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    • 公開日2021/09/09
    • 更新日2021/09/09

    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.12|干し野菜

    郷土料理家として活躍中のNadia Artistがまざわたかこさんに、毎月いろいろな季節の手仕事を教えていただく手仕事連載。今回は、がまざわさんが毎年の夏の疲れをリセットさせたいときに作る「干し野菜」です。アレンジレシピもたくさんご紹介しています。ぜひお試しください。

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    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.12|干し野菜

     

    素材のうま味を感じられる、干し野菜

    日中の暑さが朝、晩には嘘のように和らいで、虫の声にも風の匂いにも秋が近づいてきていることを感じる季節ですね。

    盛夏が過ぎると、いつも巡ってくる「なんだか元気が出ない」なお疲れモード。そんなときには干し野菜をふんだんに使った美味しいご飯で夏の疲れをリセットするのがここ数年のルーティンになりました。

    秋の入り口のこの季節。まだ残る強い日差しと秋風でほどよく水分が抜け、素材のうま味が残った美味しい干し野菜に仕上がります。

    家庭菜園で採れ過ぎたり、食べきれないときにも干し野菜にすると無駄がなくて便利ですし、調理しても煮崩れしにくくなったり、火が通りやすく調理時短になったりと良いことづくめ。でも干すことのメリットはなんといってもその美味しさ。素材のうま味が凝縮されて生野菜から調理したときとは違った美味しさに仕上がります。

     

    干し野菜の作り方

     

    【おすすめの野菜】

    なす 2本
    かぼちゃ 1/6個
    いんげん 10本
    ズッキーニ 1本
    パプリカ(赤・黄) 各1個
    玉ねぎ 1個
    ゴーヤー 1本
    ミニトマト 10個

    今回の野菜は夏から秋にかけてのおすすめの野菜です。干しやすい切り方でご紹介していますが、乾きやすい形状であればどんな切り方でも大丈夫です。

    作るお料理が決まっているならそれをイメージして下ごしらえすると良いと思います。なるべく表面積を多くして厚みを抑えることで水分が抜けやすくなります。

     

    野菜の切り方

    【なす】厚さ5mm幅の輪切りか、ひと口大の乱切りにし、水に5分ほど浸けてアク抜きします。干す前にはキッチンペーパーで水気をしっかりふき取ります。

    【かぼちゃ】種とわたを除き、3mm幅の薄切りにします。

    【いんげん】へたとすじを切り落として食べやすい大きさに切り揃えます。

    【ズッキーニ】へたを切り落として5mm幅の輪切りにします。

    【パプリカ】へたと中のわた、種を除いて3mm幅の薄切りか、ひと口大の乱切りにします。

    【玉ねぎ】皮をむき、3mm幅の薄切りかひと口大の乱切りにし、1枚ずつはがします。

    【ゴーヤー】5mm幅の輪切りにします。わたも種も食べられますが、気になる方は取り除いてください。(種は乾燥すると自然と取れてきます。)

    【ミニトマト】へたを除き、半分に切ります。完全にドライにしたい場合や時間がない場合はスプーンで種を除いて、キッチンペーパーで水気を除きます。

     

    干し方

    切った野菜は盆ざるに重ならないように並べ、天気の良い日に、風通しが良く日の当たる場所で干します。切り口を上にして干し、数時間ごとに裏返すとまんべんなく干せます。ゴミや虫が心配な場合は干しかごがあると便利です。

    野菜を洗った際の水気はしっかりふき取ることもうまく干すためのポイント。

    干し時間は天候や湿度にもよりますが6時間から3日程度。夜には一度室内に取り込みます。3時間ほど干しただけでも表面の水分が抜けて味が凝縮されます。セミドライからドライでお好みの乾き具合になるまで干します。

    干したものの天候が悪い、湿度が高めなど環境が良くない場合は100℃のオーブンで20分~1時間ほど高温で乾燥させます。

     

    保存方法

    カラカラの干し具合になれば乾燥剤を入れて密封瓶などに。セミドライの場合はカビやすいのでジッパー付き保存袋などに入れて冷蔵庫で保存し3~4日で食べきります。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    干し野菜の作り方

    干し野菜を調理していると気付く、いつもとは違う香りの良さ。水分が抜けているおかげで加熱するとすぐに香り立ち、色も鮮やかに。煮物にも揚げ物にも汁物にも大活躍で、調理にかかる時間もかなり短縮できるのもうれしいポイント。

     

    干し野菜を使ったレシピ

    干し野菜を使ったおすすめレシピを3つご紹介したいと思います。まずイチオシしたいのがラタトゥイユ。煮込み時間はたったの5分。シンプルな調味料だけで作るのであっさりと、でも滋味深い美味しさに仕上がります。

     

    干し野菜のラタトゥイユ

    【主な材料】
    干しミニトマト 10個
    干しズッキーニ 1本
    干しなす 1本
    干しパプリカ(赤・黄) 1/2個ずつ
    干し玉ねぎ 1/2個
    にんにく 1片
    ローリエ 1枚
    オリーブオイル 大さじ2~3

    干し野菜のラタトゥイユはできたても美味しいですが、一度冷蔵庫で冷やしてから食べるのもおすすめです。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    うまみ凝縮!干し野菜のラタトゥイユ

     

    満足感抜群の、野菜たっぷりちらし寿司

    素揚げした干し野菜をめんつゆに漬けて、酢飯にのせるちらし寿司です。野菜だけなのに満足感たっぷりです。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    干し揚げ野菜のちらし寿司

     

    干しゴーヤーと合う、ピリ辛チゲスープ

    ゴーヤーは干したことで苦みが抑えられ、うま味が増し、そのまま食べるときとまた違った味わいに。牛肉と合わせたピリ辛スープで残暑におすすめのレシピです。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    干しゴーヤと牛肉のチゲスープ

    干し野菜を素揚げにした野菜が主役のちらし寿司や、ほろ苦でピリ辛な干しゴーヤーのチゲスープなど、干し野菜をふんだんに使ったレシピは美味しさも栄養も体にじんわり染みわたるようで夏の疲れもいつの間にか吹き飛ぶ気持ちになります。

    なごりの夏野菜で干し野菜作り、ぜひお試しくださいね。

     

    これまでの連載はこちら!

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    がまざわ たかこ
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    がまざわ たかこ

    料理家/郷土料理研究家/調理師 ホテルでの和食調理、保育園給食などに従事した経験から現在は 料理教室、レシピ開発、イベント講師、コラム執筆、小学校での食育授業など活動は多岐にわたる。 7年の旅行会社在勤中に目覚めた各地の料理や食文化の魅力にはまり郷土料理研究家の道へ。 作り続けたい定番の家庭料理や、地味だけどおいしい!な『心がほっこりするごはん』をモットーに身体も喜ぶ素朴なごはんを目指し活動している。

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