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    • 公開日2022/10/23
    • 更新日2022/10/23

    本当に美味しい味噌汁|何度も作りたい定番レシピVol.296

    日本人の食卓に欠かせない「味噌汁」。家庭で作る機会も多い料理ですが、具材を加えるタイミングやだしと味噌の分量など、なんとなく作っていて味が決まらないといったことはありませんか? 味噌汁は「煮えばな」が最も美味しいと言われています。加熱加減に気を付けることでグッと美味しい味噌汁になりますよ。今回は、味噌汁の定番「豆腐とわかめの味噌汁」の作り方をだしの引き方から詳しく紹介していきます。Nadiaで人気の料理研究家が自信を持っておすすめする定番レシピシリーズです。

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    本当に美味しい味噌汁|何度も作りたい定番レシピVol.296

     

    日本の食卓には欠かせない「味噌汁」

    味噌汁は、野菜や海藻、肉、魚などをだしで煮て、味噌を溶き入れて作る汁物です。地域や家庭によって使用するだしや味噌の種類、具材などは異なります。豆腐とわかめで作るシンプルな味噌汁から、肉や魚、野菜などが入ったボリュームのある味噌汁まで、組み合わせる食材によってさまざまなアレンジが可能です。

     

    味噌の種類

    味噌の材料は基本的に「大豆・塩・麹」の3つだけ。さまざまな種類の味噌がありますが、使用する麹の種類で分類すると「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」の3つに分類されます。

    (左から、麦味噌、米味噌、豆味噌)

    最も一般的なのは、大豆に米麹、塩を加えて造る「米味噌」で、国内生産量の約80%を占めます。辛口の信州味噌や甘口の西京味噌など、さまざまな種類があります。

    「麦味噌」は大豆と麦麹、塩を使用したもので、主に九州地方や中国地方、四国地方で生産されています。別名「田舎みそ」とも呼ばれます。甘めで麦の香ばしい香りがします。

    「豆味噌」は、大豆と豆麹、塩を使用したもので、主に東海地方で生産されています。濃厚なうま味とほのかな渋み、酸味が特徴。八丁味噌、名古屋味噌などの種類があります。

    また、この3種類の味噌以外に、米味噌と麦味噌など異なる味噌を混ぜ合わせたものや、異なる種類の麹を使用して醸造した「調合味噌」もあります。

     

    味や色によって分類する方法も

    味噌は、麹の種類で分類するほかに、味や色によって分類する方法もあります。味によって分類する場合は、麹の割合や塩分量によって、「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」に分類されます。大豆の分量に対して塩分量が一定なら、麹の割合が高いほど甘口の味噌になります。

    味噌の色によって分類する場合は、「淡色味噌」「赤味噌」「白味噌」の3つに分類されます。味噌の色は、製造方法や熟成期間の違いによって変わります。

     

    基本の味噌汁の作り方

    味噌汁は「煮えばな(煮汁がグラッと煮立ちはじめた状態)」が最も美味しいと言われています。加熱加減に気を付けることでグッと美味しい味噌汁になりますよ。だしは定番の「かつおと昆布の合わせだし」です。

     

    【材料(2人分)】

    昆布 6g
    削り節 12g
    水 600ml
    絹ごし豆腐 1/3丁(100g)
    乾燥わかめ 2g
    長ねぎ 5cm
    味噌 大さじ1と1/2〜大さじ2

     

    【作り方】

    1.ペーパータオルで昆布の汚れを軽く拭く。鍋に水と昆布を入れて、30分ほどおく。

    【ポイント】
    昆布の表面についている白い粉は「マンニット」と呼ばれるうま味成分です。強く拭いたり、水洗いしたりせず、汚れを軽く拭き取る程度にします。

    2.鍋を中弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。

    【ポイント】
    沸騰させると、ぬめりや雑味の原因になります。沸騰前に昆布を取り出してください。

    3.中火にして沸騰したら火を止める。削り節を加え、沈むまで2〜3分おく。

    【ポイント】
    削り節を加えてから煮立てると雑味の原因になります。箸で混ぜたりせず、自然に削り節が沈むまでおきましょう。

    4.ボウルにペーパータオルを敷いたザルをのせ、3を静かにこす。ペーパータオルごと、削り節を軽く絞る。

    【ポイント】
    きつく絞ると雑味やえぐみの原因になるので、軽く絞る程度にしましょう。約470mlのだしがとれます。

    5.絹ごし豆腐は1.5cm角に切って、長ねぎは小口切りにする。乾燥わかめはたっぷりの水に2〜3分浸して戻し、水気をきる。

    【ポイント】
    ・豆腐は絹ごし豆腐でも木綿豆腐でも大丈夫です。お好みの豆腐をご使用ください。
    ・乾燥わかめは戻しすぎないように気をつけましょう。

    6.鍋に4のだしを400ml入れて中火にかける。沸騰したら、豆腐を加えて1〜2分煮て、わかめも加えてサッと煮る。

    【ポイント】
    ・豆腐やわかめはすぐに火が通るので、だしを沸騰させてから加えてサッと煮ます。
    ・大根やにんじん、じゃがいもなど、火が通りにくい食材を加える場合は、だしが冷たい状態から具材を加えて加熱しましょう。

    7.火を止めて、味噌を溶き入れる。

    【ポイント】
    ・味噌の分量は味噌の種類によっても変わります。1人分小さじ2〜大さじ1程度を目安に分量を調整してください。このレシピでは信州味噌を大さじ1と1/2加えました。信州味噌は辛口・淡色系の米味噌です。
    ・味噌はだしなどが入っていない、「大豆、麹、塩」のみで造られたものがおすすめです。
    ・味噌を直接鍋に入れると味にムラができる原因になります。お玉や味噌こしを使用して溶いてから加えましょう。

    8.中火にかけ、煮えばなで火を止めて椀に盛り、長ねぎをのせる。

    【ポイント】
    ・「煮えばな」とは、煮汁がグラッと煮立ちはじめた状態を言います。味噌の香り成分は90℃以上になると揮発するので、グツグツと煮立てると風味が落ちてしまいます。

    一般的に使用されている辛口の淡色味噌や合わせ味噌は、どんな食材とも合わせやすいので、具材を選ばず味噌汁に活用できます。

    甘みの強い「白味噌」を使ったお味噌汁には、かぼちゃやさつまいも、かぶ、大根など、少し甘みのある具材がよく合いますよ。
    コクのある「赤味噌」を使ったお味噌汁には、豆腐、油揚げ、あさり、しじみ、肉類、わかめ、なめこ、なす、玉ねぎなどの具材がよく合います。だしを濃いめに、味噌を少なめにすると美味しく仕上がります。

    また、辛口の赤味噌と甘口の白味噌、米味噌と麦味噌など、違う種類の味噌を組み合わせて使用するのもおすすめ。味に深みが出て美味しくなりますよ。ぜひ、お好みでお試しください。

    ●このレシピをお気に入り保存する
    【基本の和食】豆腐とわかめの味噌汁


    いかがでしたか? 味噌汁は、煮えばなで火を止めることで風味よく仕上がります。豆腐とわかめ以外の具材で作る場合は、味や食感、香りが異なる食材を2〜3種類組み合わせるのがおすすめです。例えば、豆腐となめこ、青菜と油揚げ、たけのことわかめ、卵とにらなどです。ぜひ、旬の食材も使っていろいろな組み合わせを試してみてくださいね。基本を押さえて、毎日のお味噌汁をワンランクアップさせましょう!


    これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら

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    松井さゆり

    • 野菜ソムリエ
    • フードコーディネーター

    フードコーディネーター/料理家/ いつもの食卓に+Oneのアイデアを!料理の基本を大切に。添加物はなるべく使わない身体にやさしい食事がモットー。旬の野菜をたっぷり使用した毎日のごはんやおうちで簡単に作れるスイーツレシピをご紹介しています。 ◆レシピ開発 ◆コラム執筆 ◆フードスタイリング ◆料理教室 ♦経歴♦ 大阪出身 レコールバンタンフードコーディネーターコース卒業 *イタリアンレストランにてキッチンスタッフ・ホールスタッフとして勤務 *フードコーディネーター事務所に勤務・企業様のメニュー考案、撮影などに携わる *料理教室講師 ♦資格♦ *FCAJフードコーディネーター2級(食の商品開発) *だしソムリエ *発酵食エキスパート *jr野菜ソムリエ *JSAアイシングクッキー認定講師 *食品衛生責任者 ◆受賞歴◆ *2018年 Nadia【コラム賞】受賞 *2019年 レシピブログ「フーディストアワード2019」ホットケーキミックス部門【レシピ賞】受賞 *2020年 E・レシピ【秋のキノコレシピコンテスト】優秀賞受賞

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