日本の食卓には欠かせない「味噌汁」
味噌汁は、野菜や海藻、肉、魚などをだしで煮て、味噌を溶き入れて作る汁物です。地域や家庭によって使用するだしや味噌の種類、具材などは異なります。豆腐とわかめで作るシンプルな味噌汁から、肉や魚、野菜などが入ったボリュームのある味噌汁まで、組み合わせる食材によってさまざまなアレンジが可能です。
味噌の種類
味噌の材料は基本的に「大豆・塩・麹」の3つだけ。さまざまな種類の味噌がありますが、使用する麹の種類で分類すると「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」の3つに分類されます。
最も一般的なのは、大豆に米麹、塩を加えて造る「米味噌」で、国内生産量の約80%を占めます。辛口の信州味噌や甘口の西京味噌など、さまざまな種類があります。
「麦味噌」は大豆と麦麹、塩を使用したもので、主に九州地方や中国地方、四国地方で生産されています。別名「田舎みそ」とも呼ばれます。甘めで麦の香ばしい香りがします。
「豆味噌」は、大豆と豆麹、塩を使用したもので、主に東海地方で生産されています。濃厚なうま味とほのかな渋み、酸味が特徴。八丁味噌、名古屋味噌などの種類があります。
また、この3種類の味噌以外に、米味噌と麦味噌など異なる味噌を混ぜ合わせたものや、異なる種類の麹を使用して醸造した「調合味噌」もあります。
味や色によって分類する方法も
味噌は、麹の種類で分類するほかに、味や色によって分類する方法もあります。味によって分類する場合は、麹の割合や塩分量によって、「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」に分類されます。大豆の分量に対して塩分量が一定なら、麹の割合が高いほど甘口の味噌になります。
味噌の色によって分類する場合は、「淡色味噌」「赤味噌」「白味噌」の3つに分類されます。味噌の色は、製造方法や熟成期間の違いによって変わります。
基本の味噌汁の作り方
味噌汁は「煮えばな(煮汁がグラッと煮立ちはじめた状態)」が最も美味しいと言われています。加熱加減に気を付けることでグッと美味しい味噌汁になりますよ。だしは定番の「かつおと昆布の合わせだし」です。
【材料(2人分)】
昆布 6g
削り節 12g
水 600ml
絹ごし豆腐 1/3丁(100g)
乾燥わかめ 2g
長ねぎ 5cm
味噌 大さじ1と1/2〜大さじ2
【作り方】
1.ペーパータオルで昆布の汚れを軽く拭く。鍋に水と昆布を入れて、30分ほどおく。
【ポイント】
昆布の表面についている白い粉は「マンニット」と呼ばれるうま味成分です。強く拭いたり、水洗いしたりせず、汚れを軽く拭き取る程度にします。
2.鍋を中弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
【ポイント】
沸騰させると、ぬめりや雑味の原因になります。沸騰前に昆布を取り出してください。
3.中火にして沸騰したら火を止める。削り節を加え、沈むまで2〜3分おく。
【ポイント】
削り節を加えてから煮立てると雑味の原因になります。箸で混ぜたりせず、自然に削り節が沈むまでおきましょう。
4.ボウルにペーパータオルを敷いたザルをのせ、3を静かにこす。ペーパータオルごと、削り節を軽く絞る。
【ポイント】
きつく絞ると雑味やえぐみの原因になるので、軽く絞る程度にしましょう。約470mlのだしがとれます。
5.絹ごし豆腐は1.5cm角に切って、長ねぎは小口切りにする。乾燥わかめはたっぷりの水に2〜3分浸して戻し、水気をきる。
【ポイント】
・豆腐は絹ごし豆腐でも木綿豆腐でも大丈夫です。お好みの豆腐をご使用ください。
・乾燥わかめは戻しすぎないように気をつけましょう。
6.鍋に4のだしを400ml入れて中火にかける。沸騰したら、豆腐を加えて1〜2分煮て、わかめも加えてサッと煮る。
【ポイント】
・豆腐やわかめはすぐに火が通るので、だしを沸騰させてから加えてサッと煮ます。
・大根やにんじん、じゃがいもなど、火が通りにくい食材を加える場合は、だしが冷たい状態から具材を加えて加熱しましょう。
7.火を止めて、味噌を溶き入れる。
【ポイント】
・味噌の分量は味噌の種類によっても変わります。1人分小さじ2〜大さじ1程度を目安に分量を調整してください。このレシピでは信州味噌を大さじ1と1/2加えました。信州味噌は辛口・淡色系の米味噌です。
・味噌はだしなどが入っていない、「大豆、麹、塩」のみで造られたものがおすすめです。
・味噌を直接鍋に入れると味にムラができる原因になります。お玉や味噌こしを使用して溶いてから加えましょう。
8.中火にかけ、煮えばなで火を止めて椀に盛り、長ねぎをのせる。
【ポイント】
・「煮えばな」とは、煮汁がグラッと煮立ちはじめた状態を言います。味噌の香り成分は90℃以上になると揮発するので、グツグツと煮立てると風味が落ちてしまいます。
一般的に使用されている辛口の淡色味噌や合わせ味噌は、どんな食材とも合わせやすいので、具材を選ばず味噌汁に活用できます。
甘みの強い「白味噌」を使ったお味噌汁には、かぼちゃやさつまいも、かぶ、大根など、少し甘みのある具材がよく合いますよ。
コクのある「赤味噌」を使ったお味噌汁には、豆腐、油揚げ、あさり、しじみ、肉類、わかめ、なめこ、なす、玉ねぎなどの具材がよく合います。だしを濃いめに、味噌を少なめにすると美味しく仕上がります。
また、辛口の赤味噌と甘口の白味噌、米味噌と麦味噌など、違う種類の味噌を組み合わせて使用するのもおすすめ。味に深みが出て美味しくなりますよ。ぜひ、お好みでお試しください。
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【基本の和食】豆腐とわかめの味噌汁
いかがでしたか? 味噌汁は、煮えばなで火を止めることで風味よく仕上がります。豆腐とわかめ以外の具材で作る場合は、味や食感、香りが異なる食材を2〜3種類組み合わせるのがおすすめです。例えば、豆腐となめこ、青菜と油揚げ、たけのことわかめ、卵とにらなどです。ぜひ、旬の食材も使っていろいろな組み合わせを試してみてくださいね。基本を押さえて、毎日のお味噌汁をワンランクアップさせましょう!
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