中東の伝統料理 「フムス」
「フムス」というのは、エジプトやシリア、イスラエル、トルコをはじめとする中東地域、さらにはギリシャのあたりでよく食べられている伝統的な料理のことを言います。
料理名は地域によっても少しずつ違いますが、具体的には、やわらかく煮たひよこ豆(ガルバンゾ)を、タヒニと呼ばれるごまペーストやにんにく、オリーブオイル、レモン汁などと合わせて、なめらかなディップ状にしたもののことです。
食欲をそそるスパイスも入っていますので、そのあとを引く味わいがパンにもお酒にもとてもよく合います。
中東料理には「メゼ」と呼ばれる前菜料理がたくさんありますが、その中でももっとも代表的なものとして親しまれているのが、まさにこの「フムス」なのです。
流行中の大人気ヘルシーフード
このフムスの最大の魅力は、とにかくおいしくてヘルシーなこと。
なにしろ材料はみな植物性食品ですから、他のお料理と比べても低カロリーです。メイン食材であるひよこ豆は、食物繊維やたんぱく質が豊富で、ビタミン、ミネラルなどもたくさん含まれている優秀食材。さらに、それと合わせるタヒニというペーストは生のごまから作られているため、これまた非常に栄養価が高いという素晴らしい組み合わせです。
ですから近年では、中東地域だけでなく、アメリカやヨーロッパなどのセレブや健康志向の人たちからも注目を集めています。
そして、フムスが流行したもうひとつの理由としては、「ハラール」と呼ばれるイスラーム教徒ならではの食の戒律があります。
よく知られている例としては、「豚肉を食べてはいけない」とか、「アルコールを摂取してはいけない」とかいったことがありますが、このフムスはそんな多くの「決まりごと」を持つイスラーム教徒の人々にとって安心して食べることができる栄養価の高い料理でもあるのです。
近年では、世界的にもこうした「ハラール」食への理解を深めようという動きが盛んになっており、このおいしくてヘルシーなフムスの人気を高める一助となっています。
とにかく簡単! 「フムス」を作ってみよう!
このように中東地域ならではの料理であるフムスですが、一番手に入りにくい食材タヒニは、市販の白ごまペーストで代用可能ですので、実は日本でもとても簡単に作ることができます。
まとめて作っておけば、パンやクラッカーにつけたり野菜のディップにしたりと、何かとおいしくいただけますのでぜひ一度試してみてくださいね。
そのおいしさに、きっと驚きますよ!
基本のフムス
用意するものは、以下の通りです。
・ひよこ豆 (水煮。缶詰でも可)
・タヒニ または 白ごまペースト
・にんにく (すりおろし)
・オリーブオイル
・レモン汁
・クミン (パウダー)
・塩
《 飾り用 》
・カイエンペッパー または パプリカパウダー
・パセリ
レシピはこちら
https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/140734
作り方は、とくに難しいことは何もなく、材料をすべてフードプロセッサーなどにかけて攪拌するだけです。
この時、ディップのなめらかさはオリーブオイルやひよこ豆の煮汁(なければ水でも可)などでお好みに調節します。
あとはお皿に盛りつけて、飾り用のカイエンペッパーとパセリを飾るだけ。
この時、真ん中にくぼみを作ってオリーブオイルを流し入れると、いかにも本場っぽい盛りつけになります。
カイエンペッパーは辛いので、辛いものが苦手な方やお子様も食べる場合は同じく赤い色がきれいなパプリカパウダーを使うのもいいですね。
旬の野菜でアレンジ
基本の作り方がわかったら、今度は季節ごとの旬の野菜を加えてひと味ちがった見た目やおいしさを楽しんでみるのもおすすめ。
基本の作り方さえおさえておけば、フムスならではの深いコクと食欲をそそる味わいはそのままに、さまざまなおいしさを楽しむことができます。
(この場合、加える野菜の水分によってもディップのなめらかさが変わりますので、オリーブオイルなどで適宜お好みのかたさに調節してみてくださいね。)
これからの季節におすすめ!「赤パプリカのフムス(ひよこ豆のディップ)」
https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/127244
サラダにも、軽食にも、おつまみにも
こうして作ったフムスは、コクも旨みもバッチリ、そのまま食べても何かにつけても、どちらでも本当においしいです。
「ちょっとお腹がすいた~」という時でも、これさえあれば、あっという間に満足感いっぱいの一品が完成。
サンドウィッチにはさんでもいいですし、野菜やクラッカーに添えればお酒によく合う素敵なおつまみにも。
食べごたえはあるのに重たさがなく、後味が軽いので、お夜食やお酒の後のひと口にも向いています。
簡単に作れてヘルシー、そして何よりとてもおいしいフムス。ぜひみなさんも、おうちで楽しんでみてくださいね。