魚は和食はもちろん、洋食にも使えるヘルシー食材。もっとレパートリーを増やしたい!と思っている人は多いのではないでしょうか。にもかかわらず魚売場でためらってしまうのは、「鮮度の見分け方」や「使い切れなかったときの保存方法」など、わからないことが多いから。
そこで今回は、魚料理初心者でも扱いやすい「切り身」の選び方についてご紹介しましょう! スーパーで手軽に手に入る「さば」と「鮭」を例に、みていきたいと思います。
スーパーで新鮮な切り身を選ぶには?
新鮮な食材を選ぶことは、料理をおいしく仕上げる基本。まずは、さばと鮭、それぞれの鮮度の見分けかたを覚えておきましょう。
さばの鮮度は「皮」に現れる
鮮度を見分けるポイントは「皮」です。皮がピンと張って、身が全体的にふっくらとしていれば新鮮。逆に、皮にシワが寄っているものは、鮮度が落ちている可能性が。
鮭は「さし」が多いほうが甘い
身に入っている「さし」(白い筋)が多いほうが脂が多く甘みがあります。さっぱりとしたものを食べたいときは「さし」の少ないものを選んで。また、骨の周りに赤い血がついているものは要注意。血が空気に触れて酸化し、周りの身の部分ごと鮮度が落ちている可能性があります。また、ドリップが出ていないかもチェックしましょう
切り身の形によって、味や適した調理法は違う?
切り身は、魚一尾を切り分けてあるものなので、部位によって形や味わいが違います。それぞれの特徴がわかると、俄然、魚の調理が面白くなりますよ!
弓形の「腹(頭)側」は、脂がのってうまみあり
マグロなどの大きな魚でない限り、切り身にするときは筒状に輪切りにします。それをさらに半分に切ったのが一般的な切り身。頭側の内臓が収まっている部分は脂がのってうまみも多いので、シンプルに焼き魚やソテーにするのがおすすめです。
半月状の「背(尾)側」は、あっさりした味わい
尾に近い部分は内臓がないため、切り身にすると半月状または直線的な形に。腹(頭)側に比べて脂は少ないですが、さっぱりとして量を食べられるのでボリュームのある主菜にできます。竜田揚げやフライなどにして、味と油分を補うと食べやすくなります。
すぐに使わないときの保存方法を知っていると便利!
「夕方の値引きで賞味期限ギリギリの魚を購入した」「一人暮らしなのに、4切れ入りのパックしかなかった」など、すぐに使わない切り身があるとき。鮮度を保っておいしい状態をキープするために、こんな保存方法を試してみてください。
「霜降り」にして余分な脂を落とす
【さば・鮭】魚の脂身はうまみや甘さの元ですが、鮮度が落ちやすい部分でもあります。鮮度が落ちるとくさみの原因にも。すぐに食べないときは、ざるの上に切り身を置き、熱湯をかけて表面の脂を落としましょう。その後、キッチンペーパーなどで水分をしっかりとり、冷凍保存をするのがおすすめ。
調味料に漬け込む
【さば編】和食の調理法に、酒を加えた塩水に魚を漬けてから焼く「酒塩(さかしお)焼き」があります。防腐性を高めるのと同時に下味をつける効果があり、青魚特有のくさみも抑えられます。浸したまま2~3日は保存可能。それ以上は冷凍保存を。
【鮭編】しょうゆ、みりん、酒を1:1:1の割合で混ぜた「幽庵(ゆうあん)地」に切り身を漬け込んで焼く「幽庵焼き」がおすすめ。漬け込むのは2~3日以内に。すだちやかぼすを絞ると、風味がアップしてさらにおいしくなります。
いかがですか? 切り身は買ってすぐに使わなくても保存の仕方次第で意外と長持ちするんですよ。ぜひお試しください!
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写真:吉田朱里 文:芝 真紀子