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    • 公開日2022/04/07
    • 更新日2022/04/07

    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.19|桜の塩漬け

    郷土料理家として活躍中のNadia Artistがまざわたかこさんに、毎月いろいろな季節の手仕事を教えていただく手仕事連載。今回は、桜の塩漬け。春色の季節を閉じこめる気持ちで作る桜の塩漬けは、パウンドケーキと千枚漬けの2つのアレンジレシピもご紹介。春を感じる手仕事、ぜひお試しください。

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    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.19|桜の塩漬け

     

    春色の景色を閉じ込める、桜の塩漬け

    桜もちや桜おこわなどでよく目にする桜の塩漬け。かわいらしいピンク色に桜の美しさや儚さ、のどかな春の空気感も感じられてなんとも心惹かれてしまいます。今年も、八重桜の一大産地である神奈川県秦野市に行ってきました。

    ソメイヨシノが見ごろを終えて、数日後に八重桜の収穫が始まります。あちこちに桜が咲き乱れて山全体が春色に染まる、牧歌的な景色が広がっていました。

    摘み取りさせてもらった桜を、春色の景色やあの空気も一緒に閉じ込める気持ちで塩漬けしていきます。

     

    春を感じる【桜の塩漬け】の作り方

     

    【材料(作りやすい分量)】

    桜 150g
    粗塩 30g
    白梅酢 大さじ4
    粗塩(保存用) 適量
    ※桜は八重桜を使用しました。品種は関山(かんざん)、普賢象(ふげんぞう)などがおすすめです。

     

    作り方

    1.桜を摘み取ります。食べるものなので農薬を使っていない安心なものを用意しましょう。できれば5〜6分咲きのものを摘み取りますが、少し開いている桜でも湯に浮かべたときにボリュームが出るのでこれはこれですてきです。ただ、開きすぎているものは作業中に花びらが取れてきてしまうので避けましょう。
    ※桜の分量は量りづらいですが、スーパーの袋の大サイズに詰めると、約1/3量で桜250g程度になりますよ。

    2.桜は傷むのが早いので、摘み取ったらすぐに水を溜めたたらいに入れてそのまま1時間ほど放置します。小さな虫が付いていることが多いのですが、水に浸けることで自然と出てきてくれますよ。

    3.水を流しながら桜を優しく洗って、手でザルにすくい上げる作業を2、3回繰り返して汚れを除きます。

    4.ザルに上げたら広げて3時間ほど水気を切ります。まだ水気が残っているようなら清潔なタオルで少量ずつふんわりと巾着状に包み、軽く振って水気を除きましょう。

    5.桜の軸のかたい所を取ります。大きすぎる花がいくつか繋がっている場合は切り離します。

    6.桜が入る大きさの保存容器かボウルを用意し、アルコール消毒します。桜の重さの20%分の粗塩を用意し、少しつまんで容器の底に広げたらその上に桜を入れ、重ねて塩を、その上に桜と順に入れていきます。

    7.少量の粗塩を残しておき、桜を全部詰め終わったら上からふりかけてラップをかけます。保存容器に合う大きさの平皿などで落とし蓋をしたら、同じくらいの重さの重石をします。(今回はジャム瓶を使用しました)

    8.気温が高いようなら冷蔵庫で2日ほど漬けます【下漬け】。1日経ったら重石は取ります。ときどき保存容器を傾けて、溶けてきた粗塩を全体に行き渡らせるようにします。

    9.漬け終わったら、使い捨て手袋などをして優しく水気を絞ります。

    10.梅酢を用意します。自家製梅干を漬けている方は梅酢があると思いますが、ない方はもちろん市販品でもOK。色を濃いめに付けたい方は、赤梅酢でも良いでしょう。どちらも手に入りにくい場合は米酢でも大丈夫です。

    11.アルコール消毒した保存容器に水気を絞った桜を入れ、白梅酢を回しかけ、なじませたらラップをして平皿などで落とし蓋をして冷蔵庫で3日ほどおきます。
    ※塩漬けの時点で桜の色がくすんでしまいますが、梅酢など酸性の液体に漬けることで鮮やかになります。

    12.桜が色鮮やかになったら、両手で軽くプレスして水気を切り桜をほぐして重ならないようにザルに並べます。花びらが開きすぎているものは形を整えます。

    13.半日程度、半日陰で干します。乾燥させすぎると色があせてしまうので、ややしっとり感が残る程度にします。

    14.清潔な保存瓶に入れ、粗塩(保存用)を加えて混ぜます。

    ●詳しいレシピはこちら
    桜の塩漬け

     

    春満点、桜の塩漬けのアレンジレシピ

     

    見た目もかわいい♪桜といちごのパウンドケーキ

    桜の塩漬けは見た目のかわいさにキュン! とする人も多いのではないでしょうか。桜と相性の良いいちごと合わせた春満点なスイーツをご紹介します。

    【材料(8×17.5×6cmパウンド型1本分)】
    無塩バター 100g
    上白糖 80g
    卵 1個
    桜の塩漬け 25g
    いちごジャム 20g
    薄力粉 100g
    ベーキングパウダー 小さじ1/2
    A粉糖 50g
    A練乳 20g
    Aいちごジャム 10g
    A水 小さじ1/2

     

    作り方

    【下準備】
    ・無塩バターはボウルに入れ、指で軽く押せるやわらかさになるまで常温においておきます。
    ・桜の塩漬けは5分ほど水に浸けて塩抜きします。キッチンペーパーで水気をふき取り、飾り用に6個ほど取っておき、残りはみじん切りにします。
    ・使用する卵は常温にしておきましょう。
    ・パウンド型は四隅に切り込みを入れてオーブンシートを敷いておきます。

    2.薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるいます。

    3.無塩バターはホイッパーで混ぜます。上白糖を加えて白っぽいクリーム状になるまでよく混ぜたら常温にしておいた卵を加え、均一になるまで混ぜてください。

    4.いちごジャム10gと、刻んだ桜の塩漬けを加えて混ぜたらゴムベラに持ち替えてさらに2を加えて混ぜます。

    5.生地を型に流し入れ、表面をならして高い所から落として空気を抜きます。170℃のオーブンで35分焼き、楊枝を刺してみて生地がついてこなければ取り出して冷ましましょう。

    6.練乳いちごのアイシングを作っていきます。小さいボウルにA(粉糖、練乳、いちごジャム、水)を入れてよく混ぜ、パウンドケーキの上からかけてください。

    7.アイシングが乾かないうちに、飾り用に取っておいた桜の塩漬けを等間隔にのせます。アイシングがかたまったら完成です。

    ●詳しいレシピはこちら
    桜といちごのパウンドケーキ

     

    桜を感じる、かぶの千枚漬け

    桜の塩漬けはスイーツだけでなくお漬け物にも使えます。今回は、かぶの千枚漬けをご紹介。桜の風味の移った塩も無駄なく活用して春らしい彩りで仕上げましょう。

    ●詳しいレシピはこちら
    桜香る かぶの千枚漬け。

    桜の手仕事は桜の美しい一瞬をぎゅっと閉じ込めるようで、桜を愛する日本の精神を感じたりもします。ぜひ手作りの桜の塩漬けで春らしい食卓を楽しんでくださいね。

     

    これまでの連載はこちら!

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    このコラムを書いたArtist

    がまざわ たかこ
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    がまざわ たかこ

    料理家/郷土料理研究家/調理師 ホテルでの和食調理、保育園給食などに従事した経験から現在は 料理教室、レシピ開発、イベント講師、コラム執筆、小学校での食育授業など活動は多岐にわたる。 7年の旅行会社在勤中に目覚めた各地の料理や食文化の魅力にはまり郷土料理研究家の道へ。 作り続けたい定番の家庭料理や、地味だけどおいしい!な『心がほっこりするごはん』をモットーに身体も喜ぶ素朴なごはんを目指し活動している。

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