日本のお雑煮文化圏
みなさんのご家庭のお雑煮は、どの地域の文化圏に属しているかご存知ですか? 日本地図に当てはめてみると、大きく5つのお雑煮文化圏に分類されています。
まず、石川、岐阜、愛知を結ぶラインで丸もちと角もちが分かれるといわれています。このラインより東のエリアが一般的に角もち・すまし文化圏といわれ、福井、京都北部が丸もち・赤みそ文化圏、鳥取、島根の一部があずき汁文化圏、関西、香川、徳島の一部が丸もち・白みそ文化圏、それ以外の四国、中国、九州地方が丸もち・すまし文化圏とされています。
加えて同じ角もち、丸もちエリアの中にも焼いたり、煮たり、また大福のようにあんこが入ったあんもちの雑煮もあるのには驚きです。
各地方のお雑煮にその土地ならではの食材が加わり、独自のお雑煮が派生し、多様な雑煮文化圏が築かれてきたことに奥深さを感じますね。
さまざまな出汁と具材
お雑煮に使われるお出汁は、定番のかつお、煮干し、鶏の他に鹿児島の干しエビ、広島の干しアナゴ、福岡・長崎の干しあご、宮城の焼きハゼなど特徴的なものも多くあります。また、人の上に立てるようにと頭芋(かしらいも。里芋の親芋)を加えたり、日の出に見立てた輪切りにんじん、出世するように出世魚のぶりを入れたりとさまざまな願いも込められているんです。
お雑煮なの?きな粉もちなの?食べ方が特殊な奈良のきな粉雑煮
みそ仕立てのお雑煮の中から、もちを取り出して、きな粉をまぶして食べるというなんとも不思議な奈良のお雑煮。きな粉には「豊作になるように」と願いがこめられているそうです。甘いのか? しょっぱいのか? 実際に食べるまでは想像がつきませんが、実際に食べてみると、飽きのこない素朴な味わいです。
レシピはこちら
https://oceans-nadia.com/user/22477/recipe/145295
食べ方にも習わしがある、あご出汁で作る具だくさん博多雑煮
博多雑煮は具だくさんでとにかくぜいたく! ぶりをいれるのは出世魚ということと、「ぶりぶり(博多弁でものすごくの意)儲かる」にかけているとも。食べるときには菜(名)を上げる意味でかつお菜を高く持ち上げてから食べるそうです。
レシピはこちら
https://oceans-nadia.com/user/22477/recipe/145292
雪のような白さ 豆腐だけで作る茨城の豆腐もち
豆腐もちはお正月の三が日に茨城で食べられるちょっと変わった真っ白いお雑煮です。家庭によってはすり合わせた白ごまやくるみを加えるところもあるそうです。スイーツ感覚で食べられるやさしい甘さのお雑煮です。
レシピはこちら
https://oceans-nadia.com/user/22477/recipe/145296
お雑煮に込められた一年の幸せの願い
日本各地には特徴的な具材や珍しい食べ方の様々なお雑煮があるんですね。その中で共通して言えるのが、どのお雑煮にも願いや想いが込められているということ。歳神様に感謝をしながら幸多き一年となるように慎ましくいただきたいですね。
関連コラム
秋のご当地レシピ ちゃんちゃん焼き
秋のご当地レシピ とろける里芋がおいしい 芋煮を作ろう!
鏡餅ってなんで飾るの?どうやって食べるの?意外と知らない鏡餅の豆知識とお餅の美味しい食べ方