唐揚げのおいしさは『下味』で決まる!
噛むほどに美味しい唐揚げの準備で重要なポイントは「下味を順序よく揉み込む」こと。以前、料理の質問で「味付けの調味料は一気に加えていいですか?」と聞かれたことがあるのですが、答えはNOです。
お料理とは違う例ですが、お肌のケアをイメージしてください。一般的に洗顔後は化粧水、乳液、クリームの順に使いますね。これは油分の少ないものから順に使うことで、肌への浸透率を高めるためです。
料理の下味とお肌のケアの原理は似ていて、最初に油分が多い調味料を加えると食材に油膜ができてしまい、ほかの調味料が浸透しづらくなってしまいます。
それでは唐揚げの美味しさを最大限に高める下味の工程から解説します。
外はカリッと!中はジューシー!な唐揚げの作り方
【材料(鶏もも肉大サイズ1枚で8〜10個目安)】
鶏もも・皮つき 1枚(約320g)
しょうが・にんにく 各1カケ
塩 小さじ1/2
こしょう 小さじ1/4
酒 大さじ1
醤油 小さじ1/2
ごま油 大さじ1
小麦粉 大さじ2
片栗粉 大さじ2
1.下味をしっかり揉み込む
下味を揉み込む順番はこちら
1:塩・こしょう
↓
2:おろしにんにく・おろししょうが
↓
3:酒・醤油を揉み込み常温で5分置く
↓
4:ごま油を回しかけ軽くまぶす
【ポイント】
1〜3は加えるたびに各調味料が全体になじむまでその都度しっかり揉み込みます。4のごま油は軽くまぶす程度でOKです。鶏肉にごま油をコーティングすることで、下味とうま味を閉じ込めごま油が香る仕上がりに!
2.衣をつける
最高の食感は『W粉衣(ダブルコナコロモ)』で決まる!
唐揚げの衣はふんわり厚みがある卵入りの衣もありますが、今回は卵なしの小麦粉と片栗粉を使うサクッとした食感のW粉衣を紹介します。
【ポイント】
下味同様に、衣の粉もまぶす順番が大切です。
まず小麦粉を鶏肉に揉み込むように加えます。小麦粉は下味の調味料を吸い鶏肉に密着させる役割があります。
次に加える片栗粉は表面にまぶす程度でOK! 外側の片栗粉はカリッと、下味を吸った小麦粉の衣はふわっと、2種類の衣が美味しい食感を生み出します。
3.揚げる
決め手は二度揚げ!
唐揚げでカラッと揚げたつもりなのに、肉の加熱が不十分だったり、火が通っていても肉がパサパサでかたかったり…という経験はありませんか? この原因の多くは、揚げる油の温度と加熱時間によるもの。面倒と思われるかもしれませんが、唐揚げは『二度揚げ』がおすすめです。
温度の高い揚げ物調理は揚げ油から出した後も、余熱で食材が加熱される状態です。二度揚げはその余熱を利用したテクニック。
鶏肉は急に高温で加熱するとかたくなる性質のためはじめは低めの温度で揚げ、一度取り出し余熱でゆっくり加熱すれば肉の硬化を防止できます。二度目は高温で短時間揚げ、皮をパリッと仕上げます。
それでは二度揚げの方法を詳しく解説します。
揚げ工程1
温度:中温(160度程度)
時間:3分(各面1分30秒)
※ むね肉を使う場合は合計2分(各面1分に変更)
【ポイント】
揚げ油をフライパンに入れ中温に加熱します。
衣が剥がれないように1個ずつ優しく油に入れます。
ひっくり返すのは一度だけ。各面を1分30秒ずつ加熱します。
※油の量は唐揚げが浸る程度、たっぷり入れなくても問題ありません。
揚げ工程2
いったん取り出し、油をきり3分おきます。
この段階では、揚げ色が白っぽいですが問題ありません。
※揚げ油の火はいったん止め、3分後に再加熱する準備をします。
揚げ工程3
温度:高温(180度程度)
時間:1分
※むね肉を使う場合こんがりしたら取り出す
【ポイント】
高温にすると鶏肉を入れるときに油が跳ねやすいので気を付けてください。
菜箸を使い1〜2度回転させ、こんがりきつね色になった唐揚げから順に、焦げる前に取り出しましょう。しっかり油をきって完成です。
唐揚げのできを左右する『揚げ油の鮮度』
唐揚げを美味しく作るためには油の鮮度も重要です。何度も使用して酸化した古い油は、粘りや臭みが出てしまいます。古い油で揚げた唐揚げは油のキレが悪く、衣が油を吸ってベチャベチャ食感の残念な仕上がりに。どんなに下準備をしっかりしても、油次第で台なしです。
唐揚げに限らず揚げ物を成功させる大事なポイントは『新鮮な油を使うこと』。もったいないと感じるかもしれませんが古い油は健康面でもよくありません。健康になるための食事で健康を害しては本末転倒です。揚げ油は惜しまず新鮮なものを使いましょう。
●このレシピをお気に入り保存する
【完全ガイド】鶏のから揚げ
たまにはこんなアレンジ唐揚げもおすすめ!
基本の材料に加え、お好みの風味にアレンジも可能です!
それぞれ塩こしょうの後に揉み込むだけ!
・カレー風味の唐揚げ:カレー粉 小さじ1
・メキシカン風味の唐揚げ:チリペッパー 小さじ1
ぜひ試してみてくださいね。
鶏肉は「もも肉」or「むね肉」どっちを使えばいいの?
唐揚げを作るとき、鶏肉の部位で迷うことはありませんか? 最近の唐揚げ専門店でも「もも」か「むね」を選べる店が多くなっているようです。
脂肪分が多い鶏ももの唐揚げはコクうまでジューシー、鶏むね肉の唐揚げはあっさり淡白です。お好みで選んでくださいね。
今回ご紹介するレシピはもも肉を使用していますが、むね肉でも作り方は同じです。ただし脂肪が少ないむね肉は加熱しすぎると、パサつきやすいので加熱時間を調整します。どちらを使うにしても、スジや黄色い脂肪のかたまりは食感や香りが悪くなる原因なので取り除く下準備が大事です。
余った唐揚げで美味しいアレンジレシピ!
ボリューム満点!から揚げの親子丼
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/368011
お肉に火を通す必要がないので5分でできちゃう親子丼です。たった2個の唐揚げでもボリューム満点のどんぶりに!
コクがあるのにさっぱり!なすとから揚げの甘酢あん
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/323723
酢豚ならぬ『酢鶏』! コクがあるのにさっぱり。ご飯のお供にぴったりです。
唐揚げの日はこんな献立はいかが?
ごま油香る!豆腐とアボカドとわかめのサラダ
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/412585
唐揚げにはさっぱりした副菜がおすすめ! ヘルシーなわかめ、豆腐、アボカドをたっぷり食べられるやみつきサラダです。
しみじみ美味しい♪ふんわり卵のキャベツスープ
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/422544
油を使う唐揚げにはヘルシーなスープを添えて。5分でできる簡単レシピです。
【じつは簡単かつおだしで作る】ふんわりたまごのキャベツスープ
お弁当にぴったりの唐揚げレシピ!
やわらかジューシー!鶏むね肉の唐揚げ
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/288795
甘酒入りの下味に漬けることでやわらかく仕上げた鶏むね肉の唐揚げ。時間がたってもしっとりやわらかいので、お弁当にぴったり!
食欲をそそる!スパイシー唐揚げ
https://oceans-nadia.com/user/64286/recipe/395339
しっかり味が付いているので、時間がたっても美味しい! 風味豊かなスパイシー唐揚げです。
いかがでしたか? 簡単レシピに比べて手間は増えますが、その分格別な美味しさに仕上がります。ぜひ、揚げたてをお召し上がりくださいね。唐揚げが得意料理になるかもしれませんよ!