでは、夕食の前におつまみなどの軽食とともに、お酒を楽しむ習慣があります。その習慣は「アペリティーボ」と呼ばれ、日本でいうところの「ちょっと一杯」のような感覚です。酔うことやお腹を満たすことが目的ではなく、家族や友人など親しい人たちとの交流を楽しむ、豊かな時間といえます。
カジュアルでコストパフォーマンスが良いプロセッコDOCは、毎日気取らずに乾杯できるため、アペリティーボのドリンクとして定番となっています。軽快な泡と程よい酸味や甘みは、まさに食前酒にぴったり。乾杯をして軽くおつまみをいただけば、自然と会話が弾みそうですよね。
プロセッコDOCはビアンコとロゼの2種類
これまでプロセッコDOCは、ビアンコ(白)が主流でしたが、ロゼも新たに誕生しました! ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。
プロセッコDOCビアンコ
蜜のあるりんごや白桃、白い花といった可憐で華やかな香りと、しっかりとした酸味に適度な甘みがバランス良く調和した、フレッシュフルーティーなワインです。
ビアンコはスプマンテ(発泡)を中心に、フリッツァンテ(微発泡)、スティル(無発泡)があります。スプマンテの場合は、辛口からほんのりとした甘口まで残糖量によっても味わいの違いが楽しめます。
イタリア料理だけではなく、軽食のおつまみから、繊細な和食などさまざまな料理と合わせることができます。マリネやカルパッチョなどの魚介料理から、鶏や豚などの肉料理にも合わせやすく、さらにデザートタイムには香ばしいタルトや焼き菓子とも相性ぴったりです。
プロセッコDOCロゼ
新たに誕生したプロセッコDOCロゼ。グレーラ種(85%以上)と、ピノ・ネーロ種から作られており、発泡性のスプマンテのみです。60日以上の二次発酵により、細やかで持続性のあるクリーミーな泡立ちが楽しめます。
ビアンコのフルーティーさに、ピノ・ネーロ種のラズベリーやいちごなどのベリー系の香りや、桜やハーブなど爽やかさのある香りが加わります。すっきりとし、べたつかない自然な甘みとほろ苦さは、ビアンコよりも飲みごたえのある果実味なので、合わせる料理も幅が広がります。サラミや生ハムなどうま味が強いおつまみや、牛肉などのメイン料理、またスパイシーなエスニック料理や、味噌や醤油といった発酵調味料を使用した和食にもおすすめです。
プロセッコDOCと一緒に楽しみたい!おすすめレシピ3種
今回は、プロセッコDOCビアンコとロゼを楽しむために作りたい3つのおすすめレシピをご紹介します。手作り料理とともにおうちワインタイムをぜひ楽しんでみてくださいね!
あじとオリーブのアクアパッツァ
あじを丸ごと使用したアクアパッツァ。オリーブの実とオリーブオイルをたっぷりと使用し、フルーティーに仕上げました。あさりのうま味もプラス! プロセッコDOCビアンコのお供にどうぞ。
●詳しいレシピはこちら
『あじとオリーブのアクアパッツァ』
卵黄しょうゆ漬けチキンカツ
プロセッコDOCロゼのお供には、揚げずに作るチキンカツ。卵黄と醤油に漬けた鶏肉をオーブンで焼くだけ。醤油の風味やサクサク食感がロゼによく合いますよ。
●詳しいレシピはこちら
『卵黄しょうゆ漬けチキンカツ』
アスパラガスとそら豆のクロスティーニ
「小さなトースト」を意味するクロスティーニ。適度な甘みと食感のある春野菜にアンチョビとクリームチーズを合わせ、塩味とうま味をプラス。パパッと作れるので、夕食前のアペリティーボにぴったり! 爽やかなプロセッコDOCビアンコに合わせて楽しんでくださいね。
●詳しいレシピはこちら
『アスパラガスとそら豆のクロスティーニ』
プロセッコDOCで乾杯!旬素材を使ったおすすめレシピ紹介企画スタート!
普段のおうちご飯からちょっと一息つきたい乾杯のひとときまで、手軽でカジュアルに楽しめるプロセッコDOC。今度の週末には、イタリアの素敵な時間の過ごし方でもあるアペリティーボで、家族や友人と特別な時間を過ごしてみませんか。いつものおうち飲みにプロセッコDOCという非日常的なエッセンスを加えることで、ますます充実した時間になるはず。
今回ご紹介したレシピ以外にもおすすめのレシピはたくさんあります。そのときの旬素材を使った料理やプロセッコDOCの楽しみ方を、5月からNadiaでどんどん発信していきます。料理を作って、乾杯しながらおしゃべりも楽しむ。そんな週末は想像するだけでワクワクしますよね。ぜひ楽しみにしていてくださいね!
協賛:プロセッコDOC保護協会 /協力:イタリア大使館貿易促進部