レシピサイトNadia
    • 公開日2017/01/07
    • 更新日2017/01/07

    一年の健康を願って食べよう 七草粥の由来と簡易七草粥

    1月7日は「七日正月」といい、五節句の一つです。「七草節句」や「若菜の節句」ともいわれ、古来から七草で祝う風習がありました。由来やいわれを知れば、もっと料理に心がこもるはず。ということで、七草にまつわるあれこれをご紹介します。

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    一年の健康を願って食べよう 七草粥の由来と簡易七草粥

     

    七草の風習はこうしてはじまった

    ​七草の起源は大変古く、平安時代の「皇太神宮儀式帳」(804年)に記載されているものがもっとも古い記録とされています。今から千年以上も前の遣唐使の時代から風習としてあったようです。そんなに遠い昔から今も続けられている風習には、長く伝えられているだけの深い意味がありました。

    もともと中国から伝わった無病息災を祈る行事でしたが、日本古来からある年の初めに若菜を摘む「若菜摘み」の風習と結びついて、現在のような形になったといわれています。「ごちそうを食べ過ぎて弱った胃を休ませる」という話もよく耳にしますが、もともとは自然の芽吹きをいただいて活力を得ようという信仰からはじまりました。「春は芽もの」というように苦みのある春の新芽を食べて、体のサイクルを整えるという現代の考えともつながりますね。

     

    七草の栄養と効能

    ​「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」

    これは七草を覚えやすくするために南北朝時代の国学者が作った歌だといわれています。この七草にはどんな効果があるのでしょう。

    ​まず、せり、ほとけのざには胃を健康に保ち、食欲増進の効果があります。なかでも、せりはカロテンやビタミンC、鉄などが豊富に含まれ、風邪に対する抵抗力を養ってくれる頼もしい野菜です。

    なずな、はこべらには利尿作用や炎症を抑える効果があります。ごぎょうには咳を止め、痰を切るなど、風邪引きさんにはうれしい効能が備わっています。

    ​そして、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)には咳止め、消化促進、葉の部分にはカロテンやビタミンC、カルシウムなど健康を保つのに不可欠な栄養素が詰まっているんです。

     

    七草そろわなくても大丈夫!簡易版七草粥の作り方

    ​体にいい七草粥を早速作ろうと思っても、なかなか七草もそろえられない方も多いはず。そんな方のために今回は手に入りやすい3つの野菜で作る簡易版七草粥をご紹介します。

    ​使う野菜は、せりとすずな(かぶ)とすずしろ(大根)。どれも冬にはスーパーで売っている身近なお野菜たちです。

    ​せりの持つ精油成分はとってもさわやかな香りがあり、さっと煮て甘さが出たすずな、すずしろとの相性もピッタリなんです。

     

    材料(4人分)

    米…1合
    熱湯…1200ml
    かぶ(葉つき)…1個
    大根…100g
    せり…40g
    塩…小さじ1

    おいしく作るためのポイントは、沸騰したお湯にお米を入れてお粥を作ること。ドロドロしすぎず、ほどよいとろみ加減のお粥になります。

    お粥ができたら、2cmほどの長さの細切りにしたかぶと大根を加えて煮込んで火を通します。できあがりの直前に刻んだかぶの葉とせりを加えて混ぜ合わせ、塩で味を整えれば、できあがりです。水分が少なければ、お湯を足してお好みのかたさに加減してください。

    もしあれば、ホーローなど厚手の鍋で作ることをおすすめします。保温効果が高く、ふんわりと仕上がりますよ。

    ​詳しいレシピはこちら
    https://oceans-nadia.com/user/22477/recipe/145324

     

    大切な人の健康を願って作る七草粥

    ​百人一首で光考天皇は、

    「君がため 春の野に出でて若菜摘む 吾が衣手に雪は降りつつ」

    ​と和歌に詠んでいます。

    ちらちらと雪が降るなか、大切な人を想って摘んだのでしょうか。健康であるようにと誰かを想う気持ちは今も昔も変わらないですね。

    若菜摘みに行くのは難しいですが、大切な人のために、ぜひ七草粥を作ってみてはいかがでしょうか。

     

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    このコラムを書いたArtist

    がまざわ たかこ
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    がまざわ たかこ

    料理家/郷土料理研究家/調理師 ホテルでの和食調理、保育園給食などに従事した経験から現在は 料理教室、レシピ開発、イベント講師、コラム執筆、小学校での食育授業など活動は多岐にわたる。 7年の旅行会社在勤中に目覚めた各地の料理や食文化の魅力にはまり郷土料理研究家の道へ。 作り続けたい定番の家庭料理や、地味だけどおいしい!な『心がほっこりするごはん』をモットーに身体も喜ぶ素朴なごはんを目指し活動している。

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