ガトーショコラや生チョコ、ブラウニーなどチョコレートのお菓子には必ず出てくる「チョコレートを湯煎で溶かす」という工程。サラッと書いてある工程ですが、ここが意外と難しいんですよね💦 私もチョコレートを溶かすのに失敗して無駄にしてしまったことがあります(´・ω・`) チョコレート菓子では基本となる「チョコレートの湯煎」ですが、レシピ内ではなかなか詳しく書けないので、なめらかに溶かすためのポイントをまとめました。 さらにはうまく溶かせなかったチョコレートを捨てない技も!!
チョコレートは温度を上げすぎないことが一番大切です。さっさと溶かしてしまいたい気持ちをぐっと抑えて、ゆっくり静かに溶かすのがポイントです。
板チョコは包丁で刻む。 *塊のままのチョコレートは温度のムラができやすくなめらかに溶けない失敗につながることがあります。
刻んだチョコレートは熱伝導の良いボールに入れる。 チョコレートを入れたボールと同じ、もしくは少し小さめのボールに50~60℃の湯を入れ、チョコレートの入ったボールを重ねる。 *ボールの大きさポイントです!! *チョコレートのボールの熱伝導が悪い(プラスチック製やポリカーボネート製の物は湯煎の温度を上げないとうまく溶けないのでここでは熱伝導の良いステンレス製を使用) *湯の温度を温度計で確かめられない場合は、熱湯と水道水(20℃前後)を半々で混ぜると大体50~60℃になります。手をつけると熱いと感じ、長くはつけられない程度の温度です。
しばらく触らずにチョコレートに熱が伝わるのを待つ。 *まだ熱が伝わらないうちにぐるぐる混ぜたりすると、ムラができることがあります。 ゆっくりと溶けてくるのでまどろっこしいですが、じっと我慢!!
***失敗例*** 板チョコを刻まず、塊のまま電子レンジで加熱して溶かしました。 部分的に加熱しすぎになり、ぼそぼそした部分があります。
上記のチョコレートを混ぜてみても、つぶつぶした舌触りの悪いチョコレートになりました。 少し焦げ臭いような臭いもあり、おいしくありません。
これは極端な例ですが、自動温めモードで途中様子を見ずに加熱してみたところ、溶けていない部分があるにも関わらず一部分は強く焦げました。 溶けていないように見える部分も実は溶けていたので、見た目では判断しにくいですが加熱しすぎになっていました。チョコレート自体の温度は75℃にも達していました。ここまでいくとさすがに焦げ臭くて使えません(´;ω;`)
***失敗例*** 鍋にぐらぐらと湯を沸かし、耐熱ガラスボールにチョコレートを入れて温めました。
ちゃんと溶けたように見えましたが、混ぜてみるとぼそぼそに塊ができました。 *溶かす温度が高温すぎる場合や、湯煎の蒸気や湯が混ざってしまった場合にこのようになることがあります。
上記のチョコレートをもう一度湯せんにかけて溶かそうとしましたが、溶けることはなく混ぜるほどにどんどん固まっていってしまいました。
***リカバリー*** 溶かすのに失敗したチョコレートは、本来の目的には使えないかもしれませんが、捨てることはないです!!(あまりにも焦げ臭いとかはリカバリーできませんが・・・) うまく溶かせず、分離してきてしまった、固まり始めてしまった! そんな時は焦ってぐるぐる混ぜると余計に固まってしまうので、焦らず温めた生クリームを小さじ1くらい加えてそ~っと混ぜてみてください。
焦らず、静かに混ぜる・・・ 足りないようなら少しずつ生クリームを足してOK (なかなかなめらかにならなくても焦らないで!ぐるぐる混ぜると余計に分離してしまいます。)
だんだんなめらかになりガナッシュのような状態になります。
温めた牛乳で伸ばすとホットチョコレートに。 冷やし固めてココアをまぶすとトリュフのようになります♪
よく、「湯煎のお湯が少しでも混ざると失敗するので気をつけて」と書いてあります。 なので、今回いろんな条件でお湯を少し混ぜて実験してみました。 写真はチョコレートの量に対して同量程度の湯を加えてみた物です。
混ぜていくとだんだんガナッシュのようになめらかに!!! なので、溶かしている最中に少しお湯が混ざってしまったからと言ってすぐにあきらめて捨てるなんてことはしないで大丈夫!! どのような目的で使用するかによって、そのままでも使える場合と新しいチョコレートを溶かさないといけない場合はあると思いますが、少なくともお湯が混ざったからと言って食べられなくなるわけではないので、ホットチョコレートにしたり、チョコレートスプレッドとしてパンやクラッカーにつけて食べるのもおすすめです♪
「ゆっくり溶かす」のと「高温で一気に溶かす」のはどう違うのか? 写真は高温で溶かしたチョコレートですが、見た目にはつやがあってなめらかに溶けていて問題ないように見えます。
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hoppe
料理研究家
六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。