少ない材料と簡単な手順で作ることのできる生チョコレート。 なのに本格的な味わいでプレゼントにもピッタリです♪ お菓子作り初心者さんでも作りやすいと言われる生チョコですが、「手軽に少量でも作れる」からこそ見落とされがちなポイントがあります。板チョコでも作れる?植物性ホイップは使える?ホワイトチョコに置き換えても大丈夫??などなど、知らずに作ると失敗の原因になることもあるポイントがたくさんありますよ。
ココアパウダーはミルクや砂糖の入っていない純ココアを使ってください。 はちみつは水あめに替えても構いません。なければ入れなくても大丈夫ですが、あった方が口当たりがなめらかになりやすいです。 生クリームの乳脂肪分はこれ以上低いものはお勧めできませんが、40%、42%などの物であれば牛乳などを混ぜて脂肪分を調整することなくそのまま使って大丈夫です。(35%より固めに仕上がります) チョコレートのカカオ分は全く同じでなくても近いものであれば大丈夫です。
クーベルチュールチョコレート(カカオ分58%)は細かく刻む。 パウンド型の中にオーブンシートを敷きこむ。(高さは2㎝くらいで良い)
生クリーム(乳脂肪分35%)とはちみつ(なくても良い)を鍋に入れ、沸騰直前まで温める。
刻んだチョコレートのボールに温めた生クリームを回し入れる。
中心からゴムベラで静かに混ぜる。
チョコレートが溶け、なめらかにつやのある状態になればOK。
用意した型に流し入れ、型をトントンと打ち付けて表面を均し冷蔵庫で2時間以上固める。
固まったら取り出し、温めたナイフで好みの大きさにカットする。 (ここでは2㎝強にカットしています。)
ココアパウダーをまぶして出来上がり。
***失敗例*** 室温が低いときやボールが冷たいとき、チョコレートが溶け残って粒つぶが残ってしまうことがあります。 このままだと口当たりが悪い生チョコになってしまうので、電子レンジ600wで10秒加熱して混ぜ、完全に溶けるまでこれを繰り返します。 加熱しすぎると分離して、なめらかにならない原因になるので気をつけてください。 10秒以上まとめて温めたり、自動温めモードの使用や1000wで加熱するなどはNG
溶け残りを防ぐため、温めた生クリームの入った鍋の方へ、刻んだチョコレートを加えて溶かす方法もあります。 この方法は特に少量の生クリームだとすぐに沸騰しやすいので温めすぎないように気をつけてください。 沸騰した生クリームへチョコレートを加えると分離しやすかったり、出来上がった生チョコの表面に白いまだら模様が浮き出ることがあります。
ボールで作るときと同じように、鍋の中で中心部から混ぜなめらかな状態にします。 鍋を使うことで保温状態になるので、場合によってはこちらの方法が作りやすいかもしれません。
**失敗例** 鍋で生クリームを温めすぎてしまったときにおこりやすい失敗。分離してしまったときは・・・ ・温度が下がってきてからゴムベラで静かに混ぜると、もう一度つながってきてなめらかに戻ることがあります。 ・牛乳小さじ1加えて混ぜるとなめらかに復活することがあります。 ・牛乳を加えたことでかえって分離してしまったときは 少しあたためてからもう一度混ぜてみてください。(鍋ならとろ火で、レンジなら600w10秒)
**失敗例** カカオ分の低いミルクチョコレートを使用すると固まりにくくなることがあります。 写真は左がカカオ分58%のスイートチョコレート、右はカカオ分44%のミルクチョコレートで、チョコ:生クリームを3:2にして作った物です。(違いを分かりやすくするためレシピより生クリームの割合を増やしています) 右のミルクチョコレートの方はかなり柔らかく仕上がっているのがお分かりいただけると思います。 ただし、写真は冷蔵庫で2時間冷やした状態の物であり、一晩冷やすともう少し固くなります。べとつくのでカットは難しいです。
**板チョコでもOK?** 味わいの点と固まらない失敗を防ぐため板チョコを使うならブラックチョコレートがおすすめです。 チョコ:生クリームは2:1(もしくはこれより生クリームの割合を控えめに)の割合で作ってください。 クーベルチュールチョコレートに比べると柔らかめの仕上がりになり、ややねっとり感が強くなります。
**ホワイトチョコレートを使いたい場合** このレシピの分量そのままでの置き換えは不可です!柔らかくなりすぎます。 ホワイトチョコ:生クリームの割合は3:1、もしくは4:1にします。 ホワイトチョコはカカオ分がかなり少ないものもあるので、4:1程度まで生クリームを減らしておくと固まらないという失敗は防げると思います。
ホワイトチョコの生チョコを作る場合、生クリームの量がかなり少量になるので、温めた生クリームを刻んだホワイトチョコに加える方法では溶けません。 ホワイトチョコと生クリームを一緒に電子レンジ対応のボールに入れ600wで10秒加熱して混ぜ、さらに10秒加熱して混ぜ、というのを数回ホワイトチョコが溶けるまで繰り返す方法が作りやすいと思います。 ホワイトチョコは分離しやすいので、加熱しすぎにくれぐれも注意してください。 自動温めモードの使用や、10秒以上まとめての加熱、1000wで加熱などは避けてください。
**植物性ホイップでもOK?** 動物性の生クリームと植物性のホイップは別物だと考えてください。性質が違うので、場合によっては分離しやすくなります。 クーベルチュールチョコレートであれば2:1の割合で問題なく作れました。 板チョコと植物性ホイップで作る場合、鍋の方へチョコレートを加える方法では分離する確率が高かったです。 (写真は植物性ホイップを鍋で温めたところに板チョコブラックを加えて混ぜ、分離してしまったものです)
板チョコと植物性ホイップで作る場合は、刻んだチョコレートを<a href="/wordlist/湯せん">湯煎</a>で溶かしてから、<a href="/wordlist/人肌">人肌</a>程度に温めたホイップを加えていく方法で作る方が失敗しにくかったです。 チョコレートの溶かし方はこちらのレシピをご覧ください。 https://oceans-nadia.com/user/199129/recipe/425669
***15㎝角ケーキ型で作る場合*** チョコレート 200g 生クリーム 100ml はちみつ 10g で同様に作る。(厚みは1㎝強になります) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パウンド型でチョコレート100g、生クリーム50g、はちみつ5gの分量で作ると、ちょうどこの半分くらいの大きさのものができます。 15×15では大きすぎると感じる方や、できるだけ材料は少なく作りたい方はパウンド型でどうぞ。3×3(厚さ1㎝強)の物であれば10~12個くらい作れます。
15×15の型で作ったものは3×3㎝にカットしています。 25個できます。
***ロールケーキに巻き込むときや、タルトカップに流し入れるなど柔らかい食感にしたい場合*** チョコレートの種類や生クリームの種類にもよりますが、生クリームを増やすことで柔らかい食感にすることができます。 クーベルチュールチョコレートで、カカオ分の高いものであればチョコ:生クリームが3:2の割合(チョコ100gに対し生クリーム66g)でも余裕で固まります。
最後に・・・ **分離したチョコレートのリメイク** いろいろやってみたけど分離したまま戻らない!ってときは・・・ クッキーやカップケーキへリメイクしちゃいましょう♪ 板チョコや、植物性ホイップ使用の物でも大丈夫ですよ。 (チョコのカカオ分の違いやクーベルチュールか板チョコかで、出来上がりの食感や味わいに違いは出ますのでご了承ください。)
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hoppe
料理研究家
六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。