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    • 公開日2022/03/07
    • 更新日2022/03/07

    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.18|ザワークラウト

    郷土料理家として活躍中のNadia Artistがまざわたかこさんに、毎月いろいろな季節の手仕事を教えていただく手仕事連載。今回は、春キャベツを使ったザワークラウト。水分の多い春キャベツで作るのがおすすめなんだとか。10分で作れる簡単アレンジレシピもあわせてご紹介しています。春を感じる手仕事、ぜひお試しください。

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    がまざわたかこのわざわざ手仕事Vol.18|ザワークラウト

     

    春キャベツを使った、ザワークラウト

    まだまだ寒い日も多いこの時期。お店の売り場で春キャベツを見かけるとそれだけでほんの少し春を感じられてうれしい気持ちになります。手に取るとみずみずしくてやわらかい葉。春の陽気が伝わってくるような、この時期だけの美味しいザワークラウトを作ることに。

    ドイツの郷土料理のザワークラウトは、葉が厚くしっかりした冬キャベツで作る方も多いですが、実はおすすめは春。キャベツの水分をしっかり上げることが最大のポイントのザワークラウトは、水分の多い春キャベツで作ると失敗が少ないんです。加えて、冬に比べて暖かくなりはじめる春は発酵がしやすく、生き物を育てる感覚で発酵をすすめていく楽しみがあります。

     

    【材料(作りやすい分量)】

    キャベツ 1玉(1玉947g)
    塩 16~23g(せん切りにしたキャベツの重さの2~3%)

     

    作り方

    1.下準備として、保存瓶や使用するボウルは煮沸消毒しておきます。

    2.キャベツはよく洗い、外葉を取っておきます。

    3.キャベツは4等分に切り、芯を除いてからせん切りにします。

    4.切り終わったキャベツの重さを計り、その2~3%の塩を用意します。今回はせん切りキャベツの重さが793gでしたので23gの塩を用意しました。

    5.塩をふり入れ、握るように揉み込みます。

    6.塩が全体になじむまで揉み込んだら、しんなりして水分が出てくるまで10分ほどおいておきます。

    7.ボウルを傾けてキャベツから水分が出てきているかチェックしてから瓶に詰めます。詰めながら握りこぶしにして中にプレスするように押し込みます。ボウルに残った漬け汁も残らず瓶に入れます。

    8.外葉を瓶の大きさに折りたたみ、落とし蓋にしてのせ、せん切りキャベツが空気に触れないよう外葉を漬け汁に沈むようにぎゅっと押し込みます。

    9.軽く蓋をのせて常温で1週間から10日ほど発酵させましょう。室温が低すぎると発酵に時間がかかります。直射日光を避け、なるべく室温が一定になる場所が安心です。

    10.室温にもよりますが、漬けて2日ほどで泡が上がってきます。

    こちらは平均気温18℃前後の場所で8日間漬けたもの。漬け汁は濁り、爽やかな酸っぱい香りがします。

    発酵期間の目安は長くて3週間ほど。保存瓶にめいっぱい作った方は漬け汁があふれてきますので下に受け皿を置いておくと安心です。少し食べてみて好みの漬かり具合になったら冷蔵庫で保存します。(冷蔵庫でも発酵がゆるやかにすすみますので10日ほどで食べきるのが良いと思います。)

    乳酸菌は空気が嫌いなので、なるべく触れさせないようにして発酵させるのが失敗しないコツです。落とし蓋の代わりに外葉や、落としラップ、重石をしても良いです。

    発酵と腐敗は紙一重。うまく発酵したときは爽やかな酸っぱい香りがしますが、腐敗臭や食べてみて舌がピリピリするような仕上がりになった場合はうまく発酵できなかったと考えられますので食べるのを控えた方が良いです。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    常備菜にしたいザワークラウト。

    ザワークラウトの美味しさは酢を使った漬物とは違い、優しく爽やかな酸味が特徴。塩で漬けただけなのにどうしてこんなに美味しいの! と発酵の力に驚かされます。今回は和でも洋でも合わせられるように香辛料を加えず作っていますが、ローリエやジュニパーベリー、キャラウェイなどを加えて本格的な味わいにしても楽しめますよ。

     

    10分で簡単♪シュークルート風煮物

    このまま食べても美味しいザワークラウトですが、油と相性が良く炒めたり煮込んだりするとさらに奥深い味わいになります。ザワークラウトを使ったアルザス地方の郷土料理「シュークルート」。特別な味付けはしなくてもザワークラウトの酸味やうま味が煮込みを美味しく仕上げてくれます。

     

    【材料(2人分)】

    ザワークラウト 200g
    玉ねぎ 1/2個
    じゃがいも 1~2個
    ソーセージ 4~5本
    ローリエ あれば
    キャラウェイシード あれば
    コンソメ 1個
    水 150ml
    バター 10g
    オリーブオイル 大さじ1
    粗びきこしょう 少々
    粒マスタード お好みで

     

    作り方

    1.玉ねぎは薄切りにします。じゃがいもは皮をむいて半分に切り、耐熱皿にのせて大さじ1の水を入れて600Wの電子レンジで3分加熱します。

    2.鍋を熱してバター、オリーブオイルを入れてしんなりするまで玉ねぎを炒めます。

    3.じゃがいも、ソーセージ、ザワークラウト、ローリエ、キャラウェイシードを入れ、水、コンソメを入れて蓋をして中火で10分煮ます。

    4.粗びきこしょうを加え、味見して物足りなければ塩を少量加えてください。器に盛り付け、お好みで粒マスタードを添えます。

    ●レシピはこちらをどうぞ
    煮込み10分!腸活にも嬉しいシュークルート風煮物。

    ザワークラウト作りは乳酸菌を育てながら日一日と美味しく漬かっていく様子を楽しめるのが魅力です。美味しいだけでなく体にもいいザワークラウト。気忙しく免疫も下がりがちな春にぴったりの手仕事です。

     

    これまでの連載はこちら!

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    がまざわ たかこ
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    がまざわ たかこ

    料理家/郷土料理研究家/調理師 ホテルでの和食調理、保育園給食などに従事した経験から現在は 料理教室、レシピ開発、イベント講師、コラム執筆、小学校での食育授業など活動は多岐にわたる。 7年の旅行会社在勤中に目覚めた各地の料理や食文化の魅力にはまり郷土料理研究家の道へ。 作り続けたい定番の家庭料理や、地味だけどおいしい!な『心がほっこりするごはん』をモットーに身体も喜ぶ素朴なごはんを目指し活動している。

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