子どものころから創作が好きだった

料理は小学生のころから好きでした。自分で作ったドーナツが美味しくて、作るとこんなにたくさんできるんだ! という感動もあって。母は創作料理が得意だったし、父も味噌を仕込んだり漬物を漬けたりするのが好きだったので、家庭の影響もあるかもしれません。子どもながらに料理のアレンジを考えたりすることもあって、そのころから新しいものを生み出すことや創作に興味があった気がします。
料理の仕事に就く前は、地元・愛媛県でアパレルの仕事をしていました。もともとは販売職でしたが、人事や商談もやったし、お店の立ち上げの時期はほとんど家に帰れないこともあって多忙な日々でしたね。その後は自分でECサイトを立ち上げて、海外から買い付けた洋服や自分でデザインした布で作った洋服を販売し、10年ほど運営に携わりました。
人生は一度きり。40代半ばで料理の世界へ

料理家の道に進もうと思ったのは、40歳を過ぎてから。子どもを持つことを考え、それをきっかけに体の内側のことを意識するようになって。ご縁はなかったのですが、マクロビオティックを学んだり、発酵食品について学んだりするなかで、食の大切さを実感するようになったんです。
ちょうどそのころ同年代の友人を2人亡くしたこともあり、自分たちの人生についてじっくり考える時間が増えました。夫の仕事に対する考え方や生き方へのリスペクトもあり、もちろん家族あってのことですが、私も自分自身の人生をより大事にしたいと思うようになっていきました。
それから料理の勉強を深めてフードコーディネーターやワインソムリエの資格をとり、SNSや料理教室を運営するようになって。現在は料理研究家、動画クリエイター、インフルエンサーとして活動しています。

私が何かを決めるときは、「人生は一度きり」と本当によく思います。40代半ばで新しいことを始めましたが、やりたいと思ったときが一番若いですし、好きなことはずっと学ぶだろうし、年齢よりも自信を持ってできることが大切。だから、私は料理を仕事にしました。
好きなことを仕事にしたので、精神的には苦労を感じることはなくて「楽しい」しかないです! まだまだやりたいこともたくさんあるし、いろいろなご縁をいただけるよう、「年齢は関係ない」と言いつつも、働ける体づくりはしていかないといけないですね。
コロナ禍をきっかけにソムリエの資格を取得

ワインのおつまみレシピを本格的に考えるようになったのは、コロナ禍がきっかけです。新型コロナウイルスが流行した時期に「家飲み」が増えたことで、お酒と料理のペアリングやおつまみの提案の仕事が増えてきて。ワインはもともと好きでしたが、専門的な知識があったほうがいろいろなことをご提案できると思って、ワインソムリエの勉強を始めました。
昔からペアリングには興味がありましたが、ワインについて学んで、その背景やロマンを知ることでよりワインの世界が好きになりました。1杯のワインを合わせるだけでいつもの料理がもっと美味しくなるし、新しい発見の連続。ワインと料理が織りなすマリアージュは、料理だけでは生まれない可能性を秘めていて、そこに魅力を感じています。

えりさんのInstagramはおしゃれな世界観でファンも多数
敷居が高いと思われがちなワインですが、無理にその日のうちに1本空けなくてもいいんです! 次の日に味の変化を楽しんでもいいし、家に帰ってビールを空けるような感覚で、もっとワインを気軽に飲んでいただきたいと思っています。
「明日もがんばろう」と思える時間を過ごしてほしい

昨年(2024年)には、『こころもおなかもおいしく満たす えりの気分があがるおうち飲み』(KADOKAWA)も出版させていただきました。この本には単にレシピだけでなく、お酒との合わせ方、映える盛り付けや器など、「気分があがる」要素をたくさん詰め込んでいます。
レシピは、シンプルな作り方で体にやさしく、ヘルシーなものを中心に。メインディッシュになる料理から旬の野菜のおつまみまで、111のレシピを掲載しました。フードスタイリングではお気に入りの器も使っています。「作ってみたいな」と読者の方にワクワクしていただきたいという想いを込めて一冊を作りました。

重版続きで3刷となり、大好評なえりさんの著書
みんな忙しいこのご時世ですが、だからこそ簡単で美味しいおつまみを用意して、お酒と一緒に楽しむ…そんなひとときを過ごしてほしいのです。そして、「また明日からがんばろう!」という気持ちになっていただきたい。私からみなさんへの応援を込めた一冊です。ぜひ手にとって、ゆったり楽しい時間を過ごしていただけるとうれしいです。
発酵食品や日本酒…世界を広げる学びが楽しい

私のレシピには、発酵食品もよく取り入れています。主人の実家が味噌蔵だったことから、発酵食品はもともと身近な存在。主人の実家の麦味噌を初めて食べたときは、塩分濃度が低いのに自然な甘みがあって、何か味をつけているのかと思うぐらい美味しくて感動したんです。
知れば知るほど、発酵食品は奥が深い食べ物。いつもの料理にちょっと加えるだけで、仕上がりが簡単に美味しくなるお助け調味料でもあります。そんな素晴らしい伝統食が日本にあることに誇らしさも感じ、発酵食スペシャリストの資格をとって、料理教室でも自家製の味噌や発酵調味料の作り方を紹介してきました。

最近は、「酒ディプロマ」という日本酒の資格も勉強中なんです。試験では論述問題もあって、日本酒の材料であるお米の種類や産地、歴史などの体系的なことから、食事との相性、海外での日本酒の展望まで…さまざまなことを勉強しています。
日本酒には純米大吟醸酒や純米酒などいろいろな種類があるので、例えば「この料理なら純米酒が合う」といった学びもあって。勉強しているだけでも世界が広がるし、レシピにも生かせるのでとても楽しいです!
ストレス解消法はランニングとワイン

料理の仕事は体が資本なので、体力づくりのためにランニングもしています。昔から「目標を達成する」ことが大好きで、運動も大好き。30代で初めてフルマラソンに挑戦したら3時間台で走れて、サブフォー(編集部注:フルマラソンを4時間以内に完走するハイレベルな基準)を達成したうれしさでのめりこんでしまいました(笑)。最近は、平日は毎朝6時ごろから走っています。朝から走って一日をスタートさせると、頭も体も起きてやる気が出るし、一日のパフォーマンスが違うんですよね。
それからストレス解消法は、やっぱりワイン! ワインを飲んで楽しい時間を過ごすことで、精神的に大変なことがあっても前向きに考えられるようになれます。もう楽しく過ごさないと、人生の時間がもったいないなって思うんです。

お酒をたくさん飲むので、食事のバランスには気をつかっています。昼はレシピの試作や味見でお腹が満たされるので、きちんと食べるのはおもに夜だけ。発酵食品や野菜を多く摂って、あまり体に負担がかからないようにしています。
食で人生を豊かにするお手伝いをしたい

私のレシピのこだわりは、お酒、特にワインに合うレシピになるように意識しつつ、簡単だけどほかにないような食材の組み合わせにすること。それから、「美味しいだろうな」と想像できる見た目にすること。心と体が元気になる料理で、食事の時間を通じて人生が豊かになるようなお手伝いをしていきたいです。
これからは、ワインや日本酒のペアリングにぴったりなレシピをもっと強化していきたいですね。そして、「これは私にしかまかせられない」、そう思っていただけるようなArtistになっていきたいと思っています。

Nadiaは料理家さんの経歴やフォロワー数だけでなく、その人自身のスキルを見てくれます。Nadiaスタッフの方々は愛のある素敵な方が多く、私もいつも助けていただいて、元気をいただいているんです。Nadiaでは仕事に関するいろいろなアドバイスもいただけるし、企業さんのイベントなどで勉強になることも多いですよ。Nadia Artistに興味のある方はぜひチャレンジしていただきたいです!
Nadiaユーザーさんには、私のレシピをたくさんお試しいただけるとうれしいです。自分で言うのもなんですが、「美味しい」と思えるレシピばかりだと思います! これからもどうぞよろしくお願いいたします。
写真:高橋 しのの 文:室井瞳子
えりの食卓's profile

J.S.A.ソムリエ、フードコーディネーターなどの資格を持つ料理研究家。料理教室「えりの食卓」主宰、レシピ開発、メディア出演など多岐にわたり活躍。Instagramのフォロワー数は32万人を突破(2025年5月現在)。著書『こころもおなかもおいしく満たす えりの気分があがるおうち飲み』(KADOKAWA)はAmazon売れ筋ランキング「酒肴・おつまみ部門」「専門料理部門」で1位を獲得した(2024年4月26日調べ)ほか、重版となり好評を博している。
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