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    • 公開日2020/12/14
    • 更新日2020/12/14

    本当に美味しいタルトタタン|何度も作りたい定番レシピVol.175

    たっぷり入ったりんごが主役の「タルトタタン」。作るのは難しそうに見えますが、タルト生地とキャラメリゼしたりんごというシンプルな構成で、ご家庭でも簡単に作ることができますよ。工程ごとに丁寧に紹介していきますので、今年のクリスマスケーキに作ってみるのはいかがでしょうか? Nadiaで人気の料理研究家が自信を持っておすすめする定番レシピシリーズです。

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    本当に美味しいタルトタタン|何度も作りたい定番レシピVol.175

     

    りんごの美味しい季節に!りんごたっぷりタルトタタン

    タルトタタンとは、砂糖とバターでキャラメル色に焼いたりんごを型に敷き詰め、上からタルト生地をかぶせて焼いたフランス菓子です。生地を敷き忘れたというタタン姉妹の失敗から生まれたといわれ、逆さまに焼き上げ食べるときにひっくり返すという珍しい作り方のタルトで、キャラメリゼされたコクのあるりんごが主役の人気スイーツです。

    タルト生地とキャラメリゼしたりんごというシンプルな構成でご家庭でも簡単に作ることができますので、りんごの美味しい季節にぜひ作ってみてください。

     

    タルトタタンに向くりんごの品種は?

    タルトタタンはりんごの形がしっかりと残る煮崩れしにくいもの、さらに酸味の強いものが向いているといわれています。

    なかでも長時間の加熱にも耐え、酸味が強く加熱後も風味がしっかりと残る「紅玉」が人気です。日本のりんごは甘みが強く酸味の少ない生で食べるのに向くものが多いため、紅玉以外はタルトタタンに向かないというパティシエもいるほどです。

    ですが紅玉はなかなか手に入りづらい品種でもあります。紅玉が手に入らなければゴールデンデリシャス、あかね、ジョナゴールド、陸奥など酸味のあるもので美味しく作ることができますし、ふじなどの甘みの強い物でもレモン果汁を足して作ることができます。

    品種よりも大切なのは「新鮮なりんごを使う」ことです。収穫から時間の経ったものは味がぼけるだけでなく加熱によって形が崩れやすく、焼きあがり後も形を保ちにくいです。
    旬の新鮮なりんごがたくさん手に入ったら、ぜひタルトタタンにチャレンジしてみてください。

     

    生地について

    生地はパイのようなもろい食感でほとんど甘さのないパートブリゼといわれる生地を使います。

    型にりんごを並べた上に生の生地をかぶせて焼く方法が本来の作り方ですが、生地が焼き縮みやすいのであらかじめ焼いてから型に合わせてカットする方法を取っています。このほうが食感もサクサクするのでおすすめです。

    レシピページでは、バターをカードと呼ばれる道具でカットして粉と合わせて手で作る方法、フードプロセッサーで作る方法、冷凍パイシートを使う方法をご紹介しています。

     

    基本のタルトタタンの作り方

     

    【材料(15cm1台分)】

    <タルト生地>
    薄力粉 100g
    バター(食塩不使用) 50g
    砂糖 5g
    塩 少量
    卵黄 1/2個分
    牛乳 30g

    <りんごのキャラメリゼ>
    りんご 800g~1kg
    砂糖 80g
    バター(食塩不使用) 30g

     

    【作り方】

    <タルト生地>
    (生地は寝かせる必要があるのでできれば前日に作っておくといいです)

    1.ボウルに薄力粉、砂糖、塩、1cm角に切った冷えたバターを入れ、バターを細かく切り刻むようにして薄力粉となじませます(カードという道具を使うと便利)。さらに手で擦り合わせてサラサラの状態にします。

    【ポイント】
    バターがなるべく細かい粒になって薄力粉となじむように、冷えたバターを使い、溶けないように手早く擦り混ぜます。

    2.冷えた牛乳と卵黄を加えてゴムベラで混ぜ、生地をまとめます。

    【ポイント】
    練りすぎると食感が悪くなるのでひとかたまりになるまで練らず、大きなかたまりがいくつかできればそれを手でぎゅっとまとめるようにします。

    3.ラップで包んで冷蔵庫で2時間以上、できればひと晩寝かせます。

    【ポイント】
    このタルト生地は、フードプロセッサーをお持ちでしたらさらに簡単に作れますのでぜひ使ってください。また、冷凍パイシートを使って作ることもできます。
    詳しくはレシピページの工程26をご参照ください。

    4.寝かせた生地を型よりも大きく丸く伸ばし、200℃のオーブンで20分焼きます。

    【ポイント】
    この生地は焼き縮みやすいので、型よりも大きく伸ばして焼きます。

    5.型の大きさに合わせてカットします。

    【ポイント】
    完全に冷めてしまうと割れやすくなるので、温かいうちにカットします。

    <りんごのキャラメリゼ>

    下準備
    ・型の内側にバター(分量外)を塗っておきます。
    ・オーブンを200℃に予熱しておきます。

    1.りんごは4つ割りにして芯を取り、皮をむいてさらに半分にカットします。

    【ポイント】
    りんごの食感を活かし煮崩れを防止するため、大きめにカットします。

    2.フライパンに砂糖の半量を入れて焦がし、バターの半量を入れてりんごの半量を並べます。

    【ポイント】
    一度にフライパンに入れると均一にキャラメリゼしにくく、触りすぎて型崩れする原因にもなりますので、一度にフライパンに並べられる量に分けてキャラメリゼします。

    3.少し火を弱めてりんごから水分が出てきたら再び強火で水分を飛ばします。

    【ポイント】
    ずっと強火のままでは焦げすぎるので、りんごを入れたら一旦火を弱めます。りんごから水分がたくさん出てきたら、再び強火で煮汁がほとんどなくなるまで水分を飛ばします。

    4.残りの半量も同様に作り、型に隙間なく詰めるように並べます。

    【ポイント】
    ・ゲル状に固まった煮汁はペクチンが含まれていてタルトタタンの形を保つためには大切なので、これも一緒に型に入れます。
    ・りんごは型に押し込むような気持ちで隙間なく詰めて並べるのが形よく仕上げるポイントです。

    5.あらかじめ焼いておいた生地をのせて200℃のオーブンで20分、170℃に下げてさらに20分焼きます。

    【ポイント】
    生地が型からはみ出すくらいまでりんごがいったん膨らみ、煮汁があふれ出るくらいまでしっかり焼き込みます。

    6.冷めたら型のままで冷蔵庫に入れて一旦しっかりと冷やし、型の周りを温めて取り出して食べます。

    【ポイント】
    ペクチンが固まって形が落ち着くまで冷やしてから、温めた濡れ布巾またはガスバーナーで型の周囲を温めると簡単に型から出てきます。

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    基本のタルトタタン


    タルトタタンには紅玉が向くといわれていますが、今回私はシナノスイートやジョナゴールド、ふじなどさまざまな品種で試してみました。食感や味わいなどそれぞれの良さがあり、紅玉にこだわらず自分の好みを探してみるのもお菓子作りの楽しさだなと思いました。

    生で食べるのとは違った濃厚な美味しさが楽しめるので、旬の新鮮なりんごがたくさん手に入ったらぜひタルトタタンにチャレンジしてみてください。



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    六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。

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