うま味が凝縮される、割干し大根
日当たりの良い古民家にずらーっと並んだ干し大根。田舎でよく目にするこんな光景からは、食べ物を大切にする丁寧で手まめな暮らし方がうかがえて心から憧れてしまいます。
そんな暮らし方にならっておうちでもできる割干し大根を手作りしてみることに。旬になりますます美味しさを増す大根ですが、干すことで食感が良くなり、うま味が凝縮され、保存しやすくなったりととても使い勝手が良くなります。
今回ご紹介する割干し大根は半干しで仕上げるので乾物ともまた違った味わいに仕上がり、戻すことなくそのまま使えるところも便利です。
割干し大根の作り方
【材料(作りやすい分量)】
大根 1本
作り方
【下準備】干すのに使う、針金ハンガーを用意してください。また、目安となるように干す前に大根の重さを計っておくと良いですよ。今回は1本1260g程度でした。
1.大根はよく洗って水分をふき、皮付きのまま縦4等分に切ります。太さのある大根の場合は6等分にしてください。
2.1/4本に切った大根の葉元を2cmほど残して切り込みを入れます。皮側から包丁を入れると安定して切り込みを入れることができますよ。
3.間隔をあけてハンガーにひっかけ、風通しが良く日当たりの良い場所で1~2日ほど干します。夜も干しっぱなしで大丈夫ですが、軒先に入れて夜露などが当たらないようにしましょう。
4.干して3日目になると表面が乾燥して大きさも小さくなっています。もともと1260gあった大根の重さが600g程度になりました。
今回は半干しにするので50%くらいの重さになったら取り込みましたが、干し時間はお好みで調整してください。干し時間が短めだとほどよいパリポリ感がでます。干すほどに歯ごたえが出て、うま味も凝縮してきますよ。
半干しは、戻すことなく煮物や炒め物、漬物にすぐ使うことができます。使うときは熱湯をさっとかけてほこりなどを洗い流すと安心です。葉の部分も干し葉になっているので、細かく刻んでお味噌汁などに入れると無駄なく美味しく食べられますよ。
すぐに使わない場合は密封袋に入れて冷蔵庫で1週間程度保存することができます。
●レシピはこちらをどうぞ
割干し大根の作り方。
歯ざわりの良い、はりはり漬け
この割干し大根を使って歯ざわりの良いはりはり漬けに。生とも乾物とも違う食感、滋味深い味わいに思わず箸がすすみます。年末年始の疲れた胃袋には特にほっとするお漬物です。
はりはり漬けの作り方
材料(作りやすい分量)
割干し大根(半干し) 250g
Aきび砂糖または砂糖 大さじ1と1/2
A醤油 大さじ3
A米酢 大さじ3
A水 100ml
だし昆布 1枚(3×3cm)
赤唐辛子 1/2本
作り方
1.調味料を用意します。赤唐辛子は中の種を除いてから水に浸けておき、輪切りしやすいようにしておきます。だし昆布は、キッチンばさみでせん切りにしましょう。
2.せん切りにしただし昆布とA(きび砂糖または砂糖、しょうゆ、米酢、水)を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて冷ましておきます。
3.割干し大根(半干し)は熱湯をかけて表面のほこりを除き、3~4cmくらいの棒状になるようにひと口大に切ります。太すぎる部分は半分の太さにします。
4.保存容器に割干し大根、赤唐辛子、漬けこみだれを入れて冷蔵庫で6時間程度おいておきます。
5.できあがりすぐに食べても美味しいですが、ひと晩ほどおいておくと味がなじんでより美味しくなりますよ。
大根の干し具合により漬かり具合も少し変わってきます。ときどき混ぜて味見しながらお好みの漬け加減で召し上がってくださいね。
●レシピはこちらをどうぞ
はりはり漬け。
寒さや乾燥、お日さまなど自然をうまく使って作る割干し大根は栄養も豊富。無駄なく美味しく食べながらも滋養のあるご飯で健やかに新しい一年を過ごしていきたいですね。
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