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    • 公開日2016/10/22
    • 更新日2016/10/22

    ほっこりおいしい秋の味覚♪ いもの中で一番ヘルシーな里いもの栄養と調理法

    秋から冬にかけて美味しさを増す『里いも』。実は数あるいも類の中でも里いもが一番ヘルシーだってご存知でしたか? 今回はそんな『里いも』の栄養価、調理方法等についてご紹介します。

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    ほっこりおいしい秋の味覚♪ いもの中で一番ヘルシーな里いもの栄養と調理法

     

    低カロリーで栄養豊富!里いもは女性の味方!

    秋から冬にかけて旬を迎える里いも。山で採れる『山芋』に対して、里で採れるいもを『里いも』と呼んでいます。日本には縄文時代に中国から渡来したといわれる歴史ある野菜なんですよ。

    「いも類は美味しいけれど、カロリーが高そうで心配…」という女性のみなさん、ご安心ください! 里いもはいも類の中で一番低カロリーなんですよ。そのうえ、カリウムの含有量はいも類の中ではトップクラス!

    カリウムは、生命の維持に欠かせない必須ミネラルのうちのひとつで、体内の水分調整や塩化ナトリウムの排泄、筋肉や神経の働きを正常に保つ働きがあります。

    また、里いも特有のぬめりは、ムチン、ガラクタンと言われる水溶性の食物繊維。これらは高血圧の予防や粘膜の保護、腸の働き改善など、健康維持に効果的な働きをしてくれます。

    低カロリーで栄養豊富な里いも。毎日の食卓に積極的に取り入れたいですね。

     

    選び方&保存のポイント

    里いもを買うときは、泥付きのもので、袋の内側に水滴がついていないものを選びましょう。里いもは水分を多く含むため、表面にカビが生えやすいんです。

    また、お尻の部分が柔らかくなっているものは鮮度が落ちている証拠。こちらも忘れずチェックを!


    関東地方で広く栽培されている「土垂(どだれ)」と呼ばれている品種は、粘りが強く柔らかいのが特徴です。写真のように、縞模様がはっきりしていて、コロンと丸く膨らんだものを選ぶようにしましょう。


    すぐに調理しない場合は、土付きのまま新聞紙に包んで冷暗所に保存します。カビが生えないように、湿度が高い場所は避け、風通しの良い場所に保存しましょう。

     

    熱湯で3分下ゆですれば、つるんと皮がむける!

    土付きのものは、まずタワシなどでしっかり水洗いしましょう。皮付きのまま熱湯で3分ほどゆで、冷水に取ってから手でむくと、固い外皮だけがつるりとむけます。

    この方法は、生のまま皮をむくと、ぬめりがあって手がかゆくなるという方におすすめの下ごしらえ方です。ただし、あくまで下処理の方法であり、中まで完全に火は通っていませんので注意してくださいね。


    写真のように手で簡単に皮をむくことができます。この状態から食べやすい大きさに切って、煮込み料理などに使います。

     

    おせち料理やおもてなしに!覚えておきたい「六方むき」

    里いもは、掘り起こしてみると、中心の親いものを囲むように子いもが付いており、さらに孫いもと呼ばれる小さないもが付いています。この形状が子孫繁栄の象徴ともされ、縁起の良い食べ物とされているんです。

    そのため、おせち料理などでもよく使われるのですが、こういったちょっとよそゆきの料理に入れる里いもは「六方むき」というむき方をします。

    六方むきにすると見た目にも美しく、煮崩れしにくいので、おせち料理やおもてなし料理に最適というわけなんです。

    切り方は、ポイントを押さえれば意外と簡単!


    まず、上下(頭とお尻)を5ミリほど切り落とします。



    頭からお尻に向かって、同じ幅でやや厚めに皮をむきます。



    次に、先ほどむいたところと正反対のところを、同じ要領でむきます。

    六角形をイメージしながら、角度を調整するのがポイントです。残りも同様に、手前をむいたらその反対側の面、というふうに、角度を付けながらむいていきます。


    するとこんな風に仕上がります。

    このむき方で調理した『里芋の煮物柚子風味』は、おせち料理やおもてなし料理にぴったりですので、これからの季節にぜひお試しください。

    レシピはこちらです

     

    下ごしらえと調理のコツ

    里いも特有のぬめりは、うまみと栄養でもあるので、完全に洗い落とす必要はありません。肉類や魚介類などと一緒に長時間煮込む場合は、下ゆでしなくても柔らかく煮えます。

    ただし、下ゆですることでえぐみを取ることができるので、上品な口当たりの煮物にしたい場合は、皮をむいて柔らかく下ゆでしてから調理することをおすすめします。

    また、下ゆでして冷凍保存しておくと、食べたい時にすぐに使えるのでとても便利です。


    まず、皮をむいたら食べやすい大きさに切って鍋に入れ、水からゆでます。ぬめり成分によって吹きこぼれやすいので、火加減に気を付けながら、竹串を刺してみて、すっと通るまで8~10分ゆでます。



    柔らかくゆであがったら、ザルにあげて水気を切り、熱いうちに保存袋に入れて冷凍庫へ。こうしておくと、お味噌汁や煮物を作る際に長時間煮込む必要がなく、食べたい時に手軽に使えるので便利です。


    個人的には、豚汁に入れた里いもがお気に入りです。ホクホク&ねっとりの食感が堪らない美味しさです。

    煮物はもちろんのこと、クリームシチューに入れたり、マッシュしてコロッケにしたりと、和風から洋風までアレンジ自在に楽しむことができますよ。

    最後に、こんな簡単なおつまみはいかがでしょうか?

    皮をむいて、一口大に切った里いもを170℃の油で数分素揚げして、塩とパセリ、ガラムマサラ(カレーパウダーでも◎)をまぶした簡単おつまみです。

    やや低温の油でじっくり素揚げすることでえぐみも取れて、外はカリッと、中はホクホク&ねっとりの食感が楽しめます。

    スパイシーに仕上げてあるので、ビールのおつまみにも最適! 里いもの煮物は苦手という男性にもこれならきっと喜ばれるはず。

    いかがでしたか? 煮物以外にも色んな料理法が楽しめる里いも。ヘルシーで栄養豊富なので、これからの季節、アレンジを楽しみながら毎日の食卓に取り入れいてみてくださいね。

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    このコラムを書いたArtist

    楠みどり
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    楠みどり

    • フードコーディネーター
    • 野菜ソムリエプロ
    • 幼児食インストラクター

    野菜ソムリエプロ、フードコーディネーター、幼児食インストラクター。レシピ開発やコラム執筆、フードスタイリングなどの仕事をしています。子どもに伝えていきたい、ほっと和む家庭料理や子どもと一緒に楽しめるおやつを提案しています。今後は親子料理教室や食育活動にも力を注いで行きたいと思っています。 2008年 野菜ソムリエ(中級)取得 2009年 祐成陽子クッキングアートセミナー卒業 2017年 幼児食インストラクター取得

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