春を呼び込む、よもぎ餅
暦の上では3月だというのにおうち時間が多いせいか、なんだか春らしさを感じる機会が少なく春欠乏症気味。
雪国育ちの私にとって春は特別で、鬱々とした冬の寒さと薄暗さから解放されて、目でも音でも匂いでも全身で春を感じたい衝動にかられます。
そんなときには、よもぎ餅作り。おうちに春を呼び込んで、ささやかな春を味わいます。和菓子屋さんでも春には必ずよもぎ餅がお目見えするけれど、よもぎ餅はやっぱりおうちで作りたい。忙しくても自分で作らないともったいない気さえしてきます。
自分で手を動かして春を感じ、季節を感じることは何にも変えられないうれしさや楽しさがあるし、忙しい毎日に流されてしまいそうだけれど、そんなときこそあえてじっくり季節の手仕事に向き合ってみる。
そんな手仕事の小さな積み重ねが暮らしを紡いで、ほんの少し心を豊かにしてくれるような気がします。春のよもぎはやわらかく、アクも少ないので春のよもぎ餅作りは特別な下処理もいらず、作り方も簡単です。どうしても手に入らない場合は乾燥よもぎもありますが、ぜひフレッシュなもので作って香りを楽しんでほしいです。
よもぎ餅(草餅)の作り方
【材料(4人分)】
よもぎ(生) 80g
白玉粉 150g
上白糖 150g
水 140ml
粒あん 240g
片栗粉 適量
きなこ 適量
作り方
【下準備】
よもぎは水を替えて何度か洗い、やわらかい葉を摘んでかたい茎は除きます。
1.湯を沸かして塩(分量外)を入れ、よもぎ(生)を1分程度ゆでます。
※春の時期のよもぎでない場合や、葉がかたい場合は重曹を少し入れると良いですよ。
2.冷水に取り、さっとさらしたら水気を絞ります。
※香りが飛んでしまうので長くさらしません。アクが強い場合や重曹を使った場合は、長めにさらしてください。
3.包丁で細かく切ったらすり鉢ですってペースト状にします。すり鉢がない場合は、フードプロセッサーなどを使ってください。
4.ボウルに白玉粉と上白糖を入れ、水を少量ずつ加えながらゴムベラでなめらかになるまで混ぜます。
5.3のよもぎを入れてよく混ぜます。
※この段階でよもぎを入れないと餅に混ざりにくくなりますので注意しましょう。
6.ラップをかけて600wの電子レンジで2分加熱→取り出して混ぜる→1分30秒加熱→取り出して混ぜる→1分加熱→取り出して混ぜると段階的に加熱します。
徐々に火が入り、餅に透明感が出てよもぎの色も濃く感じるようになります。
※ゴムベラに餅がくっつきやすくなってくるのでその都度、水で濡らしてから混ぜてください。
7.【やわらかく仕上げるポイント!】
冷水を入れたボウルに、アツアツの餅を入れて粗熱が取れるまで3分~5分程度冷まします。
水の中で平らにのばして均一に冷めるようにします。このひと手間でお餅がやわらかく仕上がりますよ。
8.水気を切ってすり鉢に入れ、水で濡らしたすりこぎで5分ほどつくと、さらに伸びの良いなめらかなお餅になります。
※すり鉢がない場合はボウルと麺棒で代用できます。
9.片栗粉をひいたバットに取り出し、全体に片栗粉をまぶしたら8等分に切ります。
10.粒あんは30gずつに丸めておきましょう。
●あんこを手作りする場合はこちらをどうぞ
基本の粒あん
11.刷毛で余分な片栗粉を払ったら、よもぎ餅に粒あんを包んでいきます。
※包むときも餅が手にくっつきやすいので、水を指に少量つけながら行うと包みやすいです。
12.きなこをひいたバットに、包んだよもぎ餅を並べて上からきなこをふります。
●レシピはこちらをどうぞ
よもぎ餅
よもぎの色の鮮やかさや香りは春らしさいっぱいで、よもぎ餅を作っていると我が家にささやかな春がやってきた気持ちになります。
やわらかいよもぎ餅はついつい手が伸びる美味しさ。もっとたくさん作れば良かった、なんてこともしばしばです。
ぜひ、美味しいよもぎ餅を作って春の手仕事を楽しんでくださいね。
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