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がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.4|「寒仕込み味噌」

郷土料理研究家として活躍中のNadia Artistがまざわたかこさんに、毎月いろいろな季節の手仕事を教えていただく手仕事連載。今回は、最も寒さが厳しい冬の時期に仕込む「寒仕込み味噌」を教えていただきます。今回は、初めての方でも分かりやすいように丁寧に作り方を紹介していただきました。ゆるりとした気持ちで、寒仕込み味噌作りを楽しんでみてください。

キーワード
味噌 手仕事 わざわざ手仕事連載
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熟成されていく時間を楽しむ、寒仕込み味噌

私のふるさとは発酵文化の盛んな町で、昔からあちこちに麹屋さんがあります。お味噌をお願いすると麹屋さんが来てくれて、物置小屋に置いてある大きな木樽の中に仕込みたてのお味噌を詰めに来てくれて、数か月熟成させて良い香りがしてきたら食べるというのが日常でした。

学生時代にひとり暮らしをするようになり、パック入りのお味噌を買って初めて、うちのお味噌の美味しさを思い知ったのでした。美味しさもさることながらわざわざ手作りしたくなる理由は、お味噌が熟成されていく時間を楽しみたいから。

忘れた頃にふわっと広がり始めるお味噌の香りは、心が躍るほどいい香り。微生物の力で時間をかけて熟成され、色も香りも味わいも変わっていく様子を見る度にいつも「お味噌は生きているんだなぁ」と感じずにいられません。そんなときにふと、ふるさとの木樽の味噌を思い出すのです。

 

寒い時期に仕込むのが美味しい

寒仕込みの味噌は寒の内といわれる1月5日頃から節分までの時期に仕込む味噌とされていて、この時期はゆっくり発酵が進むため、味に深みが出て美味しくなると言われています。大豆をやわらかく茹でるのは少し時間がかかりますが、寒い台所いっぱいに広がる大豆の良い香りに癒される時間でもあります。どれどれ今年の大豆はどうかな、と茹でたての大豆の味見も大事な確認。栗のような上品な甘さに今年のお味噌も美味しくできそうと期待がふくらみます。

こだわった手作りお味噌もいいけれど、私は毎年ほどほどに、おおらかに、ざっくりと、の気持ちで作っています。それでも十分美味しく仕上がってくれます。今回は初めての方でも分かりやすいように細かく記載していますが、そんなに神経質にならずゆるっと寒仕込み味噌作りを楽しんでみてください。

 

寒仕込み味噌の作り方

 

【材料(作りやすい分量)】

※できあがり約2.7kg・麹歩合20歩の甘口味噌になります。

大豆 500g
米麹 1kg
塩 310g(塩分濃度およそ11%) ※大豆の茹であがりの質量や煮汁量によって変わります

【下準備】
まずは使う道具を用意します。

・保存容器
・大きめのボウル
・ざる
・ゴムベラかスケッパー
・内蓋か平皿
・重石など
※使用する道具類はきれいに洗い、煮沸するかアルコール消毒してなるべく雑菌が入らないようにしましょう。
※今回は2.7kg仕込みで保存容器は野田琺瑯のラウンドストッカー18cm(容量4.5L)を使用しています。(ほかの保存容器はでもジッパー付き保存袋でも大丈夫です。)
※重石がない場合は1kg入りの砂糖や塩を重石代わりにしてもいいですよ。衛生的に気になるので、アルコールで拭き取った後にラップでぐるぐるに巻いてから使うと安心です。

 

【作り方】

1.【前日準備:その1】
傷みのある大豆があれば除いて洗います。大豆は汚れている場合もあるので、両手で軽くこすり合わせるように洗ってください。途中、水を何度か替えて洗いましょう。

2.【前日準備:その2】
大豆をたっぷりの水で浸水させます。容量が約2倍に増えるので、大きなボウルかたらいで行うようにしましょう。浸水には18時間くらいかかるので、翌日何時から仕込むのか逆算して、前日に浸水し始めます。

3.【ここからが当日の作業】
大豆がしっかりと吸水すると、豆のシワががなくなって皮がピンと張ります。
※重さは1200gくらいになっていました。

4.大豆をやわらかく煮ていきます。今回は時間短縮のために圧力鍋を使いました。
※大豆の量が多いので、鍋の大きさに合わせて3回に分けて煮ました。お使いの圧力鍋の大きさに合わせて量を調節してください。

5.圧力鍋に大豆と3倍の水を入れ、付属の蒸し蓋や中かごをして加熱します。そうすることで、豆が揺り動かされることなく薄皮がはがれにくくなります。加圧が始まったら弱火にして約15分加熱。その後、火を止めて放置し、自然減圧させましょう。

※加圧時間はお使いの圧力鍋に応じて調整してください。普通の煮豆に比べてやわらかくしたいので、標準時間があればプラス5分ほど長く加熱するといいですよ。
※大豆の薄皮がはがれて蒸気口をふさいでしまうことがありますので、火元を離れず異常があれば加熱を中断してください。

6.煮あがったらざるにあげて、大豆と煮汁に分けます。

※煮汁は使うのでとっておいてください。
※数回に分けて加圧調理する際は、その都度鍋や蓋の蒸気口をしっかり洗いましょう。

【鍋で煮る場合】
鍋で煮る場合は3~4時間ほどかかります。長時間煮ていると鍋底が焦げてくることもあるので、大きな厚手の鍋を使ってとろ火でコトコト煮ましょう。常に煮汁に浸かっている状態を保つように水を足しながら、蓋をして煮ます。徐々に薄皮が取れやすくなるので、大豆はあまり混ぜないようにするといいですよ。煮えあがりのかたさは、親指と小指で抵抗なくつぶれる程度です。

7.煮た大豆を温かいうちにつぶします。ボウルの上から麺棒でつぶしても、丈夫な袋に入れて揉み込んでも、瓶を使ってつぶしても、ハンドブレンダーでつぶしてもいいです。量が多いので一度にやらずに、煮あがった順に小分けにするとやりやすいですよ。

8.大豆を煮ている間に塩切り麹を作ります。米麹はかたまっているところがあるのでほぐします。分量の塩はひと握り程度残しておき、米麹とすり合わせるように全体を合わせていきます。
※手荒れがある方は塩が染みて痛いので、使い捨て手袋をするといいですよ。

9 .塩切り麹と大豆を合わせます。つぶした大豆は熱すぎると麹の菌が死んでしまうので、はじめに茹で終わったものと合わせて人肌ほどの温度になるのがベストです。つぶした大豆に塩切り麹を何回かに分けて合わせています。大豆にまんべんなく塩切り麹が混ざらないとカビてしまう原因になるので少量ずつ加え、全体にいき渡るようにしっかり混ぜます。

10.かたいようなら、取っておいたゆで汁(熱すぎないもの)を加えて混ぜますが、いつも食べている味噌より少しかためくらいのかたさにします。
※今回加えたのは260mlくらいでした

11.ちょうどよいかたさになったら、空気を抜くようにボール状に丸めます

12.保存容器にボール状にした味噌を投げつけて空気を抜きながら詰めていきます。

13.味噌を投げつけるごとに拳でギューッと上から押し込んでさらに空気を抜くようにすると隙間ができず、カビにくくなります。
※ジッパー付き保存袋で作る方は袋の端から一つずつ押し込むように空気を抜きながら詰めていきます。

14.表面を平らにならします。容器の側面についた味噌などは、きれいに拭き取ってカビを防止します。

15.空気に触れるとカビやすくなってしまうので、とっておいた塩を表面にふりかけてラップをかぶせて密着させます。

16 .内蓋をして重石をしたら、ほこりをかぶらないように蓋をします。内蓋の代わりに平皿、重石の代わりに塩などを使っても良いですよ。容器に収まればペットボトルでも良いです。いつ仕込んだか分かるように日付などを書いておくのがおすすめです。

17.味噌はなるべく温度が一定な場所において4か月から1年熟成させます。

※冷蔵庫に入れると熟成が進まないので熟成中は入れないようにしてくださいね。
※ときどき蓋を開けて確認し、カビていないか確認します。
※カビている箇所があれば、清潔なスプーンなどで取り除きます。
※良い香りがしてきたら熟成が進んできているしるしです。色味や味をみて、お好みの熟成具合になったら熟成を止めるため冷蔵庫に入れて保存します。

●レシピはこちらをどうぞ
寒仕込み味噌


 

【塩分濃度の計算方法】

意外と分かりにくい塩分濃度の計算方法もご紹介します。大豆が茹であがって重量がいくらになるのかによって加える塩の量は変わりますので厳密に計算したい場合は茹であがりの大豆の重量や加える煮汁量を測らなければなりません。今回の分量で、例えば塩分濃度12%で仕込みたい場合・・・88%が塩以外ということなので、
1220g(茹であがりの大豆の重さ)+1000g(米麹さの重さ)+260g(茹で汁の重さ)=2480g←塩以外の重量
2480g÷88g=2800g(塩を含んだ全体の重さ)
2800g-2480g=320g
塩分濃度を12%にしたい時の塩の分量が320gという事になります。ご参考になさってください。



お味噌が美味しいとなぜだかご飯が美味しく感じます。時間をかけてできあがったお味噌を使うから、ご飯を作るにも自然と丁寧になっているのかもしれません。美味しそうに頬張る夫を見ていると、来年も絶対お味噌を作ろうと思うのです。ぜひみなさんも寒仕込み味噌作りを楽しんで、美味しいお味噌を味わってくださいね。

 

これまでの連載は こちら!

 

このコラムを書いたNadia Artist
 
料理家 がまざわ たかこ
https://oceans-nadia.com/user/22477

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味噌 手仕事 わざわざ手仕事連載
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