マカロンは難しいお菓子です。失敗につながる原因が多岐にわたるので特定しにくく、何度挑戦してもなかなかうまくいかないこともあります。私自身、失敗を繰り返し悔しくて朝から晩まで来る日も来る日も焼き続けて何とか安定して焼けるようになってきました。それでもまだまだ失敗します。 何度も繰り返し挑戦する中で私なりに分かったことや工夫していることなどできるだけ詳しくこのレシピに書いたつもりです。これからマカロンにチャレンジしてみたい人や、なかなかうまくいかなくて悔しい思いをしている人の役に立てたら嬉しいです。
コツやポイントがいっぱいあるので、なかなか1回で大成功は難しいと思いますが何度か挑戦してコツをつかんでください。
アーモンドパウダーと粉糖をザルでふるっておく。(目の細かいふるいだとアーモンドパウダーが詰まるのでザルでふるいます) オーブンを100度に予熱する。
ボールに卵白を入れハンドミキサーでふわっとかさが増すまで泡立てる。
グラニュー糖①の半量を加え、ハンドミキサー高速で1分半泡立てる。 さらに残りのグラニュー糖①を加え高速で2分、低速で1分泡立てる。 バニラビーンズ(バニラペースト)を加える。
合わせてふるった粉類を加え、ゴムベラで切るように5回 (写真は切る動き)
5回切ったら、底からすくってひっくり返す。(写真はすくってひっくり返すところ) 3,4を合計6回繰り返す。 6回終えた時点でアーモンドパウダーの粉っぽさはほぼなくなるが、まだムラがありぼそぼそしている。アーモンドパウダーとメレンゲがやっと混ざり合ったくらいの状態。
次に底からすくってひっくり返すのを20回繰り返す。 だんだんムラがなくなり、なめらかになってくる。
伸ばした生地をきれいに集めて、また伸ばす。 これを10回繰り返す。だんだんとつやが出てきてトロトロしてくる。
オーブンシートかシルパットを敷いた天板に 3㎝程度の丸を目安に絞り出す。 私はこの生地量で20枚絞り出して作っています。 この時、オーブンシート(シルパット)の下に3㎝の円を描いた紙を敷いて目安にすると同じくらいの大きさに絞り出せます。 絞り跡がいつまでも消えていかないのはマカロナージュ不足なので、いったんボールへ絞り出して1~2回マカロナージュを足すといいですよ。絞り終えた生地もゴムベラかカードですくい取ってもう一度絞り直します。 逆に絞り出してすぐに生地が広がってしまうようならマカロナージュ過多です。こちらは元には戻せないので次に作るときのマカロナージュのやりすぎに気を付けましょう。 マカロナージュしすぎでうまく焼けなかったマカロンはラスクにしてリメイクできますよ。
*焼き時間と温度について* 焼時間と温度についてはオーブンによってかなりの差が出ます。何度か焼いてみて、焼き色や焼け具合を見て、調節する必要があります。 うちのオーブンでは150度以上では焼き色が付きすぎるので、140度に設定しています。また5分以上焼くと焼き色がついてきてしまうため、140度で3分半焼きピエが出たところで一度蓋を開けて中段に天板を1枚入れ、さらに140度で8分半焼き、そのまま余熱で5分おいてから取り出す、というのがベストでした。 140度では生焼けになってしまうオーブンもあると思います。 また、最初200度くらいに予熱しておかないと庫内温度が低すぎて焼きあがらない場合もあります。 オーブンシートとシルパットのどちらを使うかによっても焼け具合に差が出ます。
*失敗の原因について* ①ピエが出ない ・メレンゲの泡立て不足・・・・メレンゲはこのレシピではしっかり時間をかけて立てているので大丈夫だと思います。 ・乾燥不足・・・・乾燥不足についてもオーブンで乾燥させるため、天気や季節に左右されず、大丈夫だと思います。焼く前に表面を触って薄い膜が張ったような状態になっているか確かめてください。 ・オーブンの火力不足・・・オーブンの火力不足については予熱温度を高くして庫内温度を上げる必要があるかもしれません。 ・乾燥させすぎ・・・乾燥させすぎの場合もピエが出にくくなる場合があります。ピエが出るべきところまで乾燥して固まってしまっていることが原因です。写真は乾燥させすぎでピエが一部しか出ず、ゆがんでしまったマカロンです。
*マカロン失敗の原因* ③高さが出ない、しわになる、・・・マカロナージュのし過ぎで生地の流動性が高くなりすぎている場合。絞り出した時点で形もきれいな丸を保てず、ゆがんだ形になっています。表面にしわが寄り、食感も柔らかすぎてもろくなります。
*失敗の原因について* ④マカロン空洞 ・メレンゲの泡立て不足、マカロナージュしすぎ・・・気泡がつぶれすぎ、持ち上がる力が弱い場合に起こります。このレシピについてはメレンゲの泡立て不足は起こりにくいと思います。 ・オーブン温度が低い、焼時間が短い・・・膨らんだ生地がまだ生っぽくオーブンから出した後で沈んでしまうため。 ・自然乾燥の場合、乾燥時間が長すぎる・・・表面がなかなか乾かず長時間室温においておくことでメレンゲの力が弱まってしまい、膨らみが悪くなってしまう。このレシピではこれを防ぐためオーブンで短時間で乾燥させています。 ・マカロナージュが足りない・・・生地が持ち上がりすぎて、焼き上げ後にしぼんでしまうことによる。ピエが出て膨らみもよく、焼け具合もいいのに空洞ができるならマカロナージュをあと1~2回増やしてみるとうまくいくかも。焼きあがった直後に割ってみて、その時点ですでに空洞なら焼き足りていない可能性があるのでオーブン温度や焼き時間の調節が必要です。 ・オーブンの下火が強い・・・これは家庭用の電子レンジオーブンでは起こりにくいです。
*マカロンの失敗原因について* ⑤油じみ 焼き上がり後に表面に油が浮いたようなシミになること。ココアや抹茶、コーヒーなど油の成分が入った材料を使っているときに起きやすい。マカロナージュを控えめにすることで防ぐことができます。 また、アーモンドパウダーの質が悪い(古い)ことが原因になることもあるようです。
・卵白は割りたての物を使うより、一度冷凍したものや割って2~3日冷蔵庫に置いたものの方がうまくいくこともあるようです。何度か挑戦してもうまくいかない場合、卵白を変えてみるのもいいかもしれません。 ・グラニュー糖、粉糖がたっぷり入っているので気になる方もいるかもしれませんが、砂糖の量は減らしてはいけません。
私自身、来る日も来る日もこ~んな量焼いては、納得いかずまた焼いてという日々を繰り返しました。 だから失敗して悔しい気持ち、よ~くわかります! 失敗したマカロンコックは乾燥焼きにしておやつに♪ おいしく食べちゃえば失敗じゃない! https://oceans-nadia.com/user/199129/recipe/407086 さらにこのラスクを使ったお菓子も。 https://oceans-nadia.com/user/199129/recipe/407088 これは大人気でこれを作ってほしいとリクエストがあるほど。
***バタークリームの作り方*** ボールに卵黄とグラニュー糖②を入れ、すり混ぜる。 鍋に牛乳を入れ沸騰直前まで沸かす。
温めた牛乳を少しずつ卵黄のボールに注ぎ入れ、よく混ぜる。
鍋に戻し入れ、弱火で混ぜながら加熱する。 最初は白い泡がいっぱい浮いた状態が徐々に泡が消えて黄色くなってきます。
なべ底をゴムベラでこすってみて、写真のように筋が通るようになればOk。 冷ましておく。
27が冷めたらバター(食塩不使用)を耐熱ボールに入れ電子レンジ600wで30秒ほど温めて柔らかくする。 27を少しずつ加えてなめらかになるまでよく混ぜる。 できたバタークリームの半量を使用する。残りのバタークリームはラップでぴったりと包んで冷凍保存し、次回使えます。使うときは自然解凍してから電子レンジで少し温め練り直して柔らかい状態に戻します。 口金(まるでも星でもお好みで】を付けた絞り袋に入れる。
マカロンの平らな面に絞り出し、もう1枚のマカロンで挟む。クリームが端までいきわたるように少し押さえる。 クリームを絞り出すとき、マカロンの平らな面を指で少し押さえてくぼませるとクリームをたっぷり挟むことができます。空洞が気になる場合にも、この方法はお勧めです。 冷蔵庫で一晩寝かせてクリームがなじんだら出来上がり。
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hoppe
料理研究家
六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。